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509 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/02(金) 01:54:22
唯川恵「過去が届く午後」

主人公の有子は広告デザイナーで、その業界では大きな賞を受賞するほどの有名人。
有子は自分が主役の受賞パーティーで、かつての同僚、真粧美と再会した。

有子と真粧美は、有子今勤めているデザイン事務所の同期。
デザイナーとしての才能は真粧美が一段上であったが、
二人は良いライバルとして切磋琢磨し合っていた。
だが結婚を機に真粧美は事務所を辞め、
現在そのデザイン事務所で有子は重要なポジションにいて、真粧美は金沢で平凡な主婦をしている。

自分を祝うためにパーティーに駆けつけてくれた真粧美と、
会場ではひと言ふた言程度しか会話することが出来なかった有子だが、
数日後、真粧美から小包を受け取った。
それは同期時代に有子が真粧美に貸して、そのまま借りパクされていた画集だった。
手紙が同封されており、
「先日は会えて嬉しかった。あなたの活躍を見て、自分のことのように嬉しい。
 借りていたことを思い出したので返します。」
みたいな内容の手紙だった。


510 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/02(金) 02:00:28
それ以降真粧美から、さまざまな借りていたものを小包で返送される有子。
たとえば今では貸したことすら忘れたスカーフとか、さほどの値段ではないタクシー代とか、
急に生理になったときに渡したナプキンや、スペアのストッキングなどが、
真粧美から一週間おきに返送されてくるのである。
うすうす異常を感じ始めた有子は、
真粧美が今の自分が変化のない平凡な毎日を過ごす鬱憤を自分にぶつけているんだろう、と受け取り、
「もう借りたものは気にしないで。ご主人は元気ですか?
 私は家庭もなく、帰っても一人です。金沢は緑も多くいいところだそうですね。羨ましいです。」
など、真粧美が溜飲がさがるであろう言葉を使った丁寧な手紙を返信した。

だがその数日後、有子のもとにまたもや小包が送られてくる。
「たしかにお返しします」の手紙と共に送られてきた
それはオレンジジュースの飲みさしと、サンドイッチふた切れだった。


511 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/02(金) 02:04:22
さすがに真粧美がかなり精神的に不安定であると確信した有子は、
真粧美に直接電話して話を聞くことにした。
「なにかあったの?」と問いかける有子に、真粧美は
「有子の持っているもの、立場は全て本来私が得るはずだったものに違いない。
 だから私が有子に借りを返せば、私と有子は正しい立場に戻るはず」などと謎の論理を展開する。
「ヤバイ」と感じて絶句する有子に、真粧美は自分の旦那と電話を交代する。

実は真粧美の旦那はかつて有子も恋していた男性で、二人は三人での友人関係をキープしつつ、
お互いいつ抜け駆けできるか探っていた過去があった。

三人で飲みにいく約束をしていた日に
有子が遅刻してきたことによってその男性と真粧美は
付き合うことになったのだった。

その日は何事もなかったように電話を切る有子。
数日後、またもや真粧美から有子宛に郵便が届く。
それは今までとは違い人間が入りそうなほど大きく
異臭を漂わせた段ボール箱であった。

真粧美からのメッセージカードには
「これで有子に借りたものは最後です。
 本来は有子のものです。返します。」とだけ書かれていた。

唯川恵っていうと、どうでもいい感じの恋愛小説とか
OL応援メッセージエッセイばかり書いてるイメージだし実際そうなんだけど、

なぜかこの短編集だけ後味が悪い短編ばっかり。
なぜか舞台はほとんど金沢。


513 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/02(金) 02:13:55
>>509
乙。
これ、「世にも奇妙な~」で見たよー。原作があったんだね。
只、後味じゃなくてじわ怖かも?ってオモタ。

 

病む月 (集英社文庫)
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