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402 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/15(火) 21:13:49
スティーブン・キングの「ペットセマタリー」

主人公のルイスは腕のいい医者で妻のレイチェルと
長女のエリー、赤ん坊の長男のダーツ、飼い猫のチャーチが家族だ。
娘を獲られたとルイスを目の敵にする舅アーウィンと折り合いがつかず、
半ば逃げるようにしてアメリカ大陸の反対側の丘の上の一軒家に引っ越す。
引越しの荷物を解いたりしていると隣の家に住むジャドという老人がひょっこり挨拶に来た。
ジャドはとても気のいい老人ですぐにルイス一家と打ち解ける。

ある日、ルイス一家はジャドに「とっておきのいい場所がある」とハイキングに連れ出された。
そして辿り着いたのはペット達の霊園「ペットセメタリー」だった。
ペットセメタリーはかなり昔から長年子ども達が自分達で作り上げたペットの霊園であり、
道の手入れなども子供達が自主的にしていた。
なかなか見事な霊園の様子に舌を巻いているとジャドが一つ注意をする。
「ペットセメタリーの奥の森へは決して入ってはならない」と。

その夜、まだ幼いエリーがルイスの下へ来てしくしくと泣き出した。
エリーはペットセメタリーを見たことで初めて死について考えるようになり、
自分の愛する猫のチャーチが死ぬなんて嫌だと泣いているのだ。
ルイスはジャドが自分達をペットセメタリーへ連れて行ったのはこのためだったのだと納得した。


403 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/15(火) 21:15:16
しばらくしてレイチェルとエリーとダーツがアーウィン夫妻の下へ里帰りへ行く。
アーウィンとはほぼ絶縁状態なルイスは当然留守番をする。
そんなルイスの下へジャドからの連絡が入る。
ジャドの庭でルイスの飼い猫のチャーチが死んでいると。
駆けつけると死んでいたのはたしかにチャーチだった。
どうやら道路に飛び出して車に轢かれてしまったらしい。首の骨が折れていた。
飼い猫の死に嘆き悲しむルイス。何よりタイミングが悪かった。
ついこの間、死についてエリーが涙したばかりだというのに。一体娘にどう説明したらよいのだろう?
そう悩むルイスをジャドはペットセメタリーへ連れて行く。死んだチャーチの死体と共に。
そしてさらにペットセメタリーの奥の森へと入る。
そこにはインディアンが作ったと思われる不気味な墓場があった。
ジャドがそこにチャーチを埋めろという、訝しがりながらも言うとおりにするルイス。

次の朝、チャーチが帰ってきた。たしかに死んでいたはずのチャーチが。チャーチの様子は一変していた。
見た目こそ普通の猫と変わりなかったが、以前は機敏で賢かった猫が
動きは鈍重で濁った目をし、どんなに洗っても腐った泥のような臭いがする。
こいつはチャーチであってチャーチではない、ルイスの本能がそう告げていた。
ルイスはジャドの下を訪れ事情を聞く。ジャドは話した。
ジャドも子どもの頃に愛犬を亡くしてとても悲しんだ。
そんな時、近所のフランス人のおっさんに同じことを教わったという。
実はこの復活の儀式は戦前からこの地方でずっと語り継がれてきたものだったという。
しかし一人、また一人と死んでいき、今ではこのことを知っているのはジャドだけになってしまっていた。
ジャドの愛犬は復活しその後四年生きた。
しかしやはりチャーチと同じように愚鈍でゾンビのような様子だったという。
それでもジャドはルイスに儀式のことを伝えた。なぜなら伝えずにはいられなかったから。
あの場所のことを知ると何かにとり憑かれ、誰かに伝えずにはいられなくなる。
一種の呪いのようなものだとジャドは言った。


404 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/15(火) 21:16:36
チャーチは動きがゾンビのようになっただけではなかった。
食べるわけでもないのに毎日ネズミや小鳥を殺すようになった。
猫には得てしてそういう本能があるにしても、よみがえったチャーチの殺し方は残虐で常軌を逸していた。
そんなこんなでルイス一家はチャーチに幻滅して邪険に扱うようになった。それでもルイス一家は幸せだった。

しかしその幸せが続いたのは数年だった。
一人息子のダーツがルイスとレイチェルの目の前でトラックに轢かれて死んでしまう。
悲しみのドン底に突き落とされるルイス一家。そしてルイスはある狂気にとらわれてしまう。
ダーツをあの復活の墓場に埋めたらどうなるのだろうか?と。
そこへジャドが警告にくる。「ルイス、あんたが何をしようとしているかわかっている」
しかしそれはやってはいけないことだ。
過去に同じことをした奴がいたがよみがえった人間は決してもとの人間ではない。
口汚いことを言い、人の悪いことばかり言う、粗暴で残虐な人間になるのだ。
あの墓場は故郷を追われたインディアンのものだ。
帰る所を失ったインディアン達は食べるものにも困った。
食べるものがなくなったインディアンは何を食べたか?同胞、つまり人間を食べた。
その食べた人間達を埋葬した場所があの墓場だ。あそこは呪われている。
ジャドのその呪いにとらわれてしまっていた。
何かに強制されるようにルイスにあの場所を教えてしまった。
呪いはルイスに移った。ダーツが死んだのも一種の呪いだ。チャーチもそうだろう。
警察で話を聞いたらトラックの運転手は一度も事故を起こしたことなどなかったのに
ルイスの家の前を通るとき何故かアクセルを一杯に踏みたくなったと言ったという。
人間をよみがえらせた奴はすぐに破滅した。だからルイス、ダーツをよみがえらせてはいけない、と。
だがルイスは反発する。そいつはただ一つの例だけだ。ダーツが同じようになる確証はどこにもない。
愛する息子に帰ってきてほしいと願うことの何がいけないんだ、と。


405 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/15(火) 21:17:26
そしてルイスは計画を実行する。
まずレイチェルとエリーをアーウィンの下へ無理矢理傷心旅行させ、ダーツの墓を掘り返し遺体を入手する。
しかし旅行先ではエリーが予知夢とも言える悪夢を見てそれをレイチェルへ知らせる。
ルイスの様子がおかしいと感じていたレイチェルはすぐに引き返した。
しかし見えない力でも働いているように飛行機には乗り遅れるわ、
レンタカーは故障するわとルイスの下へ辿り着けない。
途中でジャドに電話をして何があったのかを聞こうとしたがジャドは事情を話さない。
話すべきだとは思ったが電話でするような話じゃない。奥さん、あんたがこっちについたらすべて話す、と。
実際ジャドは事態を軽く見ていた。これはすべて自分の責任だ。
だがたとえ想像していることがあっても自分一人で解決できるだろう。
ジャドはダーツの遺体を盗みにいったルイスの帰りを待った。
しかしまたもや見えない力に邪魔されるかのように猛烈な睡魔に襲われジャドは居眠りをしてしまう。
その間にすべてが終わってしまっていた。
ルイスは帰宅し、そのままペットセメタリーへ行き、その奥の森へダーツを埋めたのだった。
ルイスは疲れきって見えない力に誘われるように深い眠りについてしまう。
そこへダーツが帰ってきた。ダーツはルイスの鞄からメスを盗みまた出て行った。

ようやくジャドは目を覚ましすべてが手遅れになってしまったことを悟った。
そこへ復活したダーツとチャーチがやってくる。もちろんそれは元の少年と猫ではない。
後始末は自分の手でやらなければいけない。相手は愚鈍なゾンビだ。自分一人でもやれる。
しかしそれはジャドの見込み違いだった。
愚鈍だと思われたチャーチが恐るべき速さでジャドの足を払い、ダーツがめった刺しにした。
今までのノロノロした動きはこのときのための演技だったのだ。ジャド死亡確認。


406 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/15(火) 21:18:33
レイチェルが帰ってくる。エンコした車を修理してもらいなんとか辿り着いたのだった。
だがルイスは目を覚まさない。そしてレイチェルとダーツが鉢合わせをする。
事情を知らないレイチェルは復活したダーツを見て唖然としたものの、感激して抱き締める。
しかしダーツは背中にメスを隠し持っていた。レイチェル死亡確認。

ルイスが目を覚ましジャドとレイチェルの死体を発見する。
ジャドの遺体は無残にも切り刻まれ、レイチェルの遺体は…ただ殺されただけではなかった。
復活の墓場でよみがえったものには魂は戻らない。では何が入り込むのか?
それはインディアン達の人食いの怨念のようなものだった。
実はレイチェルがここに帰ってきたのは偶然ではなかった。
怨霊が感受性の高いエリーに悪夢を見せ利用し、レイチェルを呼び戻したのだ。
レイチェルの遺体は無残にも食い荒らされていた。食ったのはダーツとチャーチだ。
ルイスは妻と友人の悲惨な死に様を見て正気を失いつつも
持っていた注射器でダーツとチャーチに二度目の死を与えた。

愛する妻と息子、そしてかけがえのない友人、愛猫…すべてを失ったルイス。
しかしルイスは立ち上がる。そしてレイチェルの遺体をシーツに包み外へ運んだ。
向かった先はペットセメタリーの奥の森…

完全なバッドエンド。かなり省略してあるけど上下巻の長い小説だったから長くなってしまった。
その間に幸せなルイス一家や仲のよいジャド夫妻の描写とか色々あったからラストが辛かった。
ちなみにタイトルがペットセメタリーじゃなくてセマタリーなのはスペルミスらしい。
子どもが作った霊園という設定だから。


407 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/15(火) 21:25:41
エリーは妻実家にまだいるのか?

416 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/16(水) 02:00:58
>>402
ペットセメタリーは後味悪いし、それ以上に哀しい。
ルイスは愚かだけど、大抵の人が愛する人の死を前に
すると(手垢のついた言い回しスマソ)愚かになっちゃうんだよね。

 

ペット・セマタリー〈上〉 (文春文庫)
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(文春文庫)
ペット・セマタリー〈下〉 (文春文庫)
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