カナリア

625 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/28(水) 17:57:13
「カナリア」という映画

とある宗教団体が行きすぎた信心の結果大量殺人を起こし検挙された。
幹部たちは逃亡、団体の施設から発見された信者の子供たちは
それぞれ親戚や適切な施設などに送られていった。
その子供の中に、逃げた幹部の一人を母に持つ兄妹がいた。
祖父は兄妹を引き取ろうと面会したが、兄が祖父を殴り倒したために
「洗脳されきっている」と拒否され、妹だけが引き取られた。
施設に送りこまれた兄はある日、脱走した。妹を祖父から取り返すために。

東京の祖父の家に向かって走り続ける兄は一人の少女に出会う。
彼女は家出して東京を目指している最中で、兄に同行したいと言う。
兄は無愛想ながらも許可し、二人旅がはじまる。
時々ぶつぶつお経を唱える兄にびびりつつも、基本的には寡黙な兄に少女は朗らかに一方的に話しかける。
少女は全国にツテがあるようで、時には少女が寝止まりする場所を提供してくれた。
実は少女は売春をしており、ツテの人々はみんなネットで知り合ったお客だった。
それを知った兄は、少女を殺しかねない勢いでそんな事はもうやめろと怒鳴る。
少女は今度は万引きをするようになるが、それもやめろと兄は言う。
「ろくにお金もないのにあたしらだけで生きてくにはこうするしかない
 万引きぐらいなに あんたの宗教の人殺しよりはマシでしょ」
兄は反論できなかった。一時ケンカ別れになりそうだったが色々あってまた一緒に歩き出す。

兄は母と妹と一緒に宗教団体を訪れた日を思い出す。
母が離婚したばっかかなんかで金はなく、ほとんど身一つで飛びこんだ。
母とは引き離され、妹と共に教団施設内の同じような境遇の子供たちと暮らした。
出される食事は生の芋とかで、こんなの食べられるかと投げれば激しく叱責され、
明かりの差さない縦長の箱の中で逆さ吊りにされその中で経文を読むよう強いられた。
月日が過ぎる中母は教団内でどんどん出世して幹部にまで上り詰めたらしいが、
けして会える事はなく、まだ幼い妹はそんな生活の中で母を恋しがりながら衰弱して行った。


626 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/28(水) 17:59:33
やがて教団は潰れ、母は自分たちを置いて逃げてしまった。そして兄は祖父と会った。
「お前らの母親はひどい娘だった いかれた宗教にのめりこんであげくに子供を捨てるなんて母親失格だ」
捨てられてもそれでも妹と同じく母を恋しく思う兄は、母を中傷する祖父が許せず殴りかかった。
身についてしまった習慣としてお経を唱えたり、価値観を教団に影響されたりしつつも
兄は実際はどちらかというと教団を嫌っていた。しかし、その行為から洗脳済みだと周りには思われてしまった。

歩き続けた兄と少女は、数人の元信者たちが身を寄り添って暮らす家を見つける。
彼らは今では教団を否定し、自分たちを被害者とし、被害者同士で助け合って生きていた。
幼くして教団に入れられた兄や、家庭の事情で家出した少女に彼らは同情し、温かく接し、匿ってくれた。
しかし彼らもいまだ逃げ続けている兄の母を非難する。二人はその家からも出てまた歩き続けた。
そして祖父の家についたが、そこはもう既に無人だった。
家中にスプレーで「人殺し」などと書かれており、嫌がらせに堪えかね引っ越したようだ。

やっと今の祖父の家を見つけるが、お前に渡せないと言われ追い出される。
近くの食堂で食事を取っていたところ、ニュースが流れる。
兄の母が死体で発見されたという。恐らく逃亡中に争いが起こったのだろう。
兄は絶叫しながら失踪。近辺を少女がうろついていたところ、兄は白髪になって帰ってきた。
そして真夜中、二人は祖父の家に忍び込む。
そこにはすっかり元気な様子になった妹がいた。
兄と少女は妹を真ん中にして三人で手をつなぎ、また歩き出した。

いきなり白髪化とかわけわからん部分もあるが全体的に演出がいい映画だった
でもこんな子供たちでこれから先どうするんだよ(^ω^;)
おじいちゃんが可哀相すぎるし


627 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/28(水) 18:20:20
妹が可哀想すぎる。
せっかく助けられて回復したのに今度は兄に振り回されて人生めちゃくちゃにされるなんて。
結局兄がやってることは母親がやったのと同じ行為だもんなあ。

628 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/28(水) 19:35:23
冒頭読んで、家出少女が実は妹で知らずに関係を持って後味悪ーなのかと思った
違ったけどどっちにしろ後味悪い
宗教団体の幹部のこども繋がりで『アンネフリークス』(だっけ?)を思い出した
真っ当な価値観の中で成長できなかったこどもの話って可哀想だよね…

 

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