ホーム » 小説 » 児童文学・絵本・昔話 » かたあしだちょうのエルフ(おのきがく)

679 名前:1/3 :2008/11/23(日) 02:24:48
長い上にあんまり後味悪くないかもしれんが投下。
元が絵本なので絵本口調スマソ

「かたあしだちょうのエルフ」
アフリカにエルフという名の強く大きな、若い雄のダチョウがいました。
エルフは仲間のカモシカやシマウマ、サイ、トカゲ等といった動物達と一緒に暮らしていました。
エルフは子供好きで、子供達を背に乗せドライブしたり、木の実や種を配ってくれました。
エルフは皆の人気者で、お母さん方も「エルフに任せれば安心ね」と褒めていました。

ある日、ジャッカルが動物達を狙いやって来た時、エルフはいち早く気が付き、
ライオンの鳴き真似をして驚かせ、追っ払いました。
しかし、しばらくすると、今度は本物のライオンがやって来たのです。
「みんな早く逃げるんだ!ライオンは僕が引き受ける」
激闘の後、ライオンはよろよろと去っていきましたが、
皆がエルフに近づくと、エルフの足の一本は食いちぎられていました。
「みんな無事で本当に良かった」
エルフは痛みをこらえてそう言うと、静かにその場にうずくまってしまいました。


680 名前:2/3 :2008/11/23(日) 02:25:22
それから草原は平和な日が続きました。しかしエルフにとててゃ苦しみの日が始まったのです。
片足では皆と遊べないし、仕事のお手伝いも出来ない。自分の餌を探すのだって苦労します。
初めのうちはイノシシやシマウマ、仲間のダチョウ達がエサを分けてくれましたが、
皆自分の家族の事だけでも手いっぱいです。
エルフは日が経つにつれ、皆に忘れられていきました。

皆にとっては明るい太陽も、エルフにとっては熱く苦しすぎます。
その暑さのせいで周りには食べ物がなくなってゆきました。
一日に少ししか歩けないエルフは、木の根や何かの骨、石ころを食べて飢えを凌いでいました。
そのせいか、エルフの体は日に日に細く、かさかさに干からびてゆきました。

月の明るい晩にはハイエナに「まだ生きてるのか。死ねば俺達の餌になるのに」と言われ、
夜が明ければハゲワシが頭の上を輪になって飛びながら
「エルフ、早く俺達の餌になってくれや」と言われました。

エルフはもうこのごろは一日中立ったまま目を瞑っているばかりでした。
涙が一粒、渇いた嘴を伝ってぽつりと足元の砂に吸い込まれました。
今のエルフには、遠くから聞こえる子供達の楽しそうな声を聞くことだけが唯一の慰めなのです。


681 名前:3/3 :2008/11/23(日) 02:25:45
ある日、森のはずれに黒豹が現れました。
エルフは「黒豹だぞー!」とかすれる声で叫び、皆は一斉に逃げましたが、逃げ遅れた子供達が狙われました。
エルフは自分の体のことなど忘れて、なんとか助けてやらなくては、と思い、
「皆僕の背中に乗れ!」と叫びました。
子供も立ちは夢中でエルフの背中に這い上がりました。
黒豹は真っ赤な口を開いて飛び掛ってきました。エルフは体を固くし、じっと耐えました。
子供達はその力強い顔を見て、なんだかとても安全な場所にいるように感じました。
エルフは最後の力を振り絞って戦いました。嘴で黒豹の目や鼻を突つきました。
背骨は皆の重みで折れそうです。一本足には黒豹の牙と爪で血まみれです。
やがて黒豹は負け、ふらつきながら逃げて行きました。
「助かったー」「ばんざーい!」
皆の声が遠くて聞こえるようでした。そしてだんだん気が遠くなり、何もわからなくなってしまいました。
子供達はエルフの背から降り、「エルフ、ありがとう!」と叫んで振り仰ぐと、あっと驚きました。

そこには片足のエルフと同じ格好の大きな木が生えていました。
そして、その顔の丁度真下あたりには綺麗な池が出来ていました。

木になったエルフはその日から野原に一年中涼しい木陰を作り、動物達は泉の周りで楽しく暮らしました。


690 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/23(日) 12:21:27
片足ダチョウのエルフ、子供の頃好きだったのに
内容全然覚えてなかったなあ。
あらためて、こんな話だったのかと思った。
片足になって皆から忘れられて木になったのしか覚えてなかった。
後味悪いって言うよりじーんとくるいい話だねえ。

 

かたあしだちょうのエルフ (おはなし名作絵本 9)
かたあしだちょうのエルフ
(おはなし名作絵本 9)


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