やすらぎの館(藤子・F・不二雄)

147 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/12(月) 02:44:35.99
誤爆で藤子F氏のネタが出たのでついでに藤子F氏の「やすらぎの館」。
本当は回想と現在が交互に出てくるんだけど長くなるので少しまとめました。

重役風の男がある部屋で人を待っている。多くの子供用のおもちゃが置かれた
その部屋は家具もおもちゃもやけに大きい。
ここで回想に入る。この男はある会社の社長で、友人の医者に「君は精神が疲れている」と言われ
この部屋(「やすらぎの館」という名前らしい)を勧められたらしい。
思い返してみると自分の会社で重役を務める息子はあまり役に立たない、
右腕の専務は会社乗っ取りを狙っているらしい、もう一人の息子も学生運動かぶれと気に病む事が多い。
初めは一笑に付していたものの結局気になって「やすらぎの館」へやってくる社長。

また館の中に戻る。用意されていた子供服(これも子供服にしてはサイズが大きいので丁度いいくらい)を着て
コマで遊んでいる社長。すると同じく子供服を着た同年代の俳優が集まってきていきなり虐められる。
その時彼を助けたのは彼より明らかに大きい(巨人症という病気らしい)和服姿の女性だった。
この施設は子供に戻って母親(今の女性)にもう一度甘えるという施設だった。
初めはすぐに帰ろうとするが徐々に彼女に母親の面影を思い出して甘えていく社長。
ついには自分の昔の家の幻覚を見るようになる。
その中で女性の母乳を吸ったり果てはおしめを取り替えられえたりと幼児の気持ちに戻っていく。

その後の会社。社長の元に腹心の部下がやってきて乗っ取りの一味に社長の息子が加わっている、
しかも乗っ取りのバックには右翼の大物がいて乗っ取られるのも時間の問題だと告げる。社長は腹心に対し
「いいんだもん。これからかあちゃんとこへ行っていいつけてくるもん。」と言い出す。驚く腹心を尻目に
「かあちゃん皆にメーッて叱ってくれるもん!!」と言いつつ笑顔で会社を後にする社長の姿でラスト。
友人の医者もグルだったんじゃないかと考えると色々思うところがある。


152 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/12(月) 20:12:58.77
>>147
Fの短編はあの絵でさらっと書かれているのが逆にすごく怖いよね
SF短編集は心に余裕があるときじゃないと読み返せないわ

 

気楽に殺ろうよ (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
気楽に殺ろうよ
(小学館文庫―藤子・F・不二雄
〈異色短編集〉)
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
藤子・F・不二雄大全集
SF・異色短編 1