ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その104 » 夜の声(手塚治虫)

677 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/27(土) 22:38:48
じゃあもう一丁手塚の。

男は、まだ若年にも関わらず大企業の社長だった。
若いのに彼女も作らず遊びもせず、来る日も来る日も仕事ばかりの毎日だったが、実は彼には秘密があった。
会社が休みの日になると必ず、変装をして週末は何と乞食として過ごすのだ。
180度異なる立場のギャップを楽しみ、そして月曜からまた仕事…という生活を送っている男。
そんなとある週末、乞食バージョンの男は何者かから追われていた女を助けてやる。
必要以上のことを話そうとしない女だが、その心優しさに惹かれて行く男。
女もまんざらではなく、男が週末だけ住む小屋に入り浸るようになり、週末は2人で過ごすことに。
彼女が好きになってしまった男は、女の仕事を探してきたと、自分の会社の求人を受けてみるように勧める。
面接を受けに来た女を、社長バージョンの男は勿論即採用する。
口が裂けても自分の正体を明かせない男だが、どうしても彼女と一緒になりたい男は、彼女に告白→求婚。
そして週末。女は社長にプロポーズされたと乞食バージョンに伝える。
男は喜びを隠しながら、社長夫人なんてなかなかなれない、ゆくゆくはセレブだぞ~みたいに結婚を勧めまくるwが
女は実は前科者であること、そして本当に好きなのは乞食なのだと伝える。
男は驚くが、必死で「自分よりも社長のほうが幸せにしてくれる」と諭すが、
それでも聞かない女を冷たく突き放してしまう。
「これでよかったのだ」と、1人結婚後の生活を夢見、乞食バージョンも封印だなと浮かれる男。


678 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/27(土) 22:40:38
続き。

そして結婚準備はトントン拍子に進み、男は女と(勿論社長バージョンで)結婚。
女は乞食のことが忘れられず、そして男は
なぜ乞食を気に入り、同一人物の自分が気に入られないのか全く分からず、ほぼ毎日夫婦ゲンカを繰り広げていた。
その日もケンカになった…が、はずみで男は
「お前なんて前科者は俺しか面倒見れない」みたいなことを口走ってしまう。
なぜ、誰も知らないはずの(正確には乞食にしか言ってないはずの)事情を知っているのだと女は混乱。
誰かに調べさせたんだ、きっとそうに違いないと思い込み、短期間で2人の夫婦仲は一気に冷え込んでしまった。
限界を感じた女は、金庫から金を盗み出して逃亡を図るが、金を盗んでいるところを男に見つかり
とっさに隠し持っていた拳銃で男を撃ち殺す。
そして女は
「もうこんなところはたくさん、このお金であの乞食のおじさんと一緒に外国で暮らすのだ」
と、もういない乞食の男を求めて、家を出て行く…という話。手塚は後味悪い話の宝庫だな。


680 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/27(土) 23:14:04
>>677
十分後味がわるいわけだが
なんで告白された時点であしながおじさんよろしく
「実は僕が社長だったんだよ!」と言わなかったのか
その一点がどうしても解せなくてモヤモヤする

685 名前:677 :2009/06/28(日) 00:22:39
>>680
今読み返してみたら、最後の最後(女が金盗んでるとき)に
「乞食は俺だ!この俺なんだ!!」というシーンがありました。
でも女は当然ながら「うそ!うそよ!」と全く信じず→拳銃ぶっぱなし
に至っている。

ごめん、うろ覚えで書いたからまだ抜けてるところあるかも。


686 名前:本当にあった怖い名無し :2009/06/28(日) 00:29:01
>>685
こじき状態のときに変装を解いて「実は僕でしたー!」ってやらなきゃ
信用されるわけないよなあ
でもやるせなくていい

 

空気の底 (手塚治虫漫画全集 (264))
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