クラインの壷(岡嶋二人)

747 名前: 投稿日:2008/06/01(日) 03:38:34
誰の小説だっったか忘れたけど
新作ゲームの実験台になった男が現実と虚像の世界がわからなくなってしまった
話は後君が悪かった。細かいところ忘れたけど、
 
ゲーマーであるAは新作ゲームの実験台となる。
もともと金に困っておりゲーマーでもあるのでその新作にふれ金までもらえるのはうれしい話。
しかもその上かわいい女の子までパートナーに選ばれた。これは楽しむしかない。
ゲーム自体も今までのテレビ画面を通すチンケなものではなく、全身を機械装置にいれ、
自らの脳で操作するバーチャルなもので大興奮。しかし新作だ。実験台だけに失敗も付きもの。
何度か途中で息苦しくなったり、目の前が真っ暗になったり怖い思いすらしたことがある。
ゲームは会社の人が秘密にしている「研究室」でやっているそうだが
実は実験台の二人はその「研究室」がどこなのか知らせてもらえない。
無論実験するときはいつもそこに行くのだが車に乗せられ目隠しのようなものをされて全くどこへつくか分からないのだ。

そうしてゲーム尽くし、かわいこちゃんとも仲良くなっていくうれしい日々が続くが
ある日、かわいこちゃんB子がしてはいけないいたずらを思いついたのだ。
それはいつものように目隠し車に乗っている際のこと、彼女が窓ガラスに貼られているスモークに
傷をつけ場所の確認をしたのだ。ほんの数ミリ程度の傷だったがこれでどの辺を走っているのか少し
道のりがわかったようだ。だからと言って特になにをしようとも思っていない、ただの好奇心だったのに。

ゲーム会社の担当からの契約には
「決して研究所のありかを探ろうとはしないでください、
 そしてこのことは決して誰にも口外しないように」とあったのだから。


748 名前: 投稿日:2008/06/01(日) 03:39:50
その数日後ゲームの最中にゲームがいきなり中断された
「Aさん、あなたのお姉さんが事故にあわれたと連絡がありました。すぐに病院へ!」と会社の人に声をかけられ
一目散で病院へ向かったAとその会社員。しかし病院へ付いたあときいてまわるが
「そんな人は知らない」「連絡もしていない」と。
その後Aは姉に電話するがそこではいつものように生き生きとした姉が・・
なぜ?誰がこんなことを?と思ったその時、
「変ですね?どうしてうちの会社に連絡が来たのでしょう?ここは誰も知らないはずです。
 どうしてAさんがうちのゲームをしていることを知っているのでしょうか?」とつぶやいた。
その後いろいろと思考した揚句考え付いた答えは「ライバル会社が目をつけてきた」ということだった。
そのため実験台となっているAをおびきよせたんだ、
「Aさんに何か害が及ぶことも考えられます。十分気を付けてください。」 と、

しかしAにはその時に言えないことがあった。それはB子が約束を破り、車の外を見たから。
もしかしたらそのことが会社の上の方にばれてしまったのかも。もしそうなら今頃B子は?!

ふと、車の後部座席の窓ガラスを見るとこの間ほんの少し傷つけたスモークが貼り替えられていた・・

数日後、B子が気になるもゲーム会社からお呼びがかからない日が続き、
「もしかして首になるかも」と思ったころ会社からお呼びの電話が。
早速行ってみたところ、そこにはパートナーのB子の姿がなく
代わりにいかにもゲーマーという感じの学生風がいた。
「B子さん、Aさんが病院に行った日にもうやめますと電話が来たんだよ。
 だから数日前から彼に来てもらってる」と。
まさか、彼女もかなりのゲーム好きでこの企画を楽しんでいたのに。
それに仲良くなりかけていた自分、秘密を分かち合える只一人に自分に何も言わずやめるはずがあるか!と
思い立った彼はB子から聞いた住所をたずねて行くが。


749 名前: 投稿日:2008/06/01(日) 03:40:26
B子のアパートに差し掛かったところで彼女の部屋かと思われるあたりに女性の影が見えた。
B子だと思い走り寄るが実は彼女はB子の親友C子だった。C子はいう。
「B子が数日前から帰っていない。どうなっているか分からない」
聞いてみるとC子はAが何者かに病院の呼ばれた日から彼女の家に泊っているそうだが
その日からB子は帰っていないという。
Aは問う。「本当にB子を見てないの?泊っていたんでしょ?」
「本当よ。私たちは親友でお互いの家の鍵を持ってるから好きな時に互いの家に行ったり泊まったりできる。
 この間から勝手に泊ってるけど、その時からB子は見ていないわ」

いくら親友だからと言って住人のいない間に合鍵を使い人のうちに入り込むだろうか?
もしかしたらこの女はライバルゲーム会社の人間で自分を陥れようとしているのではないか?
Aは「Aさんに何か害が及ぶことも考えられます。十分気を付けてください。」という言葉を思い出していた。
しかし実際に害が及んだのはAではなくB子だったのだ。

結局C子は本当にB子の友人だったらしい。自分の考えを恥ずかしいと思いながらも
もうひとつ思いついていたことをC子に打ち明け始めた。
B子が会社の車のガラスに傷をつけたことを告白した。
「もしかしたら内部の会社のやつらが、契約違反だと知って制裁したのかもしれないわ」とC子。
考えれば考えるほど怪しい。信じられない装置やゲーム内容。
そしていくら新作とはいえあれほど内密にやる意味が分からない。
「実際は何か怪しい組織なのかもしれないわね・・」
そうなのだ。C子から出た言葉はまさしく
Aがうすうす感じていたものズバリだったのだ。


750 名前: 投稿日:2008/06/01(日) 03:41:00
AとC子はいろいろな情報を新聞記者の協力もあり、
あの研究所、研究所長にまつわる忌わしい話を探り当てたのだ。
「だからこんな風に隠していたんだ」と思わせる事件が隠されていた。

これでB子があの研究室にとらわれていることは確実だった。
「すぐに助けに行かなくちゃ!」
今まで奴らが必死になって隠していた研究所の場所も確認したし、二人はそこへ忍び込む。
要塞と化した研究所もいつも以上に怪しく恐ろしい闇と空気が広がる。
その時だった。C子が研究所所長にとらわれた。
「どうやらここの秘密を知ってしまったようだな、
 仕方ないこの女もお前もB子のように始末しなくてはならない」と。
C子を人質にされたままエレベータを乗ることを強要され、そのまま3人でエレベーターに乗る。
その隙を見てAは所長に襲いかかった。一発逆転だ!と思ったちょうど上から霧状のガスが降ってくる。
遠くなる意識の中でAは思った。

「おれはB子を助けられなかった。それだけではなく奴らの本当の目的も分からず、
 しかもC子まで危険にさらしてしまった。」

Aは咳きこんだと同時に目を覚ました。
いきなり明るくなる目の前
そして知っている数人の顔、声。
「どうでした?」「すごいここまで出来たんだ!」
「もう少しでクリアだったのにもったいない!」などなど。
Aは意味が分からない。
「今のは全部ゲームの中の出来事だよ」と微笑む所長。
あれがゲーム?あのリアルな感触が?感覚?
「そうよ、Aさんすごい。さすがだわ!」と満面なB子の顔まで見える。
いったいどこからどこまでがゲームだったんだ?と聞いた見たところ
「病院に行けと声をかけたところから今の今までだ、君はあれからずっと機会の中だったんだよ」とのこと。
だから病院にも実際はいっていない、B子の失踪もなかった、
もちろんB子の代わりにきたゲーマーもC子もゲームの登場人物だったのだ。

それからAは山奥に逃げることとなる。誰かが自分を追っかけてくるのではないか?
自分はまだゲームの中ではないのか?もしかして自分自身ゲームの登場人物であり実際には存在していないのではないか、
と妄想しながら。


751 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 04:01:44
追記、
下手でごめそ。
小説ではどちらかというとB子よりはC子とAが一緒にいる描写も多いし
一生宅連となるので、それが実はゲームの中での登場人物でしかないというところが
マジでうすら寒くなるくらいあと気味悪かった。
もう何も信じられないっていうのがすごく伝わってきたもので。

752 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 04:05:20
Aの姉は無事なんだよな?

753 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 04:07:12
>>752
ウン。姉はいるけど事故自体がつくられた話。というかゲームの中で
Aが聞いていたことだから

761 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 05:34:36
>>747
岡嶋二人の「クラインの壺」だね。
主人公はゲーマーというより、ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけで、
ヴァーチャルゲーム「クライン2」の製作にかかわることになった青年。
いわばシナリオ作家のような立場で、ゲームのテストプレイヤーとなる。

で、最後、自分がいるのが現実世界なのか虚構世界なのか
わからなくなった主人公は、どこかの山荘に逃げて、自分の体験を手記に書く。

ここが「壷(ヴァーチャルゲームをプレイする時に入る装置のこと)」の
「内」なのか「外」なのか、もうわからない。
書き終わったら、風呂に入って手首を切ろう…
ここが「内」ならばゲームオーバーで目覚めるだけだ、「外」ならば…。でエンド。

何が真実で何が虚構なのかわからなくなってくる恐怖感、
考えても考えても堂々巡りになり抜け出せない絶望感が、じわじわくるw


762 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 06:08:29
誰かに話しかけてみて

「○○村にようこそ!」
「武器や防具は装備しないと意味が無いぞ!」
「昨夜はお楽しみでしたね」

こんな会話だったら、そこはゲームの世界。


763 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 06:44:44
ワロタ

764 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 09:57:14
クラインの壷懐かしいな!
10~15年くらい前の作品じゃなかったか
バーチャルリアリティもインターネットもあまり普及してない頃だったから
当時、ものすごい斬新なストーリーだと思ったよ

読後感の怖さはSFというよりホラー


765 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 10:19:30
クラインの壷ってドラマ化もされてたよね

766 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/01(日) 10:29:09
NHKでやってたね
佐藤藍子が出てた
主役がぶっさいくだったなあw

 

クラインの壷 (新潮文庫)
クラインの壷 (新潮文庫)
クラインの壷 (講談社文庫)
クラインの壷 (講談社文庫)