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97 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/04(木) 20:22:13
伊藤潤二 「潰談」

自分探しの旅に出た尾木は、南米のジャングルで遭難しかけたが、原住民の集落にたどり着いた。
そこで思わぬ歓迎を受け、お土産に現地の地図と「美味しい蜜の詰まった壷」を渡される。
彼らが言うには、
「その蜜を採るのは命がけだが最高に美味しい。ただし絶対に気付かれない様に舐めろ」
とのことだった。ナニに気付かれない様にするかは謎だが、蜜を舐めてみると確かに最高の味だった。

無事に日本のアパートまで帰って来れた尾木は、たまたま部屋に遊びに来た杉尾にこの話を聞かせる。
試しに一口だけ舐めさせてもらった杉尾は、すっかりこの味の虜になってしまうが、
それ以上は舐めさせてもらえず部屋を追い出されてしまう。

ならばと数日後、友達4人を連れて押しかけると、尾木は留守のようだった。
窓から押し入ると壷はすぐに見つかったが、部屋は血だらけで、壁には血のシミと
動物の皮をなめしたような物体が壁一面にべったり張り付いており、異臭もする。
何となく嫌な予感がしたが、一同は壷を持って部屋から逃げ出した。
その時、杉尾は部屋の隅に地図が置いてあるのを発見し、こっそり財布に入れた。


98 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/04(木) 20:26:42
とりあえず場所を変えて、メンバーの一人の家で蜜を5等分し、みんなで仲良く舐めていると、
メンバーの一人が突然グシャっと潰れて壁にへばり付いてしまった。
部屋も血まみれになり、ちょうどさっきの尾木の部屋のような状態だ。
まるでとても重い物体がすごい速さでぶつかってきたかのようだが、
誰も何も見えなかったし、壁も家具も全く壊れていない。
4人はあわてて部屋を飛び出し、垣根の側に隠れると、とりあえず落ち着こうと蜜を舐め始めた。
するともう一人、今度は上から押し潰されたような格好でグシャっと地面にへばり付いてしまった。
ここにきて杉尾は、初めて「絶対に気付かれないように舐めろ」の意味に気が付く。
何に気付かれないようにするのかは分からないが、蜜を舐めている事に「気付かれる」と、
あんな風に潰されて死んでしまうのだ。
恐らく何かが異次元から飛んで来るのではないか?という杉尾の説は、仲間に一笑に付されてしまった。

とにかく気をつけよう、ということで3人はいったん解散する。


99 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/04(木) 20:27:29
ここまで生き残った者は杉尾と亀田と有枝。
杉尾と有枝は、数週間をなんとか蜜を数回舐めるだけですごしていたが、
あまりの蜜の美味さに他の物が食べられなくなってしまい、すっかり痩せてしまっていた。
亀田は、何人かに蜜を配って、どうすれば「気付かれない」で済むのかを人体実験していたが、結局分からず。
原因不明の「潰死事件」が世間を騒がせる事になった。
久しぶりに集まった3人は、これまでの近況を話し合うが何の解決にもならず。
やけを起こした尾木は、思い切って有枝と共に蜜を舐めてみるが、案の定二人とも潰されて死んでしまった。
尾木が潰される直前に落とした地図を偶然拾っていた亀田は、この地図を頼りに南米に行き、
どうしたら「気付かれない」のか原住民に教えてもらうしかない、という結論に達する。

100 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/04(木) 20:28:05
地図を頼りに南米のジャングルを進む亀田。
蚊がやたらと多く、手でパチンと潰しながら進んでいくと、目前に巨大な樹が見えてくる。
あの蜜の匂いも漂っているし、どうやらこの木から蜜を採取できるようだ。
その木はやたらと幹が太く、無数にある細い枝はまるで人間の手のような形をしていた。
その枝が鞭のように複雑にしなりながら、時々消えたり、また出現したりしている。
枝が時々消えているのは間違いない。どこにいっているんだろうかと思いながら、蜜を採るために
そっと木に近づいて、ナイフで幹に傷を付けようとした所で、樹上で動き回っていた枝の一本が
亀田の上に振り下ろされ、パチンという良い音を立てた。

102 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/04(木) 20:54:16
伊藤潤二の漫画は後味悪いのばかりだよな

 

潰談―新・闇の声 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
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