ミスト

189 名前:1/3 投稿日:2008/05/18(日) 20:00:04
この間見た映画の「ミスト」が後味悪かった。

アメリカのある地方が舞台。幼い息子を連れてスーパーマーケットへ買い物に来た主人公。
前夜嵐に見舞われた為、店内は食料の買い込みに訪れた多くの住民でごった返している。
そこへ唐突に顔から血を流す男が飛び込んでくる。「霧の中の何かに襲われた…」そう男は言う。
店の外にはいつの間にか濃い霧が立ち込め、見通しが利かない。前日の嵐の為か、
電話や無線も一切使えない状況の中、人々は見えない恐怖に徐々に苛まれていく。

一人目の犠牲者は店員の若者だった。
主人公の制止を聞かず、倉庫の発電機を直そうと外に出ようとした所を霧の中から伸びた
「何か」に食われたのだ。主人公他、それを目撃した何人かは店内の人々に警告を発するが、
聞く耳を持たない者、狂信的な妄想を口にする者などにより内部分裂が起こり、人々の溝は徐々に深まっていく。


190 名前:2/3 投稿日:2008/05/18(日) 20:02:18
時間が経つにつれ、犠牲者は更に増えた。中には自殺をする者まで現れる。
助けを呼ぶと外に出て行った一団は戻らず、
武器を取りに外へ出た一人は下半身だけになって戻って来た。
人々は恐怖から狂信者の女の妄想に取り込まれていき、
ついに一人の若い軍人が「生贄」として殺されてしまう。
主人公は複数の仲間をつどい、店からの脱出を目論む。

狂信者達を振り切り、命からがら車に辿りついた主人公達だが、外の状況は何もわからない。
絶望の中ゆっくりと車を走らせ続けるが、目に入るのは霧と、「何か」に襲われ変わり果てた町の姿だった。
やがてガソリンが尽き、車は道半ばで止まってしまう。

主人公は唯一の武器である、一丁の銃を取り出す…玉は四つ。車に乗っているのは、自分を含め五人。
一人は自分の息子だった。
泣きながら「絶対に僕を化け物に殺させないで」と言った最愛の息子。


191 名前:3/3 投稿日:2008/05/18(日) 20:04:17
立て続けに銃声がした後、主人公は一人になった。
「さあ来い…」叫びながら車を飛び出す主人公。
辺りには相変わらず霧が立ち込め、何も見えない。だが音がする。
化け物の音だ…主人公は音のする方をじっと睨みつけ、待った。

…霧の中から現れたのは、大きな一台の戦車だった。

呆然と立ち尽くす主人公。
続けて、救助された人々を乗せたトラックが次々と主人公を横切って行く。
武器を持った軍人は、町に巣食った化け物の駆除に取り掛かっている。
いつの間にか、霧は薄れていた。

絶叫する主人公…で終わり。
もう少し車で待っていれば、または店に残っていれば助かったのかも…と思うと後味が悪い。


193 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/18(日) 21:44:13
>>189
霧よりも軍隊の方が強いというのがアメリカ的だ。

195 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/18(日) 22:16:26
>>193
霧自体は軍が行ってた研究による産物「らしい」

正直この映画では霧と怪物は大した問題では無いと感じた。

見始めはよくあるB級パニック系だと思ってたし。
他のパニック系映画より人物同士の会話に重点おかれてるから余計にキツい

息子含め一緒に脱出した4人は本当に主人公を信頼していて
自分達の命を主人公が断つと言う決断を受け入れた
主人公も後を追うため怪物に襲われにでた
なのに
現れたのは最早必要ない筈の救援


199 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/18(日) 22:23:23
>>195
なるほど、怪物 vs 人間という枠組みで見てはいけないわけね。
それなら、ラストをそういう展開にしたのも理解できる。

194 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/18(日) 22:03:30
あー、映画版はそうなったのかー。
元が短編だからなあ、霧。

200 名前:197 投稿日:2008/05/18(日) 23:04:17
>>194
キングですよね。
原作では主人公を含む一部の人々が、マーケットから全てが霧につつまれ滅びたであろう世界に出て行く、
というところで終わる、結末を濁したラスト……でしたよね?

214 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/19(月) 01:27:05
>>200
原作は曖昧な終わりだね。
だからこそ寂寥や恐怖を感じるんだが、軍隊がきちゃいました、にするところは
いかにも映画的ともいえるが……うーん。

215 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/19(月) 01:45:52
>>200
「霧」のラストは原作の方がいいな。

原作のラストでは車に乗った主人公達が廃墟と化した街を走ってるんだけど、
ハイウェイに差し掛かったあたりで山のように大きな「それ」とすれ違って呆然とする、という終わり方だった。
作中で何度か地震みたいな地響きがするんだけど、実は「それ」の足音だったという。
映像化されたらどんな風になるのか見てみたかったんだが・・・


227 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/19(月) 13:22:02
「ミスト」で一番ショックを受けたのは

ある母親が最初は主人公たちと一緒にスーパーマーケットにいたが
小さい子供だけを家にを残して来たから家に帰らないといけないと言い出す
まわりの人は止めるけど母親は絶対帰る、誰か送っていってと言う。
頼まれた人は困りながらも断る、主人公も自分にも子供がいると断る。
彼女はみんな地獄に堕ちろと捨て台詞を残して外に出る。

その彼女が最後に救助された人々の中に子供を連れていて
絶望しきった主人公の横をトラックに乗って通っていくのが何よりきつかった。


230 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/19(月) 15:58:42
さすがに「霧」原作そのままの映画にはできないよね。
息子と一緒に逃げた主人公は、どこかのホテルにいきつく。
「今息子と二人です。このままこの町はどうなるのか、
自分たちはどうなるのか、今は何もわからない。」
と、ホテルにあるノートに書き記した文章で終わる。
さすがキングだ、後味悪いな~と思ってたけど、映画の方がもっと後味悪いね。

257 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/20(火) 15:03:37
まさにセリフ通り地獄に堕ちたというのがなんとも・・・

 

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