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445 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/02/20(火) 22:44:56
トレヴェニアン「バスク、真夏の死」
初老の軍医、ジャン-マルク(バスク出身)が青年時代の悲恋を回想するという体裁になっている。

フランスで勉強後、医師となってバスクの田舎町に赴任したジャン。
そこで快活で妖精のような女性カーチャ(別に本名があるらしい)と出会い、ひかれていく。
だが彼女の双子の弟ポールは、ジャンと姉の接近を快く思っていないようで、なにかと皮肉を言う。
かと思うと親しげな態度を取ったりするポール。困惑しつつも姉弟と親しくなっていくジャン。

姉弟の父は中世研究家で、浮世離れしているが好人物だった。
しかし父もまた、カーチャとジャンの交際を喜ばない様子。
だがジャンのカーチャへの思いはつのるばかり。
しかしカーチャの家に滞在中のある夜、ジャンは何者かに頭を強打され昏倒する。
自分の病院で目覚めたジャンは、カーチャの家へ向かう。

家では2人の父が自殺し、ポールが殺されていた。
そして髪を切り男物の服を着てポールになったカーチャがいた。
カーチャは少女時代、ポールの友人に強姦されてから「カーチャ」と名乗り、
いわば別人となることで精神のバランスを保っていた(本名はオルタンス)
だがカーチャが恋をした時、彼女は相手の青年を殺してしまった。強姦されたショックが蘇ったのだ。
父とポールは死体を隠しカーチャを守った。カーチャは犯行時の記憶を失っていた。
ジャンを殴ったのもカーチャで、恋をすると相手を殺さずにいられない状態になっていたのだ。


446 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/02/20(火) 22:45:39
疲れきった父は自殺し、ポールはカーチャが殺した。
カーチャはけっして汚されない「男」のポールになろうとしたのだ。
完全に狂ったカーチャと対峙するジャン。
カーチャへの思いを打ち明け、カーチャも一瞬正気に返り自分もジャンを愛していると答える。

結局カーチャも自殺し、ジャンは泣きながら去るしかなかった。
研修生時代、精神病院にいたジャンはカーチャをあんな所には行かせたくなかった。
若い女性患者への性的虐待は日常的な、ひどい所だった…

独身のまま老いたジャン。
軍医としてある強姦犯を治療した。
ジャンの治療を受けた後、軽傷だったはずの強姦犯は死んだ。
カーチャ一家の運命を狂わせた「強姦」という犯罪を、ジャンは憎み続けていたのだった。

ちなみにジャンの精神病院での鬱エピソード。
若い女性患者の担当になったジャン。患者は顔も服も汚れたままで、決してきれいにしようとしない。
ジャンは治療の一環として、身だしなみを整えようと根気よく指導。患者もついに従う。
きれいになった彼女を見て、社会復帰もできるかもと喜ぶジャン。
だが美しくなった彼女は職員や患者に犯される。
「あんたもどうせやりたいんだろ!」とジャンをののしる女患者、愕然とするジャン…(‘A`)


447 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/02/20(火) 22:55:24
うわあああ…なんて鬱エピソード満載なんだ、ジャン…。

 

バスク、真夏の死 (角川文庫)
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