金田一少年の事件簿/オペラ座館・新たなる殺人(天樹征丸)

895 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/17(土) 02:48:50
金田一少年の事件簿の小説版「オペラ座館新たなる殺人」

過去にオーナーの娘が自殺した曰くつきの館で、
かつて天才少年探偵金田一一は殺人事件に遭遇した。
今回、立てかえられた館に一は招待された。
そこにはかつてオーナーの黒沢の娘が所属していた劇団員たちがやってきていた。

主な劇団員は四人
イケメン…娘の彼氏だった。今は美人と結婚
美人…イケメンの妻 お金持ちで以前からイケメンに執着していた
デブ…ナルシスト
小物…イケメン・美人・デブに媚びまくり

黒沢は演出家としてかつては有名な人物だったが、
娘が女優としてデビューしてからは、才能溢れる娘に
親の七光りなどという中傷を浴びさせてはいけないと引退して孤島にオペラ座館を開いた。
ある日、娘は黒沢に「イケメンと別れた」「もう彼のお嫁さんになれないの」と言ってきた。
そして、イケメンが金持ちの美人と付き合い始めたとの報せが入った。
イケメンははなから黒沢のコネが目当てで娘と付き合っており、
黒沢が演劇界から去った今では娘より美人の方が利用価値があると乗り換えたのだ。
やがて娘は自殺した。
自分のせいだと黒沢は思いつめ、衝動的に自分の頬を刃物で切ったりする。
娘の自殺からそう何年も経たない頃にイケメンと美人は結婚した。
祝福しながら内心では黒沢は二人を恨むが、一番悪いのは自分なのだとも思っていた。

一がオペラ座館に滞在してすぐに殺人が起きる。美人が殺された。
イケメンは犯人はお前だろうと黒沢に詰め寄る。
アリバイなどから一がそれを否定すると、イケメンは今度は下卑た笑みを浮かべながら
「あんたの娘を捨てた俺と美人が憎いんだろ」
「あいつはそこそこ良い体だったがあんたのコネがなければ価値がない」
と黒沢と娘を中傷して去って行った。


896 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/17(土) 02:49:51
やがてデブが殺された。死体の身の回りを検分した一はおかしな事に気づく。
次にイケメンが殺されかける。
疑心暗鬼なイケメンは他のものに怒鳴り散らしたり殴りかかったりしてくる。
そして次に小物が殺され、そこでようやく巡回船が訪れ、皆は孤島から脱出できた。

デブの自宅前にやってきた犯人。すると既に先にやってきていた一と黒沢に見つけられてしまう。
デブが殺害された際、持っているべきものがなくなっていた。それはデブの自宅の鍵。
犯人が持ち出したと察した一は、事件後に犯人がデブの家を訪れると推理して張っていたのだった。
犯人はイケメンだった。問い詰められ、イケメンは動機を語る。

イケメンと娘は本気で愛し合っていた。
美人がちょっかいをかけてくるものの、イケメンはただ一心に娘を愛しつづけた。
ある日娘はいきなりイケメンに別れを告げ、そして話し合いすら拒絶し、そのまま自殺した。
わけもわからぬまま最愛の人を失い、せめて自分の夢であり娘の夢でもあった、
世界的に有名な役者になろうとがむしゃらに稽古をし続け、
半ば打算を持って、自分を慰めてくれた美人と結婚した。

挙動不審なデブと小物の様子が気にかかっていたイケメン。
もしかしたら娘の自殺になにか関係しているのではないかと思い始める。
プライドが高く女性を見下す面のあるデブにあわせて、
自分もそうふるまい、美人も娘もどうでもいいよ、というふりをして
イケメンはデブに近づき信用を得て、やがてデブにあるビデオを見せてもらった。
そこには、デブと小物に強姦される娘の姿が映っていた。
イケメンに執心だった美人は、イケメンと娘の仲をどうしても引き裂きたくて
デブと小物に娘を犯すよう命じたのだった。ビデオをイケメンに見せるぞと脅して
別れさせる計画だったのだが、その前に娘は
「汚れた自分はもうイケメンと付き合う資格がない」と別れを告げ自殺したのだった。

「お前そんな事してたのかwww美人もそこまでするとは必死な女だなwww」
と残忍な男の顔で面白がるふりをしながら、イケメンは復讐を決意した。
そしてそれから何年間も、娘を死に追いやる計画を立てた美人を、
娘に陵辱の限りをつくしたデブを、二人に追従して娘を苦しめた小物を殺す機会を狙いつづけてきたのだった。


897 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/17(土) 02:52:04
元よりイケメンは逮捕など覚悟の上だったが、それでもすぐに捕まるわけにはいかなかった。
以前に見せられた、娘が陵辱された姿の映されたビデオを処分するまでは。
たとえ警察関係者といえども、あんな姿を見させるわけにもいかないし、
なにより尊敬する黒沢に真実を知らせ、尚更傷つけてはいけなかった。

逮捕されても嘘の動機を語り、娘の本当の自殺の理由を隠すために悪者になる気でいたのだった。
結局は語るはめになってしまったが。
「あいつらを殺した事を後悔はしない
 でも演技とはいえ、あなたや娘の事をひどく言った事だけは許されない事だった」
と謝るイケメン。
そして金田一は、捜査資料としては重要なものである事をわかりつつも
イケメンがビデオを破壊するのを黙認したのだった。

更に漫画で「オペラ座館第3の殺人」があるんだが、
そちらでは黒沢が事故だか病気だかで死んじゃってて更に報われない感じだった


898 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/17(土) 03:34:18
イケメンのくせに良くやったじゃないか(*゚∀゚)=3 ムッハー

 

小説 金田一少年の事件簿(1) (講談社漫画文庫)
小説 金田一少年の事件簿(1)
(講談社漫画文庫)