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802 名前:1/2 :2009/02/27(金) 16:10:43
後味悪い小説の帝王トマス・クックの小説

デイヴィッドは美しくて頭が良く、父親から愛されていた姉のダイアナに
コンプレックスを抱いていた。
二人の父親は学者で学校の先生でもあったが、晩年は発狂して精神病院送りになり、そこで亡くなった。
そんな父親の愛情はダイアナにとっては苦痛なだけであった。

父親が死んだ後、デイヴィットは弁護士に、なり結婚して
娘をもうける。ダイアナは裕福な弁護士と結婚して息子をもうけるが、
この息子は知的障害を持っていて、ダイアナの夫は完璧主義な性格のため
この息子をうとましく思っていた。
ある日ダイアナの息子が池で溺れて死んでしまう。
息子は水をとても恐れていたためわざわざ池に近づく理由が無い。
ダイアナは夫が息子を殺したのでは無いかと疑う。
しかし証拠は何もない。
エリートである夫がそんな事をするはずがないというのが周囲の見方でダイアナは孤立する。
ダイアナは夫と離婚し、独自に息子の死について調査する。

デイヴィッドもダイアナは妄執にとらわれているだけだと考える。
父親が狂っていたのだからダイアナももしかしたら狂っているかも
しれないとも思う。ダイアナはデイヴィットの娘になつかれていて、
よく本などを貸してやったりしていたが、デイヴィッドはこれも好ましく
ない事だと思った。娘には普通の可愛い常識的な女として育ってほしかったので、
ダイアナが与えるマニアックな本などによって影響を受けて欲しくなかったのだ。


803 名前:2/3 :2009/02/27(金) 16:12:38
ダイアナは元夫に、自分が調査を進めている事や、
夫が息子を殺したんだという内容の手紙やファックスを何通も送っていた。
はたから見ればこれも妄執にとらわれた女の奇行にしか見えない。
元夫はダイアナを精神異常者として施設に収容してもらえるように
その証拠集めを始める。デイヴィッドも娘からダイアナを引き離したいので協力する。

ある日、元夫の車に赤いペンキで卑猥な言葉がびっしり書き込まれていた。
ダイアナはそれを知ってショックを受ける。自分がそんな事をした覚えはないが、
自分が狂ってしまっていて、無意識にやったのだと思い込む。

ダイアナは絶望して高い建物の上から飛び降りようとする。
そこへデイヴィッドが止めに入る。
デイヴィッドは言う。
「ペンキで車に落書きをしたのは自分だ。」
ダイアナは微笑みながら
「あなたは世界一の良い弟よ」と言い残し
建物から身を投げた。

結局。
車に卑猥な言葉を書いたのはデイヴィッドだった。
それをダイアナのせいにすれば、彼女が強制収容されるだろうと思ったから。


804 名前:3/3(すいません途中で3分割になりました。) :2009/02/27(金) 16:13:16
息子を殺した犯人はやはり夫だった。
ダイアナの葬式で元夫に息子の件でカマをかけたら
元夫がかすかに動揺したので、デイヴィッドはそれを知る。
しかし証拠は何もないので元夫はおとがめなし。

さらにデイヴィッドはせっかくダイアナから引き離した娘の目の
中に、父親と同じ狂気の片鱗を見てとってしまう。
父親の血はダイアナではなくデイヴィッドの娘に引き継がれていた。

姉は結局狂ってないし、息子を殺されたのを必死に証明しようと
してただけで何も悪くないのに弟のコンプレックスのせいで
死ぬし、夫はおとがめなしだし、娘は発狂フラグたつしで
とにかく救いがない。

 

石のささやき (文春文庫)
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