ホーム » 小説 » 小説/は行 » 八丁堀の湯屋(平岩弓枝)

558 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/12(火) 22:07:29
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平岩弓枝のシリーズ時代小説(『御宿かわせみ』だったか?)

ある朝、湯屋の女湯で中年の同心Aの斬殺死体が発見された
武士が朝湯に女湯を使うのは通例で、朝は女性が湯を使うことは稀で
空いている事が多く、反対に男湯は朝から仕事前の庶民達で賑わう

そこへ武士が入ると,庶民も武士もお互い気まずい思いをするので
いつの頃からか、早朝は武士が女湯を使うようになった

勿論、朝から湯を使う女性も居ないわけではないので、
予防線として武士が入浴中の時には脱衣所の刀置きに両刀をかけておき、
これを見た女性が入浴を遠慮する・・という訳だが、
Aはその置いてあった自分の刀で入浴中を何者かに切り殺された・・という事になる

番台には見張り番が居たが、生憎、犯行時間にあたる時に、
男湯で派手な喧嘩騒動があり、仲裁に席を外していた。

喧嘩が起きたのは単なる偶然で、殺人とは何の関係もないという事も判り、
Aが殺されるほどの恨みを買うほどの腕利きでもない(Aはどちらかといえば無能で陰気)
探索をしている同心達もお手上げな上に、仮にも捕り方の同心が
女湯であっさり切り殺されたなどと公になれば、AどころかA家そのものが恥を晒す事になる・・・という事で、
Aの事件は急な病での死と処理され、犯人の探索は中止となった。

だが、実は有能な同心とその友人(シリーズの主人公)が殺人犯を探り当てていた・・・が、
わざと見逃したのだった

その事件のあった湯屋の近所の大店の一つに、おきゃんな12歳の娘がいた
(もう直ぐ大身旗本に行儀見習いに奉公に行く事が決まっている)


559 名前:558 投稿日:2006/09/12(火) 22:10:32
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まだまだ子供のその少女はその日の朝、親の言いつけで湯屋に行った事が判っていて、
そして殺人事件が起きたので家人が心配していると、暫らくしてから別の方向から帰ってきて
「湯屋に入ろうとしたら何だか大騒ぎになっていたので入れず、別の湯屋に行っていた」と説明したという
しかし、主人公達が調べた結果は、少女はその日、問題の湯屋に来ていた。
主人公達の陰鬱な推測は、少女が湯屋に来た時、折り悪く喧嘩騒動の最中で、番台には誰も居なかった。
番台に人がいたら、少女が入ろうとしたら止めただろう

また少女がもっと大人だったら、脱衣所の刀架けに両刀が置いてあるのを見て
男性が入浴中だと気がついて帰っただろう

しかし少女は気がつかないで、湯船の中に入ってきた、Aは何も知らず全裸で入ってきた、
穢れない少女の身体を見て欲情して襲ったのだろう。
少女の悲鳴は男湯の大騒ぎでかき消されだろうし、Aにしたら、力づくで乱暴しても
たかが幼い町娘が、武士、しかも同心に乱暴された、と訴える訳がないと
たかを括っての事だったろうが・・主人公は思った、
身も心も傷つけられて呆然と脱衣所に戻った時、少女の心が刀架けに架かっている刀を見て壊れたとしたら・・
平然と湯船に浸かっている、Aに夢中で切りつけたしても誰が責められよう

出来る事なら少女がこの辛い事件を乗り越えて、幸せになってくれるように
いや、この推測が間違っている事を祈りながら、主人公達はこの事件から手を引いた
しかし、数ヵ月後、主人公達は少女が奉公先の旗本屋敷で井戸に身を投げて死んだと知らされる。
原因は、急に太り出してお腹が出てきた少女を、朋輩達がからかったことだった。。。
何か、鬼畜同心のAが病死として体面を守られたのに、
被害者の少女が死ぬしかなかったのが可哀想だったよ_| ̄|○


560 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/12(火) 23:25:45
>>558
その話は自分の中で、かわせみの後味悪い話トップにくるよ。
主人公の恋人が真相を聞いて「まさか、まだ幼い子に」とか愕然としてたけど
激しく同意だった。

561 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/09/12(火) 23:34:34
>>558-559
寝る前にキッツい話を読んでしまった……。
最後のくだりがなければ、まだ救われた(希望が持てた)のにね。

 

八丁堀の湯屋 <新装版> 御宿かわせみ (16) (文春文庫)
八丁堀の湯屋 <新装版>
御宿かわせみ (16) (文春文庫)


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