ホーム » 小説 » 小説/ま行 » 女狐(栗本薫)

558 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/21(木) 16:00:58
最近ここでちょくちょく出てくるグインサーがの作者の書いた「女狐」
江戸時代を背景にした時代小説の短編集だが、
このスレ向きの後味の悪さ。

同心だかなんだか、ともかく治安を守る立場にいる男が、最近世間を騒がせている
放火魔を見つける。放火魔は少々オツムの足らない少女で、悲惨な人生を送っている。
月の物が近くなると無性に火を見たくなり、放火を繰り返していたと告白する。
主人公の男は少女を哀れに思い、もう二度とこんなことはしないと少女に誓わせたあと、
見逃してしまう。
しばらくして又放火魔による火事がおき、それは主人公の妻と子供を焼き殺した。
その犯人はあの少女。主人公に好意を抱いた少女が、
その妻と子を焼き殺してしまったのだ。
少女は妙に満足げな笑みをうかべつつ、処刑により炙り殺される。
その足元で主人公の男は、少女にすがり付くように泣き嘆いている。

良家の娘は父親に言われる通り、つつましく生きていた。
そして父親に進められた男と言われるままに結婚する。
しかし男は謀反を試みていた。ゆえに婚礼の夜、娘と契りを交わすのを拒否する。
しかし娘はそれでも良いと男を説得して、契りを交わさせる。
その後男は謀反を起こし、処刑された。当時の決まりによって、
男の妻となっていた娘は、永久に自宅軟禁されることになる。
しばらくして、馬鹿な縁談を押してしまったと後悔に苛まされている父親が、
塀越しにそっと娘の様子を盗み見する。
娘は満ち足りた笑みを浮かべて、謀反人である男の赤子をあやしていた。

なんか上手く伝えられないがそういう後味の悪い話のてんこもり。
このころの話は、そういう緊張感に満ちていたな、と。

ああ、頼むからもし興味を持ったとしても図書館で借りてくれ。金出して買わんでくれ。


561 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/21(木) 16:25:46
>558
あれ?後半のはちょっといい話じゃない?

566 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/21(木) 17:08:46
>558
あの頃はよかったね…。
同じ「女狐」から。

冴えない初老の侍。なぜか若く美しい娘に好かれる。
侍は初め相手にしないのだが、一途な娘にほだされて結婚(先妻は早くに死亡)
新妻との生活は楽しく、日に日に若返るような心地だ。
ある日、侍は上司から「主君が死んだら腹を切ってくれないか」と言われる。
殉死は禁じられていたが、殉死する臣下が多いほど箔がつく、ということで、
主君の生前から「切腹の予約」をする習わしがあった。
侍は「妻の生活の安定」を条件に、この話を受けた。
どうせ先に死ぬのは自分、妻さえ幸せになってくれれば…と思ってのことだ。

やがて主君の病死を知らされ、切腹しに帰宅すると妻が自害していた。
「あなたは私がお世話をしてさしあげないと…」
そう言うと妻は笑って息絶えた。
妻は夫の契約を知っており、自分もともに逝くつもりだったのだ。
上司に妻の死を報告に行くと、なぜかうろたえる上司。

実は主君は生きていた。
主君は侍の妻に懸想しており、邪魔な侍をだまして切腹させ、
側室に迎えようとしたのだ。
侍は、武士道だの忠義だのそんなものはくだらない、
今はただ妻の元へ行きたい、と腹を切る。


568 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/21(木) 17:30:11
>>566
切ない、無性に切ない

 

女狐 (講談社文庫)
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