ホーム » 小説 » 小説/ま行 » マルドゥック・ヴェロシティ(冲方丁)

135 名前:丸・1 投稿日:2007/01/07(日) 14:40:14
「マルドゥック・ヴェロシティ」
人間を改造して超絶兵器にする技術が開発されたが、
あまりに危険なので研究はなかったことに、サイボーグたちは廃棄処分にされそうになった。
しかし彼らは「マルドゥック09」という条例により「有用性」を示すことで生存を許されることになり、
平たく言うと命を狙われている人のガードマンのような仕事をすることになった。
ボイルドはその1人で、体内に磁場を操作できる装置を持っており、
彼の相棒の知性あるネズミのウフコックは様々な武器に変身できる。
で、ボイルドたちは仲間と一緒に敵対組織と戦うのだが…。

どんどん人が死ぬんだけど殺す側が拷問を好むので、死体描写がひどく凄惨。
敵方のサイボーグはどいつもこいつもサイコパスで、外見もものすごくグロ。
ゴキブリみたいなのとか、ティンコみたいなトナカイの角生やしてるとか。
せりふもまるで2ちゃんねるを読んでいるよう。
あと、ボイルドは過去、戦争中に爆撃機で味方に誤爆して派手に殺しているんだけど、
敵サイボーグのなかにその時の負傷者がいたり(それが原因で改造された)
ボイルドたちのリーダーの科学者も拷問を実況された後、縦にまっぷたつであぼん。
ボイルドは敵一族の女に惚れるけど、その女は凶悪な病原菌の保菌者で、
セックスすると短時間で相手の体はぐずぐず腐って溶ける。そうやって何人も殺している。
それでも人工授精でボイルドの子をもうけるけど、
女は妊娠で体質が変わってあぼん、娘は意識を共有する集団の教祖様みたいな存在になる。
数少ないまともキャラで好感を持ち始めていた刑事もあっさりあぼん。
友情で結ばれていたはずのボイルドとネズミだけど、キレたボイルドが
ネズミの意志を無視して(信頼を裏切って)武器化した彼で殺しまくる。
純粋でナイーブなネズミは大ショック。
結局すべての黒幕は、味方のフリをしていた権力者。


136 名前:丸・2 投稿日:2007/01/07(日) 14:40:55
で、時間の流れ的にはラストシーンの前に、前作「マルドゥック・スクランブル」がはいる。
こっちは元少女娼婦だったサイボーグと、ボイルドと別れたネズミのコンビが主人公。
少女は殺されかけたところを「ヴェロシティ」で殺された
リーダー科学者の弟子に治療(改造)を受け助かった。
で「マルドゥック09」に従い自分で自分を守るという有用性を示すことになった。
ボイルドは彼女を殺そうとしている男に雇われている。
つまりヴェロシティでの立場と全く逆になっている。
この話のラストは少女+ネズミとボイルドが戦うところで終わる。

で、「ヴェロシティ」のラストは、死体安置所に横たわる死体。
黒幕男は死体解体が趣味なのでほやほやの、
しかも特別な相手の死体(ボイルド)ということでワクテカやってくる。
すると死体の体内の磁場発生装置が作動してミニブラックホールみたいなものを発生させ、
黒幕男とついでに味方だった検察医?も巻き込んで消滅、終わり。

読んでいてとても面白くはあるけど、「ヴェロシティ」の凄惨さと、
「ヴェロシティ」では普通の人の命守ろうとしていたボイルドがその後仲間を壊滅させられたとはいえ
「スクランブル」では少女を殺す側に回った、
信頼していたネズミを裏切った、実の娘は一回姿を見たっきりで名乗りもせず、
最後は死体安置所でボーーーン!  後味悪いというか空しいというか。
あとがきで作者が失踪したとか吐いたとか書いているのもちょっと。

 

マルドゥック・ヴェロシティ1〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)
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マルドゥック・ヴェロシティ2〔新装版〕 (ハヤカワ文庫JA)
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