ホーム » 小説 » 小説/か行 » 傷(乙一)

6 名前:1/3 :2009/10/03(土) 23:50:09
だいぶ前に読んだので細かい部分間違ってる可能性あるけど、乙一の短編
「傷」

手で他人の身体に触れる事で、相手の傷を吸い取れる能力を持つ少年(小学生)A男。
A男と仲良くなった主人公は同級生で、ろくでなしの父親から虐待されて育つ。
ある日A男の不思議な力を目の当たりにする主人公だけど、
ホイホイ誰の傷でも吸い取り傷だらけになろうとするA男が居た堪れないと感じる。
しかし、吸い取った傷は元の相手に返す事も、また別の人間に移す事も可能だった。
それを知った主人公は「吸い取った傷は俺の親父に移してやれ」と持ちかける。
主人公の父親は現在入院中、寝たきりとなっていた。
しかしその父親からかつて熱したアイロンを投げつけられて大火傷を負い、
今も身体に跡がくっきり残ってる主人公はA男が吸い取ってくれたその火傷も、
そもそも親父がやった事なんだから自業自得だと思う位に恨んでいた。しぶしぶ承諾するA男。

いつも二人で遊んでいたのだがある日、公園で女子中学生(高校だったかも)と出会う。
仲良くなってアイスを奢ってもらったりしてしばらく楽しく過ごしてたのだが
その娘には顔に大きなアザがあり、そのせいで差別され落ち込んでいた。
が、A男の能力を知った彼女は「1日だけでいい、このアザをなくして。1日だけでも
綺麗な顔で過ごしてみたい、それが夢だった」と懇願。優しいA男はすぐに引き受けた。
しかし次の日から彼女は姿を消してしまった。


7 名前:2/3 :2009/10/03(土) 23:51:03
主人公はそれも親父に移せば問題ないよ、と慰める。
A男はそれに応じていたのだが、ある時気になった主人公は寝ている父親の布団をめくり
服を脱がせる。父親の身体は衰弱こそしているが、傷だのアザだのなんてない、綺麗な物だった。
それを見て初めて「考えてみれば当然だ、目の前の人間が傷付くのに耐えられず
自分の事もおかまいなしにホイホイ吸い取るような心の持ち主が、いくら言ったって
他人に傷を負わせるようなマネが出来る訳なかったんだ」と悟りショックを受ける。
本当は服や髪の毛で隠してるけど、今もA男の身体には無数の傷、アザにまみれてるんだと。

そして病院に居ると、交通事故で大怪我した人が運ばれてくる。
当然のようにその患者の所へ行き、傷を吸い取ろうとするA男。
ただでさえボロボロなのにそんな事したら今度こそ死んでしまう!と思った主人公はとっさにA男の手を掴む。
そして、二人とも倒れる。


8 名前:3/3 :2009/10/03(土) 23:52:10
ラストはそれでも命には別状なく、お互い骨折などの怪我してるけど満足気な二人。
「お前が目の前の人間の傷をどうしても見過ごせない、吸い取らずには居られないというなら、
 これからは俺がその半分は引き受けてやる」
と言い酷い人間と接したり理不尽な目に遭ったりして、いくら遣る瀬無い気持ちになったとしても
こんな心のA男が1人居るというだけでもこの世界に希望はあると言えるじゃないかみたいな感じの、
明るい主人公の語りで終わる。

・・・いや、爽やかな空気出して前向きに終わらせてるのは解るんだけど
まだ子供の二人がこれからもどんどん酷い目に遭って行くのは確定要素となってて
しかも酷い目に遭わせた大人やらは何のしっぺ返しを食う事もなく・・・と思うと
ひたすら後味悪いとしか思えなかった


13 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/04(日) 03:54:33
>>6-8
乙一
他人の傷を自分のものにする=自己犠牲
だと思うんだけど、この考え方する子供って
後味悪い
もっと自分の幸せ考えて欲しい

 

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