忍者梟無左衛門(山田風太郎)

291 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/12(金) 15:01:25.28
じゃあ流れ無視して山田風太郎の短編でも。
フィクション嫌いな人はスルーしてくれ。

田沼親子の全盛期、下っぱの忍びである主人公Aの元に武家の娘Bが尋ねてきていた。
Bには許婚がいてもうすぐ祝言という時だったのだが、Bの父親が田沼に圧力をかけられ
どうしても娘を差し出さなければならなくなってしまったのだ。
断れば父や家の立場は危うい、しかし許婚以外の男に処女を捧げて結婚など出来ないと悩んだBは
亡き母の「困った事があったらAを尋ねなさい」の遺言に従いやってきたのだった。
AはBには話さなかったが、実は若い頃B母と密かに思い合っていた過去があった。
しかし身分の違いで結ばれる事は叶わず、Aは今も独り身を貫いている。
B母はBを身籠るとAに「この子を私そっくりにして」と依頼する。
Aには女性器や胎児などを粘土のように自在に作り替える能力があったのだ。
以来Bは知らなかったが、Aはずっと亡きB母と同じ容貌のBを見守ってきた。
Bの依頼を受け、AはBの女性器を一時的に封鎖する。
そして田沼は思惑通りBを片輪の娘と勘違いし、何もせず(出来ず)に実家に送り返した。
無事清い体のまま嫁ぎ、やがて順調に身籠ったBだが新たなる問題が出てきた。
Bの夫Cは田沼の部下に当たり、ある時田沼はCの新妻があのBだと知る。
遠回しに「Bとはセックル出来てないんじゃないの?w」と尋ねる田沼は
事情を知らないCは嫁は健康体であること、現在妊娠中であることを聞かされる。
そこで初めてBに謀られたと気付いた田沼は激怒しCを徹底的にいびる。
だんだん弱っていくCだが、Bの為、そして生まれてくる子のために気丈に振る舞う。
Bは自分の我儘が夫を苦しめる結果になったと居たたまれなくなり、
もうCが我慢しなくていいよう思い切らせるある依頼をAにする。
そして迎えた出産の日、生まれた子どもは顔面に田沼家の七曜の紋と同じ位置に目がついた化け物だった。
それを見たCは遂に精神の限界に達し、田沼に切り付けてしまう。
当然Cは切腹・お家断絶、Bも後を追い自害、そして傍でAも腹を切っていたのだった。


293 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/12(金) 15:28:28.07
普通にバッドエンドであって後味は悪くないな

山田風太郎はとんでも忍法で笑わせてからさくっと全滅するので引きずらない
いっそすがすがしい

 

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