田舎の善人(フラナリー・オコナー)
昔のアメリカの田舎町。
一軒の家に義足をつけたオールドミスが母親と住んでいる。
彼女は大学へ通い、哲学書を読み、そういったことをすることによって
自分に女性的な魅力がないということをを誤魔化そうとしている。
ある日、そこに年若い聖書のセールスマンが ...
お勢登場(江戸川乱歩)
仲の良い夫婦が子供と一緒に暮らしてた。
或る日、家の中で父親が息子とかくれんぼしていた。
父親は悪乗りして箱のようなものに隠れたんだけど、何かのはずみに蓋が閉まって鍵がかかってしまった。
この箱は外からでないと開けられない。その内に息子はかく ...
地獄変(芥川龍之介)
或所に偏屈なお抱え絵師がいた。
性格に難はあったが腕は確かで、多くの素晴らしい絵を描いていた。
ある日絵師は、殿様に「最高の絵を描いてくれ」と命じられた。
殿様は絵師の上からものを見るようなプライドの高いところが気に食わなかった。
わ ...
死のスワンダイヴ(スティーブン・キング)
2人が夢中になった遊びは、高いところから飛び降りること。
あるとき、調子に乗りすぎた妹はとても飛び降りることのできないような
高いところまで(納屋の梁かなんかだったような)上ってしまい、
降りることができなくなった。
恐ろしさの ...
伊園家の崩壊(綾辻行人)
「向こうの世界」の世田谷区S町に住む日本で一番有名な家族、
「伊園家」がジワジワと不幸に見舞われて行きます。
母、ツネは買い物の最中に発狂、商店街の通行人を次々と殺傷して自殺、
父、民平はそのショックで酒とギャンブルに溺れ、
多額の借金を ...
茶碗の中(小泉八雲)
小泉八雲の「塀」とか「壁」とかそういうタイトルの話。
最初は作者自身が読者に語りかけるような口調で、
「あなたは灯台に登ろうとしていて階段が途中で切れていて、登れなかったことなどはないですか?」
などと中途半端に終わった話の例などをいくつか挙げていて ...
反三国志
劉備が 敵将
呂布に敗れ配下を引きつれて敗走していた。
時はまさに戦国+干ばつによる大飢饉でほとんどなにも食していなかった。
次々と配下は飢えと疲労で力尽き最後には数人の側近のみしか劉備のそばに残らなかった。
敗走中、一息ついた劉 ...
子猫
妙に忘れられない鬱な気持ちになる話がありました。
とか言ってタイトルと作家名は忘れちゃったんですけども…
主人公の女性が彼に別れを告げられます。
彼は彼女を納得させる理由も告げずに去ってしまい、彼女は日々悶々と思い悩みます。 ...
死児を育てる(野坂昭如)
野坂昭如の作なんだが「ほたるの墓」よりリアルで救いの無い内容。
戦争末期の日本。女の子の姉妹が田舎の親戚に疎開するがまともに食べ物を与えられず、
空腹に耐え切れない姉は妹用の粉ミルクを食べてしまう。
おなかをすかした妹は良く泣き、疎開先の家の人にうるさがら ...
確証(松本清張)
太郎と花子は仲のよい夫婦だった。子どもはいない。
花子は太郎の世話をするのが生き甲斐のような、立派な妻だった。
料理の好きな花子は、肉が好きな夫のために、わざわざ近所の精肉店へ
肉料理を習いにいくくらい、太郎に尽くしていた。
しかし、今ひとつ自分に自信 ...