運のいい男(阿刀田高)

747 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/23(土) 15:43:54
阿刀田高(題名忘れました)

主人公はグルメ評論家。ある村の招きで一人、牡蠣を食べに来ている。
過疎であるこの村の地域振興策がこの牡蠣で、主人公に宣伝してもらいたいらしい。
”おいしい”と伝えると、喜ぶ村の代表者。
よく見ると、接待連中の中に一人若いきれいな女性がいる。
夜も過ぎ代表者および接待連中は帰ったが、その女性は残っている。
ここは離れの一軒家、夜の接待ということらしい。少し飲みすぎ食べすぎだが抱く。
深夜、物凄い吐き気と腹痛で目が覚める。
どうやら牡蠣にあたったらしい。殆ど動けず、ようやく隣で眠る女性に告げる。
それにしてもすごい腹痛だ。主人公は思った。
”幸運だった。○○(女性の名)がいたので助かった”

”幸運だった。○○(女性の名)がいたので助かった”
村の代表は思った。○○がいなければ、救急に電話されていただろう。
万が一助かっても、ここの牡蠣のことを良くは言うまい。
この牡蠣は、村の最後の希望の光。
”幸運だった。”


767 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/23(土) 19:08:31
>>747
グルメ評論家は、
「幸運だった、助かった」と喜んだのもつかのま、
女に殺されたっていうオチ?

768 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/23(土) 19:13:54
>>767
女が救急車を呼んでくれたと思ってホッとしていたら、実は放置されてて、
散々苦しんだ挙句にあぼーん……ということじゃないだろうか。
多分、積極的に手は下していないと思う、この粗筋からすると。

770 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/23(土) 19:21:03
でも、死体を隠匿するなりなんなりの犯罪行為はしそうだな、目的からすると。

779 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/23(土) 22:37:08
>>768-769
>>747のグルメ評論家の話に少し補足。題名は「運のいい男」
牡蠣を食べに行った村には、二軒の病院があった。
ひとつは田村病院。三階建ての立派な病院で入院施設もある。
もうひとつは山井医院。崩れ落ちそうなほど古く、訪ねる患者の気配もない。
主人公が村人に聞くと、山井医院の方は土地の者じゃないらしい。
夜中に牡蠣に当たった主人公は接待してくれた女性に付き添われ、迷わず田村病院へ行く。

そして病院では、村人たちが主人公の周りで笑顔で話している。
「うちの病院に来てくれてよかった。山井さんとこじゃ融通がきかない」
「○○(女性)さんはどこへも連絡しなかったしね」
「注射一本で…わけないね。急性の心不全て事にしておけばいいかな」
「ああ、それがいい」
「本当に運がよかった」

 

青い罠 阿刀田高傑作短編集 ブラックユーモア (阿刀田高傑作短編集) (集英社文庫)
青い罠 阿刀田高傑作短編集
ブラックユーモア (集英社文庫)