ホーム » その他 » 事件・事故 » 栃木実父殺し事件

411 名前:sage :2009/05/25(月) 23:05:18
最近知った昔の事件。
栃木県佐久山町にTという男がいた。
Tは農業のかたわら町役場の吏員として勤め、青年学級の指導員でもあった。
妻とのあいだに長女A子をはじめ、二男四女をもうけた大家族だった。
A子は父母が24歳の時の子どもである。

昭和28年、農業を嫌ったTは、宇都宮に移り味噌・雑貨を扱う商売を始めた。
木造平屋の二間に9人が暮らした。商売はうまくいかず、貧しい生活が続いた。
中学2年の三学期頃、A子(当時14歳)が四畳半で寝ているところ、
酒臭い父親が布団にもぐりこんできて体を触られた。他の兄弟が折り重なるように寝ていたので、
A子さんは家族を起こすまいとそのあいだ声を出すことはできなかった。
そしてそのまま父親に犯されたのである。以後、母親の目を盗んでは、1週間に1度、10日に1度と犯され続けた。
中学3年になったA子は泣きながら母親にこのことを打ち明けている。
だが母は「どうりで私のところにこなくなった。おかしいとは思っていた」と言うだけで、
ショックを受けたようでも、怒っている様子でもなかった。


412 名前:sage :2009/05/25(月) 23:08:15
娘の目にはそう見えた母親だが、子ども達のいない時に「A子に何すんだ!」とTに怒りをあらわにした。
だがTは逆に包丁をつきつけて「ガタガタぬかすと、殺すぞ」と脅し返した。
恐れた母親はA子や他の子ども達と逃げ出した。
Tはそれまでは心優しい夫であったのだが、A子とのことがあってからは、乱暴な男に変わっていた。

結局、母親は子どもの半分を連れて知人のいる北海道に家出。
残されたA子が母親代わりとなって、弟妹の面倒を見た。
Tは母親の目を気にすることもなくなったので、日に何度もA子を求めるようになった。


413 名前:sage :2009/05/25(月) 23:10:51
A子17歳の時、母親が戻ってきた。母の実家に屋敷に掘立小屋を作り、一家はそこに住むようになった。
母は父を監視して、A子の寝ている方に行こうとすると止めに入ったが、そのたびに喧嘩となった。
それでもTの欲望はつきることなく、酒を飲んでは娘の体を求め続けた。
そしてこの頃、A子は父親の子どもを身ごもった。
身重のA子は、田植えの時に知り合った男性(当時28歳)と駆け落ちした。
A子の方から「私と逃げてください」と哀願したのだった。
男性は同情して、2人は黒磯まで行ったのだが、父に追いつかれて引き離された。

414 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 23:17:04
この一件があって、Tは妻の留守中に矢板市に間借りして、長女とその妹H子とで暮らし始めた。
この矢板市の家は一部屋で、ここでは毎晩夫婦のように父と1つの布団で眠った。
Tはこの頃、植木職人をしていた。

11月24日、A子は長女出産。
昭和32年、市営団地に引っ越す。
A子はここで二女、三女を出産。
父親は精力はますます旺盛になったのか、毎晩1度では終らず A子が断ると、大声でわめき散らした。
A子は近所の人や自分の子どもにそれを聞かせたくないから応じ続けていた。
妹H子は中学卒業後、千葉県の工場に就職し、矢板の家ではTとA子、子ども3人での生活が始まった。

1968年、A子は29歳になっていた。
すでに四女と五女も生んでいたが、生後まもなく死亡した。5度の出産以外にも、5度の中絶をしている
産婦人科では「このように中絶していると体が持たないから、手術して妊娠しないようにしたほうがいい」と言われた。
A子は父親に相談し、父もそれに賛成したので、8月25日に矢板市内で不妊手術を受けた。
供述によると、この手術以来、A子は不感症となり、父とのセックスは苦痛以外の何者でもなくなっていた。


415 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 23:20:59
A子は家計を助けるために65年から近所の印刷所に働きに出ていたのだが、
ここで年下のSさん(当時22歳)という男性と知り合っている。
A子はSさんに好意を持ったが、積極的に仕事を手伝うぐらいで、それを口にしたことはなかった。
以前、駆け落ちした男性は嫌いではなかったが、父の元を離れたいという想いの方が強く、恋とは言えなかった。
だからSさんが初恋の相手となる。
8月の終わり頃、仕事を終えて帰宅中のA子に、Sさんが「工場をやめようかな」と言った。
その理由については言わなかったが、その翌朝、Sさんが告白した。
「あんたが悪いんだ。あんたが会社に入ってこなければよかった。あんたが好きになってしまった」
A子は父に束縛されるため遠出がほとんどできなかったので、
同僚が「恋人と~に行ってきた」と話すのがうらやましくて仕方なかった。
だからこそSさんと仕事帰りに喫茶店でおしゃべりをしたり、東武デパートで買い物をしたり、
花屋敷で映画を見たことは、彼女にとって初めての幸福であったに違いない。
Sさんは他の従業員からA子さんに子どもがいるのを聞いており、
また子どもが出来ないことも知っていたが、結婚を申し込んだ。

A子は寝床で父親に結婚したい人がいるということを打ち明けた。
「お前が幸せになれるんなら良い。相手はいくつだ」
「22歳」
「そんなに若いんじゃ向うでお前をからかっているんだ。子どもはどうするんだ」
「お母さんに頼む」
「何を言う!俺の立場がなくなる。そんなことができるか。お前の子どもなんだぞ」
父親は焼酎を一気に飲んで、「今から相手の家に行って話をつけてくる。ぶっ殺してやる!」とわめいた。
A子は「勤めをやめて家にいるから、Sさんのところには行かないで」と言ってようやく納得させた。
翌朝、A子は工場に電話を入れ、
「ゆうべお父さんに話したが駄目だった。今から矢板駅に行くから来てくれ」とSさんに伝えた。
Sはすぐに駅に行ったが、A子は姿を現さなかった。
その頃、A子はよそ行きの服を持ち出して、近所の家で着替えていた。
しかし、Tに見つけられ、ブラウスを剥がれ、下着まで破られた。
悲鳴を聞いた近くの人が父を押さえているあいだに、A子はバス停に向かったが、バスが来ぬ間に父親に連れ戻された。


416 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 23:26:02
9月20日、A子は父から逃れるために東京に出ようと決心した。
その前に1度だけSさんと会ってお別れを言いたかったのだが、
彼の自宅でも、工場でも電話は取り次いではもらえなかった。
Sさんは工場長からA子が父親と関係を持っていることを聞かされていた。
「深入りしないように」とも言われた。
A子も工場を辞めてしまったので、もう忘れようとしていたのだった。
A子の上京は、父が仕事を休んでまで監視するため不可能になっていた。

10月5日、この日も父はA子を監視するため仕事を昼までで切り上げ、泥酔していた。
「俺はもう仕事をする張り合いがなくなった。俺を離れてどこにでも行けるんなら行ってみろ。
 一生つきまとって不幸にしてやる。どこまで行ってもつかまえてやる」

夜8時すぎ、いつものようにTが娘の体を求める。
「俺は赤ん坊のとき親に捨てられ、苦労に苦労してお前を育てたんだ。
 それなのに十何年も俺を弄んで・・・・このバイタめ!」
「出ていくんだら出ていけ。どこまでも追って行くからな。3人の子どもは始末してやるぞ!」
この罵声を聞いた瞬間、A子は父親を押し倒し跨ったうえで、傍にあった股引の紐をつかんで、首にかけ絞めた。
Tはなぜか抵抗しなかった。
「殺すんだら殺せ」
「悔しいか」
「悔しかねえ。お前が悔しいからしたんだんべ。お前に殺されるのは本望だ」
「悔しかねえ。悔しかねえ」

父は絶命した。
A子にとっては父の束縛から自由を取り戻した瞬間でもあった。
A子は近所の親しい雑貨商宅を訪れ、「父親を紐で絞め殺しました」と言って崩れ落ちた。

長くてすみません
本望で死ぬな父ー!


419 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 23:36:40
>>411
えっと、要するに社会科の教科書で有名な、尊属殺人裁判の「栃木実父殺し」ね?

420 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 23:43:02
えっ教科書!?有名!!!??

失礼しました…


421 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/25(月) 23:58:27
>>420
そーいえば教科書で読んだの思い出したけど>>419に言われるまで
忘れてたよ。引き込まれて読んじゃいました。乙でした。

424 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/26(火) 00:11:07
>>420
あっ、私は昭和生まれの人間だけど、今では尊属殺人罪の条文自体が
10年以上前の刑法の口語化改訂のついでに削除済みだから、
ひょっとしたら最近の人はもう習わなくなってるのかな…?

425 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/26(火) 00:12:17
つか、母親含め
他兄弟何してたんだ?

428 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/26(火) 00:28:13
古い話だからね~
当時は女の権利、みたいな考えは今よりずっとなかったし、
家における父親の権力ってのは今と大分違うんじゃないかなぁ。
父親に歯向かうことは妻にとっても子にとっても、
世間体やそれからの人生を考えると難しいことだったと思う。

だから、今の時代を生きている感覚で
普通こうするだろ、みたいな考えはちょっと違うんじゃないかなぁ。

何より父親マジキチっぽいしね。
殺されたくないでしょ。

 

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