クール・キャンデー(若竹七海)

186 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/02(土) 23:56:47
若竹七海の「クール・キャンデー」

主人公は中学生の女の子。
主人公は母と、主人公とは異母兄弟だが
優しくて努力家の兄と暮らしていたが(父親は蒸発)、やがて兄は結婚。
兄嫁は基本的に悪い人ではないのだが少し我侭で無神経なところがあったが、普段は一緒に住んでいないし、
いらなくなった服やバッグなどをくれたりしていたので主人公は気にしていなかった。
美人で金持ちだった兄嫁は雑誌に紹介され、それを見た兄の友人にストーカーされてレイプされたのが原因で
飛び降り自殺をはかり、運よく助かって意識不明のまま入院。
主人公が誕生日と夏休みの初日を明日に控えて浮かれていたある日の夜、
兄嫁が入院先の病院で生命維持装置が外れ息を引き取った。
しかも同時刻に、アル中だったストーカーの男も、道に突然飛び出して交通事故で変死していた。
その時刻にアリバイがなく、しかも自分のアリバイに対して嘘をついていた兄は
動機ばっちりとして容疑者となってしまう。
兄を無実と信じる主人公は、それを証明するため夏休み返上で奔走する。

ラスト、主人公は兄に真実を告白する。
兄嫁が自殺未遂して友人にも裏切られ意気消沈していた兄を見て心苦しく思った主人公は、
あの日の夜、ストーカーに復讐するため
以前兄嫁からもらった服を着てカツラをつけ兄嫁に成りすまし、友人と協力してストーカーの前に現れた。
ちょっと怖がらせるだけのつもりだったのだが、パニックに陥ったストーカーは道路に飛び出し事故にあって死亡。
その後、なんだかんだあってその主人公の告白のおかげでなんとか兄の無実は晴れる。
すべてが丸くおさまり和やかなムードの中、
「ところで、兄貴はあの夜本当はどこに行ってたの?」と聞く主人公。
兄はにっこりと微笑みながら
「病院に行ってた。○○(兄嫁の名前)を殺しに」

途中主人公の恋愛模様や友情問題を挟んだり小学生を暴行魔から助けたりして、
テンポよく進む青春ライトミステリだと思っていたら、ラストの一行でズドンと落とされた…。
中学生主人公が名探偵になって、兄貴の無実を証明してはいハッピーエンド、だと思ったのに。
物語後半で明かされる、主人公が兄を無実をどうしても証明したい理由が、
実は自分自身がいじめられたりしたくないからというのもなんとなく気持ちを重くさせた。


231 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/03(日) 13:34:48
>186
ストーカーは自業自得だから死んでもいいとして、
兄はなぜ嫁を殺したんだろう。
1実はワガママな嫁にうんざりしていた
2看病するのマンドクセかった
3植物状態ではかわいそうなので死なせてあげた
4レイーポで汚れた女なんかイラネだった

3ならまだわかるけど、それ以外だと…


232 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/03(日) 14:04:38
>>231
話の感じとしては多分、1か4じゃないか?

234 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/12/03(日) 14:51:31
>>231
全部じゃないかね。特に124。

>主人公が兄を無実をどうしても証明したい理由が、実は自分自身がいじめられたりしたくないから

何しろ、こういう↑発想で目的達成まで執念深く行動する主人公の
実の兄ちゃんなんだし、聖人じゃないだろうな。
やっぱり同じように自己中な理由で用意周到に行動に移すタイプ。

と連想してしまい、orz度アップ。


236 名前:186 投稿日:2006/12/03(日) 16:34:34
>>231
自分は1のつもりで読んでたけどそう言われると他の考え方もなるほどって感じだ

>>234
父親が違うので実の兄弟じゃないんだ。(184では異母兄妹と書いたけど異父兄妹が正しい)
兄は悲惨な家庭環境の中で努力に努力を重ねて東大まで行き、その後一流銀行に就職、
母にも父親違いの妹にも優しくて正に聖人君子のような男だと主人公にも言われていた
主人公には「大好きな兄を助けたい」という気持ちも確かにあっただろうが、
根底には「殺人犯の妹といわれたら嫌だ」という気持ちが実は潜んでいたということが
妙にリアルなのもあって本当に読後感悪かった…
件の兄の台詞もラスト一行だったし

 

クール・キャンデー (祥伝社文庫)
クール・キャンデー (祥伝社文庫)