ホーム » 小説 » 小説/や行 » 四つの終止符(西村京太郎)

582 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/27(金) 04:13:58
西村京太郎の初期作「四つの終止符」。

下町で貧しい暮らしだった病身の母親が、聾者の息子が買ってくれた栄養剤で毒死する。
(息子は小さな作業場で働いていたが、聴覚障害で皆の話の輪に入れず職場で孤立していた。)
栄養剤には砒素が混入されており、状況証拠も揃っていて、当然のごとく息子が逮捕された。
毒なんて入れてない息子は必死に無実を訴えようとするが、取調中の意思疎通の手段の不備で
息子が犯人だろうと決め付けてかかる警察に上手く反論できず、相手にされない。
それでも、彼と懇意だった近所のバーのホステス(彼女にもかつて事故死した聾者の弟がいた)は、
彼の潔白を信じ応援する。

弁護士は、形勢不利な状況の中で徒らに無実を主張するより
罪状は認めつつ刑法40条(聾唖者の刑罰減免を定めた規定。現在は廃止。
かつて聾唖者の言語教育が不十分だった時代、学習環境がなく知能の発育にも欠けると考えられていたため、
知的障害者と同じ減免扱いだった)による無罪を求める戦法を提案し、
彼の救出を望む彼女は面会時にそれを彼に伝言する。
だが、無実を信じてくれていると思っていた彼女にまで裏切られたと誤解し
絶望した息子は、遺書を残して自殺する。それを知りショックを受けた彼女も、後を追って命を絶つ。
息子の遺書には、「だれも僕を信じてくれません。やっぱり僕は独りぼっちでした。
僕を信じてくれたのは母だけでした。でも、母は死にました。だから、僕も死ぬより仕方がありません。
でも、だれも恨みません。ただ、僕の耳が聞こえなかったように、
みんなにも僕の言う事が聞こえなかったのだと思います」とあった。

やがて、砒素入りの栄養剤は薬局員の女性が自家用に夫から勧められていた分が
たまたま青年の手に渡ったもので、青年の一家は本来無関係な偶発的被害者だったと判明する。
結局、毒物の出所となった自責の念で女性も自殺し、四人の死を引き起こして
無関係な者たちを大勢巻き込んだ一連の事件は終焉を迎える。


589 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/27(金) 10:59:16
>>582
栄養剤を勧められてた薬局員の女性の夫は逮捕されないの?

590 名前:本当にあった怖い名無し :2009/03/27(金) 11:39:57
>>582
当然、逮捕されてたと思う。
(読んだのがだいぶ前で、そのへんの結末はうろ覚えだが。)
でも、今さら無実が証明されても、さんざん聾による理不尽な責め苦を食らった挙句
無関係な母親も青年も彼女もみんな死んじゃって。もう遅すぎますって感じで。

 

四つの終止符 (講談社文庫 に 1-8)
四つの終止符 (講談社文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...