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205 名前:本当にあった怖い名無し :2008/10/26(日) 10:11:07
清水玲子 秘密より

47歳のさえないコンビニ店員の女性が、突然同僚3人と、
被害者の1人が助けを求めた通行人1人を殺害し自殺するという事件が起きた。
犯人の郁子は勤務態度は真面目だが、小太りで化粧気もないくせにロリータファッションを好み、
妄想・虚言癖のある「イタイ」女だった。
郁子には痴呆の寝たきりの父がいた。バイト仲間の大学生・正は大学で
医療福祉関連を専攻していることもあり、郁子の介護の手伝いをすることがあった。
バイト仲間で正の恋人・佳代子はそれを不快に思っており、
事あるごとに郁子に辛くあたり、郁子の悪口を周囲に言っていた。
当初、事件は正に入れあげた郁子が恋愛感情のもつれから正や佳代子、
その他の人間をまきこんで無差別殺害を行ったと思われた。

しかし被害者たちの脳をMRIにかけ、記憶を読み取り、周辺調査を進めていくうちに真実が明らかになる。
母が亡くなり、結婚も破談になり、郁子は父の介護と仕事に明け暮れていた。
父は痴呆から排泄物を床や壁に塗りたくったり、きちんと介護をしている郁子にイヤミを言ったりする。
生活に疲れ自殺未遂を繰り返した揚句、惨めな自分を慰めるため、郁子は鏡の中にモデルのように
美しい女性となった自分を見出すようになっていった。
「お姫様みたいですよ」店員の言葉に乗せられるまま、郁子は実際には似合いもしないロリータ服に身を包む。
しかし鏡の中にはそんな服がよく似合う、姫君のように美しい自分がいた。
郁子の脳内設定では外国に赴任している夫がおり、可愛い子供が二人いることになっていた。
周りの人々のイヤミすら郁子は自分への賛辞に置き換え、郁子は辛い現実をそうしてやり過ごしていた。

正はそんな郁子の状態を「良くないことだ」と考えていた。正は郁子を「治療」しようと考え、
大学から試験段階の向精神薬を持ち出し、郁子に与えた。
そして郁子を「あなたがしっかりしないと、この先どうするんですか」と叱咤した。
薬の作用で心の支えであった美しい妄想が見えなくなり、現実に戻された郁子は絶望する。
「『この先』はいらない」
正の持ち出した薬には強い副作用もあり、錯乱し凶暴性を引き出された郁子はバイト仲間と正を殺害し、
逃げる佳代子を追いかけ、佳代子が助けを求めた通行人まで殺害したのだった。

 

秘密 6―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)
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