ホーム » 小説 » 小説/な行 » 七回死んだ男(西澤保彦)

440 名前:1/3 投稿日:2007/06/20(水) 13:59:27
7回死んだ男を思い出した。

主人公はタイムスリップ能力を持つ高校生。
しかし能力のコントロールは出来ない。それはある日いきなり始まる。
タイムスリップが始まると主人公は同じ1日を7回繰り返す。
回数を増やす事は出来ないし止めるのも不可能だ。

お正月、親族一同が集まった席でタイムスリップが始まった。そして祖父が殺される。
状況的に外部犯とは考えられない。身内の誰かが祖父を殺したのだ。
ショックを受けながらも主人公はタイムスリップを行い、祖父が死ぬ前の時間に飛ぶ。
そこで誰が祖父を殺すのか見張った。やはり身内だった。
そこで次のタイムスリップで祖父を殺せないように犯人を引き留め続けた。
これで安心…と思ったら、今度は別の誰かに殺される祖父。


441 名前:2/3 投稿日:2007/06/20(水) 14:01:36
実はこの一族は財産を巡って微妙な関係だにあった。
昔の祖父は昔ろくでもない男で全く働かず飲んだくれていた。
愛想を尽かした主人公の母(長女)と従姉妹の母(次女)は、
妹(末っ子)を祖父の元に置き去りにして逃げ出した。
娘二人に逃げ出された祖父はさすがに堪え、心を入れ替えた。
それから始めた商売が大当たり。あっという間に祖父と叔母は大金持ちになる。

しかし主人公の母と従姉妹の母は祖父と叔母を見捨てた身。
財産欲しさに今更のこのこ顔も出せないし、娘の冷たさに怒っていた祖父も許そうとしなかった。
だが祖父も年をとって気弱になったのか、ここ数年で関係は修復されつつあった。
そこで財産問題が持ち上がる。
叔母はずっと独り身だった。叔母の財産を受け継ぐ者はいない。
祖父が身内に財産を継がせたいと思っているなら、主人公兄弟の誰か、
または従姉妹姉妹の誰かを養子にさせるチャンスがある。
主人公母と従姉妹母はそういう下心を持ってお互い火花を散らし、祖父と叔母はそんな二人を冷静に眺めていた。


442 名前:3/3 投稿日:2007/06/20(水) 14:02:19
そんな背景の元、主人公は誰が祖父を殺すのか探りを入れて、
一度でも祖父を殺した人間は監視し続けて祖父の命を守ろうとする。
やがて従姉妹と主人公兄が恋仲で祖父殺しを画策しているのが判明したり、
従姉妹姉妹のコンプレックスむき出しの醜い喧嘩が始まったり、
主人公母と従姉妹母が財産目当て丸出しでなりふりかまわなくなったり、
タイムスリップを繰り返せば繰り返すほど、身内のどす黒い感情を目の当たりにしてしまう。

何度目かのタイムスリップで犯人候補を抑えていたところ、その隙に主人公母が祖父を殺していた。
諦めた主人公は全員を一カ所に集める。ところが今度は祖父が事故死してしまう。
やけくそになった主人公は、祖父と二人っきりで過ごした。
晴れて祖父の命は守られたのであった。
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ブラック・コメディで書かれてるけど、身内の黒いところを見るのはかなりきついよなあと思った。
ちなみにこれは10年くらい前の小説。

 

七回死んだ男 (講談社文庫)
七回死んだ男 (講談社文庫)


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