銭鬼(庭りか)

382 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 04:56:33
庭りかの漫画『銭鬼』

善子はブスでデブで愛想も愛嬌もない女。
両親が高校時代に亡くなり高校を中退してから
安い賃金のパートやアルバイトを重ね金を貯めた。

そして清掃婦として勤めている会社の上司やOLたちに金を貸し金利で儲けていた。
だが返済が遅れると、貸した相手が一番借金をしている事を知られたくない相手に取り立てに行く為、
善子に家庭や縁談を壊され恨んでいる者もいた。

ある日、上司として配属された美代子。
美代子は何かと善子を気遣い、なんとか皆と馴染ませようと努力をしたり
金貸しなんかしていると危険な目に合う心配もある、
お金よりも大切な物がアナタにもきっとある、と善子を説得する。


383 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 05:03:45
心を開かず『私は銭鬼よ!世の中銭よ!』と
善子は美代子に暴言を吐くがそれでも美代子は善子を何かと気に掛ける。

ある日善子は風邪をひいて寝込んでしまう。
そこへ見舞いにくる美代子。
高熱の善子を見て慌てて息子の武を呼び
彼女を病院に連れて行く手配をする。

次の日、武は自分の勤めるパン工場のパンを差し入れに持ち
善子を見舞いに訪ねる。

他人が優しくしてくれる時は必ず下心がある、
自分に寄ってくる人は金目当てでしかない、と云う善子は
武に『パン屋勤めなら失敗したパンをたくさん持ってきてよ。』と冷たく追い返す。

その言葉を間に受け、次の日からせっせと毎日失敗作のパンを運ぶ武。

『タダならコゲたパンでもなんでも貰ってやる。』と言いながら
少しづつ武に心惹かれる善子。


384 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 05:14:41
ある日、武は善子に言った。
『僕の前の彼女は贅沢が好きだった。そんな彼女に疲れて別れたんだ。』
『僕はコゲたパンでも美味しそうに食べる、そんな女の子が好きだよ。』

次の日、会社の階段で美代子が『毎日武がお邪魔してごめんなさい』
と声を掛けてくる。
そこへ一人のOLが善子に縁談を破談にされた事を恨み善子を突き落とすが
美代子が身を呈して善子を庇い身代わりに階段から転がり落ちてしまう。

美代子の元に駆けつける善子。
『主任、大丈夫ですか!?』と慌てる善子の頬を美代子は平手で殴り
『だから言ったじゃないの!人に恨まれるような事はするな!と!』
『金貸しなんてもうやめて…アナタの事が心配なのよ…』と善子を抱きしめて泣いた。

美代子は善子の金貸しを辞めさせるため自ら善子に借金をしてる人間を探し出し
一人残らず善子に返済をさせた。
借金は全て回収され、その事を知る人は誰も善子に二度と借金を申し込まず
善子の金貸しは休業状態になってしまう。


385 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 05:24:10
その後、今だせっせとパンを持ってくる美代子の息子、
武は善子にプロポーズする。
『私と結婚したいなら言わなくちゃいけない事があるんじゃないの?』と問う善子。
『ああ、ごめんよ。愛してるよ…善子ちゃん。』と答える武。

『…主任の狙いはこれだったのね…』
『そうだよ。母さんも僕が善子ちゃんを好きなのを知ってたんだ。』

結婚式はしたくない、という善子の言い分を聞き
善子と武はすぐに籍だけ入れ美代子と武、善子の三人だけで祝いをする事になった。

『雪の日にお祝いをしたいだなんて善子さんはロマンティックねぇ』
三人で鍋を囲みながら微笑む美代子。
酔ったら介抱してあげるから心配しないで、と云う善子の言葉に酒が進み
武は酔いつぶれて寝てしまう。

『武さんは二階に連れていって寝かせます。』そう言って武を善子が連れていったが
戻るのが遅い善子に美代子も声を掛けに二階へ上がる。

そこには裸にした武を雪の降るベランダに放り出し武の体に水を掛けている善子がいた。


387 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 05:35:46
『な!何をしているの!凍死しちゃうわ!』慌てる美代子に
『武さんは酔っ払って裸になってベランダにでちゃったんですよ。』と善子は言う。

『何言ってるの!死んじゃうわ!』と叫ぶ美代子に善子は言った。
『武さんが死んだら武さんの借金は払わなくてよくなりますよ…』

武は前の彼女の浪費癖の為、貢いだ金が多重責務になり
家を売って借金を返済する、と云う美代子と対立していた。
美代子は亡くなった夫が建てた家は形見同然の思いがあり、家を売りたくなかった。
そこで武と善子を結婚させ、善子の金を拝借するつもりでいた。
より多くの金を善子から引っ張る為に
美代子は善子の金を全て回収し金貸しを辞めさせていたのだ、

しかし善子はその事を事前に近所から聞いて知っていた。
『プロポーズされた時、武さんが本当の事を言っててくれたらちゃんとお断りした。』
『だけど金目当ての結婚なら私も金目当てに結婚してもいいかと思って。』

『実は籍を入れた翌日に生命保険に入れたんですよ。』
『それでどうしますか?今すぐ息子さんを布団に入れて温めてやりますか?』
『借金は武さんが死ねば突っぱねる事が出来るし保険金も半分あげますよ。』


388 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 05:41:20
『下へおりてシャンパンを飲みましょう。私達も酔って何も知らなかった事にしましょう。』
そう言って階下へ下りる美代子の背中に

『世の中銭よ!!!!』と言い放つ善子。

美代子の優しさを本物だと一瞬は信じてていた善子。
『…せめて…せめて銭がなきゃ生きていけない…何も信じられるものなどないのだから』
ひとりポツリと呟いた。

文章下手で伝わり辛い上に長文すいませんでした。
美代子の腹黒さ、冷徹さが、最初はよくある金目当てで騙されるブスの話かと
悪いのは息子だと思って読み進めていたぶん、なんかキツかった…


391 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 07:36:25
>>388

しかし美代子は自分の息子を見殺しにしたんだよなぁ

393 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 08:13:34
>>388
庭りかって小さい子が虐待されてもいじらしい性格で見るほうをホロリとさせたり
不幸や苦労があっても最後には報われたり救われたりする話が多いのに
確かに銭鬼はなんかモニョるよねえ
美代子はたった500万で息子を見捨てるし
息子死去後すぐ退職再婚
まわりには堂々と今まで息子のせいで再婚出来ずにいたけど今は凄く幸せとか言うし。

404 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/05/23(金) 12:15:15
>>391
借金は人を変えるよ。特に身内のを背負うと尚更。