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227 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 14:14:26
not simpleって漫画が絵柄とは大違いに後味悪い話だった

243 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 18:12:11
主人公のイアンが死ぬ回ではじまるが、時系列順に書くと

少年イアンは姉と父の近親相姦の末に生まれた子供
本人はその事を知らず、祖母であり父の妻である人を母だと思っている
父も母も「お前なんか自分の子供じゃない」という風に扱っており、
唯一イアンに愛情をそそいでいるのは実母である姉だけ。
姉はイアンを連れて家を出るための資金を稼ぐために強盗を企て獄中行きになり、
出所して家に帰るとそこは売地になっていた。
両親が離婚し、父は引越し、母もイアンを連れてどこかへ行ってしまったらしい。

イアンが生まれてから酒浸りの日々を続けていた母は、やはり引っ越した先でも飲酒しまくり
ものすごいペースで呑むものだから金もすぐになくなる
イアンが働きに行っても、たまに心配して叔母が金を持ってきてもそれも酒に消える
母は同じアパートに住む売春の仲介人の男に、イアンを預けた
「母さんは僕の事が嫌いだから、お金を持って帰れば好きになってくれるかな」
なんなのかもよくわからないままイアンはその男のもとに通うようになる
仕事の後にはお金とご褒美にガムがもらえた
やっとの事で会いに来た姉は、アル中の母のもとにいるより
父のもとにいた方がまだいいと、イアンに父の家に行くよう言った。
「姉さんといたい」と言うが、これから姉は母の世話をしなければならないからだめだという。
「あなた夢や目標は持ってる?…じゃあその目標を達成したら会いにきてもいいわ」と言われる。
目標は、千メートル走の選手ロバート・ジョンストンの記録を超える事。

父は金こそは与えてくれたが、ひどく冷たい態度を取り続け
やがて新しい女と再婚するからと家を追い出された
イアンは陸上選手になった 大会では四位という成績だったが、目標を達成する事はできた
その縁で、記者のジムと知り合う事になった。
彼は小説家でもあり、いつかイアンの人生を小説にしたいという。


244 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 18:14:08
やっと姉に会いに行けると、イアンは姉を探す旅に出た。
その途中で、イアンははじめて「好きだ」と感じる女性に出会った。
お金持ちな彼女は、浮浪者同然の格好で道端にいたイアンにスーツ一式を買ってくれた。
彼女は愛してもいない夫やわがままな娘に愛想がつきて、家出をしてきたのだという。
イアンも生い立ちを語る。その頃には、姉が実母ではないかという事にも勘付きはじめていた。
自分は今、姉を探している。貴方がいなくなったら貴方の娘もきっと必死で探す。
イアンのその言葉に女性は、やっぱり家に戻るわ、と言った。
でもまたイアンに会いたい。だから三年後にまた会おうと約束した。

姉は死んでいた。恋人を殺そうとして捕まり、獄中で病死した。事情を聞きにイアンは両親に会う。
母は言う。結局はあんたがいなかったらって、それだけの話だ。あんたがいなければ良かったのにと。
父は言う。今の家族と幸せだからそんな事はどうでもいい。もう二度と顔を出すなと。
どうすればいいかわからず、ただ歩き続けているうちにジムのもとへ帰ってきた。
「歩いていると親切な人たちに出会う。今ここにこうしていられるのもそういう人たちのおかげ
 あたたかいよね。でも、本当に感じたいのはもっとちかくにいる人からのぬくもりなんだ」

イアンは姉の恋人に会いに行った。帰ってきたイアンの片手にはガムがあった。
イアンはなにも言わず号泣していた。
ジムも姉の恋人に会いに行く。彼は、かつてイアンの売春を仲介した男だった。
彼と姉はアパートの住人の紹介で知り合った。
愛し合っていたが、彼が過去にイアンに対して行なった事を知り、姉は豹変した。
斡旋業をやめて10年、姉と出会って6年。だが姉は許さず、ナイフを振り下ろした。
姉が獄中で亡くなったのは、彼から病気が感染したからだった(恐らく性病)
そしてその病気はまだ発症していないだけで、恐らくはイアンにも感染しているという。


246 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 18:17:13
三年が経とうとしていた。
「これから楽しい体験をすれば小説も楽しいものになるんだよね」
かつてあの女性と会った時の服を着て、スーツをカバンに入れてイアンは家を出た。ジムも後からついてきた。

お金持ちで暇を持て余したアイリーンは、彼氏と駆け落ちしようと思い立った。
だが父親は「娘に近づく男は殺す」とカンカンだ。
なので、彼氏の影武者を立てようと、道端にいたイアンを連れてレストランに入った。
中で話をするうちに、アイリーンはイアンが待ち合わせをしている事を知る。
アイリーンは母がかつて言っていた事を思い出す。
叔母が三年前に、家出をしようとした時にある青年と出会い
三年後に再会しようと誓ったという話を。約束を果たせぬまま叔母は亡くなったが
その事を告げられ、イアンは落ち込んだ。せめて墓場に連れて行こうとレストランを出る。
イアンがトイレに行っている間、アイリーンは母に電話をかけて
叔母の約束の人とであったと報告した。
「あれは嘘なの 彼と会ったのは本当は私だったの」
待ち人はまだ生きている、そう報告しようとイアンの入ったトイレに向かう。
途中で、父の部下を何人も見かけた。前の彼氏を轢いた運転手もいた。父とグルだったのだ。
トイレには何故か立ち入り禁止の看板が立てられていた。胸騒ぎがした。
そこにジムも現れ、ジムと共に中に入ると腹を刺されて血まみれのイアンが横たわっていた。
父は本気だったのだ。イアンは今にも死に行こうとしていた。
「ジム、彼女もういないんだって」イアンは涙を流す。
違った、本当は生きていたとアイリーンは叫ぶがもう手遅れだった。
「彼は母と別れた後にお姉さんと会えたの?」ジムは答えず、
「ツキの全くなかった男が君のせいで更に底に落とされたとだけ云っとく」と言った。
イアンの事が知りたいなら小説を読めという。
一年ぐらいたったころに新刊コーナーを見ればあるはずだと。

一年後、not simpleという本が出版された。
今までその著者が書いた物とは作風がだいぶ違い、ひどく暗い内容だったという。
話の中で主人公を見守り続けるゲイの男が出てきており、それが作者ではないかと言われている。
作中でそのゲイは、主人公が死んだ一年後に自殺しており、
作者も現在失踪中で、自殺したのではないかと噂されていた。


247 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 18:22:06
えぐい…
身近な人から愛されたいというささやかな願望をやっと捨てようとしたのに…

249 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/04(土) 20:14:43
イアンカワイソス(´・ω・)

933 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/15(水) 19:05:41
>>243
今更読んだけど、構成が時系列順じゃないから余計に後味悪く感じられる

イアン死亡(この時点では状況がわからない)

イアンの悲惨な生い立ち

イアンがはじめて恋をして3年後に出会う約束をする

この時は幸せだったのに…と思うと余計にやりきれない終わり方だ
自殺しに行くジムが、イアンがかぶっていた帽子を片手に持っているとかの細かい演出も悲しい


934 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/15(水) 20:13:03
>>933
その作品、連載してた雑誌(ネットコミック)が廃刊になったんだっけか。
ネットで公開している以上、連載しているだけじゃほぼ収入ないだろうし
かといって単行本化されているのも知名度的に売れない。
しかも廃刊。

超能力部とかヨイコノミライとか好きだっただけに、後味の悪い話だ。


936 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/15(水) 21:03:42
>>934
でもnotsimpleの作者オノナツメと、ヨイコノミライの作者きづきあきらは
あのweb雑誌の中でレベルが明らかに違ったし、
実際それから売れたよね。今はどっちもリアル雑誌に連載持ってるし。
どっちも別の出版社で単行本が復刊されたし。
まあ他の連載陣を好きだった人には後味悪い以外のなんでもないけどさ…。

 

not simple (IKKIコミックス)
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