パンズ・ラビリンス

608 名前:本当にあった怖い名無し :2009/09/01(火) 16:15:37
デルトロ監督の映画「パンズ・ラビリンス」

舞台はスペインの内戦時代。
主人公は妖精が大好きな少女。

少女は母親が再婚するために再婚相手の屋敷へと共に引っ越した。
その再婚相手は軍の大尉で、母娘は奥様とお嬢様になった。
しかし義父とそりが合わず、母も身重のため少女は一人で遊ぶことを余儀なくされた。

屋敷の裏には迷路があり、こっそり少女はそこに出かけた。
迷路の真ん中には不思議な穴があいており、その中へ降りると不気味な生き物がいた。
それは「牧神パン」と名乗り、
「あなたは地底王国の王女の生まれ変わりなのです」
と言った。
王国に戻るためには3つの試練をこなさなくてはならず、
少女は試練に臨むことを決意した。

<中略>

母が難産ということをパンに相談したら、
「これをベッドの下に入れなさい。ミルクをやることを忘れずに」
と不気味な草(マンドラゴラみたいなもの。なんか動いてる)を手渡した。
母のベッドに下に入れてみると、あら不思議。
具合はよくなったようで、少女も一安心した。


609 名前:本当にあった怖い名無し :2009/09/01(火) 16:17:03
しかしその後、少女は2つ目の試練で失敗をしてしまう。
パンから激しい叱責を受け、王国に戻ることは二度と不可能だと宣言されてしまう。
はっと気付きベッドの下を覗くと、例の草が死んでいる。
どうして、なんで、と少女がそれに話しかけていると
義父がそれに気づき、少女から草を取り上げる。
と同時に、母の陣痛が始まった。

生まれたのは義父が望んだとおり男児だったが、
母は出産の折に亡くなった。

仲のいい女中もレジスタンスの一味ということが発覚し、
少女の周りから完璧と言っていいほどに味方は消えた。
駄目もとでもう一度、屋敷裏の迷宮に行ってみると、パンがいた。
パンから
「最後のチャンスです。弟君をここに連れてきなさい」
と言われ、頷く少女。

タイミングよくレジスタントからの攻撃が始まり、
義父の目を盗んで弟を屋敷から連れ出した。
しかし義父がそれに気づき、後を追う。
少女がパンのところへ弟を連れていくと、
「さあこれで弟君を刺すのです。そしてその血を扉にかけなさい。
そうしたらあなたは王国へ戻れるのですよ」
と言われた。
パンがナイフを差し出すも、「いや、できない」と少女は拒否する。
そこに義父が追い付き、虚空に語りかける少女の姿を見た。
パンは激昂して消えてしまった。
落ち込む少女に、義父がピストルを手に近づく。
「息子をこっちに渡せ」と言われ少女は弟を手渡した。
義父は嫌悪の表情で、少女の腹部を撃った。


610 名前:本当にあった怖い名無し :2009/09/01(火) 16:18:05
義父が息子を抱えて屋敷に向かうと、そこにはレジスタントの連中が。
女中に息子を渡し、両手をあげ、
「息子には私の名前を付けてくれ」
「父親の名前さえ知らせないわ」
パン、と頭を撃たれ、血を流しながら義父が倒れた。

一方、少女からはおびただしい血が流れていた。
血は地面を伝い、扉へとかかる。
その瞬間、辺りはまばゆい光に包まれ、
気づいた時には少女は豪奢な宮殿の中にいた。
目の前には玉座に座った男性と女性がおり、自分の洋服や靴も上等なものに変わっていた。
事情が飲み込めない少女に、椅子の影からパンが出てきて、こう言った。
「あなたは正しい選択をなされたのです。弟君の代わりに、ご自身の血を流された」と。
「おかえりなさい」と言われ、笑顔を浮かべる少女。

夜の闇の中、事切れた少女の体を抱きいて女中が泣き叫んでいた。

この映画は名作だと思う。
あらすじって書き慣れてないから読みにくいね。ゴメン(´・ω・`)


612 名前:本当にあった怖い名無し :2009/09/01(火) 16:30:16
>>609-610
後味悪いっつーか「ああキリスト教映画だねー」って印象だな。
現世が不幸でも死ん後にあの世でハッピーなら最高じゃん?
って価値観は東洋人の俺にはどーしても理解できんわ。

617 名前:本当にあった怖い名無し :2009/09/01(火) 17:24:15
>>612
「東洋人」だから理解できないって括り方もどうだろ?
そこの展開の部分だけ取り上げると、西村京太郎の『幻奇島』も同じような終わり方をしてる。
沖縄を中心とする南方諸島の古来信仰に取材した観念をベースに描かれているけど、
本土から来た主人公視点で記述が進んでいるせいもあって、違和感は無かった。

詳細は省くけど、事件を追って東京から南方の小島にやって来た主人公は、
はじめは慣れない村の風習に「未開な田舎者だ」と拒否感を示していたが、
村の女性と恋仲になったりして、次第に現地の暮らしに馴染んでいった。
その島にはマングローブの樹海で有毒ガスが湧いている箇所があり、
昔から死期が迫った老人や病人はそこへやって来て眠るように倒れ
遺体は波が流し去ってくれるという習慣があった。
海の彼方には「ニライカナイ」(極楽浄土のようなもの)があると信じられており、
来世への旅路につく者は樹海前の岸辺に石を一つ残して行き、後日それを身内が石塚に積んで供養した。
ガスを吸うと意識朦朧と夢うつつになり、島民たちはこうした最期の迎え方をするのを恐れず
現世の人生を終えていずれニライカナイへ旅立てるのは喜ばしいことだ認識していた。

事件が片付いた後、「天女の月経が遅れるとき村は滅ぶ」という言い伝えどおり
時季外れの赤潮に続いて壊滅的な異常気象の台風が村を襲う。
嵐の前に島を離れていた主人公が救援隊とともに村へ戻ってみると、
簡素な家屋は原型を留めぬくらいに倒壊し、土地は塩水をかぶって人が住めない不毛の地になっていた。
が、島じゅう探しても誰一人の死体も生存者も見つからない。
ただ、樹海の前の岸辺に、ずらっと一列の何十個という石が並べてあった。
「みんなで船で避難しようとして沈没したのかも知れない」と言い合っている救援隊を尻目に、
主人公は「違う! みんな、ニライカナイに行ったんだ」と心の中で思っていた。


623 名前:本当にあった怖い名無し :2009/09/01(火) 18:47:53
>>612
前にこの映画のあらすじが貼られた時は
辛い現実から逃避した少女の妄想オチで少女カワイソスって流れだった
宗教とかには誰も言及してなかったからその時々で反応違って面白いね

個人的には妄想オチってだけの方が救いがない

 

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