ホーム » 小説 » 小説/や行 » 闇の中の二人(東野圭吾)

598 名前:1/2 投稿日:2006/05/26(金) 00:20:53
東野圭吾の短編小説。

主人公は高校の女性教師。ある日、受け持っている男子生徒の家に泥棒が入る。
運悪く泥棒が入った部屋は生まれたばかりの男子生徒の弟が寝ていた部屋で、
泥棒の気配に気付いた弟は目を覚まし号泣。泥棒は弟の首を絞めてそのまま逃走。
他の家族は無事で何も盗られずにすんだものの、弟は死んでしまう。
学校が終わった後、男子生徒の家を訪ねる主人公。しかし、確かに元気はないものの、
男子生徒の様子はどこか他人事のようだ。よくよく聞いてみると、
弟は父の後妻(男子生徒の義理の母)が産んだ子で、直接の血のつながりはないらしい。
そして、男子生徒はこの義理の母のことをあまり良く思っていないらしい。
事件が起きて数日が過ぎたが、犯人は今だ捕まらず、男子生徒も学校を休みがちになる。
心配した主人公は再び男子生徒の家を訪ねる。
チャイムを押すと出てきたのは男子生徒だった。父も義理母も出払っているという。
男子生徒の部屋に上がり話をしていると、男子生徒が急に「先生にプレゼントをあげる」と香水を差し出す。
「こんな高い物もらえないわ」と拒否する主人公だが、
「じゃあ、今つけてくれるだけでいいから」と男子生徒は一歩もひかない。
必死に懇願する男子生徒の様子に気圧され主人公は香水をつける。
次の瞬間、男子生徒に主人公は押し倒される。
動転し「な…放して××君……放し……放せゆうとるやろ!百万年早いんじゃこのぼけガキャー!!」と
男子生徒を跳ね除ける主人公。
気がつくと、跳ね飛ばされた男子生徒はその場にうずくまって泣いていた。
とりあえず「いろんなことがあって精神的に疲れているとは思うけど、
みんな待ってるから早く元気になってね」と慰めて、主人公は男子生徒の家を後にする。
翌日、やはり心配になった主人公は男子生徒の家を三度訪ねる。
が、主人公がそこで見たのは家の前に止まったパトカーと警察に連行される男子生徒の姿だった。


599 名前:2/2 投稿日:2006/05/26(金) 00:22:48
《事件の真相》
ある日、父親が新しい妻を連れてくるが、男子生徒は
明らかにこの財産目当てっぽい義理の母のことが好きになれず、始終反発していた。
しかし、ある夜、男子生徒が寝ていると、義理の母親が部屋に忍び込んでくる。
いつまでたっても自分を認めない男子生徒に業を煮やした義理の母は、
色仕掛けで男子生徒を手の中に収めることにしたのである。
で、そういうことがあってから、男子生徒は表では義理母のことが嫌いな態度をとりつつも、
内心では次第に義理母に憧れの感情を抱き始めていた。(主人公に渡したのは義理の母が付けていた香水)

しかし、弟を妊娠、出産してから、義理の母はぱたりと自分の部屋にこなくなる。
もんもんとする男子生徒。そして、「今度は逆にこちらから夜這いをかけてやろう」ということを思い立つ。
父親が留守の夜、男子生徒は義理の母のいる寝室に向かう。
寝室に行くためには、弟がいる子供部屋を通らなければならない。
子供部屋にたどりつき、何気にベビーベッドの中をのぞく男子生徒。
中では、幼い弟がぐっすり眠っている。その時、男子生徒は気付いてしまう。
弟が生まれたとき、弟の顔を見たものは皆、男子生徒にそっくりだと言った。
『やっぱり兄弟って顔が似るもんなんだね』
『さすが××(父の名)の息子だな。母親が違っても、兄弟そっくりだ』
違う。これは父の子供ではない。この子の父親は……
その時、急に弟が目を覚ます。そして呆然と立ち尽くす男子生徒を見つめ――微笑んだ。
気付いた時、男子生徒は弟の細い首に手をかけていた。

パトカーの中、男子生徒は何日ぶりかの深い眠りにつく。
その寝顔を見て、横に座る刑事は思う。「まだまだ、寝顔は子供だな」と。
しかし彼は知らない。
この少年が弟と我が子の二人を同時に殺したことなど。


606 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/26(金) 01:25:01
>>598
面白いし後味も悪くてグッド。
ただ、弟が男子生徒の子かどうかはハッキリしないね。
(父親は一緒だから似ても不思議はないんだし)

608 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/26(金) 01:32:47
そのへんも含めて後味悪いのか。
東野圭吾あんまり好きじゃないけど結構面白そうかも。

 

犯人のいない殺人の夜 (光文社文庫)
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