暴れん坊将軍 III/第55話「菊乱れる非情の剣」

133 名前:1/3 :2012/11/10(土) 18:09:33.21
暴れん坊将軍、割と初期の話。
 
江戸の町に、麻衛門という武士がいた。(漢字は朝だったかもしれん)
その武士はいわゆる死刑執行人であり、斬首刑となった罪人の首をはねる仕事をしていた。
そのため、江戸の庶民からは「人斬り麻」とよばれ、恐れられていた。
 
さて、その麻衛門だが娘が一人いたのだけれど、一人娘であるため、
麻衛門唯一の弟子の許婚として家を継がなければならない立場。
しかし、麻衛門が過去に首を切った罪人の親族(確か兄弟)に逆恨みで乱暴されてしまう。
だが、事が終わった後、あろうことか「これっきりにしないで下さい」と、
その乱暴した男に言うのだった。

娘は死刑執行人の父を嫌っており、その父への嫌がらせ、反抗として、
自分の体を下賎な男に好きなようにさせるのだった。


134 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/10(土) 18:10:24.17
やがて、事は麻衛門の知ることとなる。麻衛門自身、娘が自分を嫌っているのは知っていたが、
死刑執行人は天下の定法を守るための大切な仕事と、悩みながらも続けていたのだった。
そして、前述した唯一の弟子が、娘の居場所を突き止め説得し、屋敷へ連れ帰そうとする。
父の悩み、思いを知り、その説得に耳を貸そうとした娘だが、その矢先に弟子は、
男に短刀で刺されてしまう。最後の瞬間まで麻衛門と娘を案じていた弟子だったが、あえなく絶命する。

後は定番の上様が成敗して終わりなんだが、その後娘は自殺しようとするが上様に止められ、
「父とやり直せ」との上様の言葉により麻衛門と二人、旅に出るのだった。


135 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/10(土) 18:11:02.13
何が後味悪いって、散々迷惑かけて弟子も刺し殺されてるってのに、
その弟子には娘も上様も一切言及しないんだわ。
普通「○○の菩提を弔ってやれ」とか言うんだけど、それも無し。

ちなみにこの麻衛門、後に江戸に返ってきて準レギュラーになるんだけど、
その際、この娘が旅先で商家に見初められ、結婚したことがわかる。

師匠とその娘をしたい、死刑執行人という汚れ仕事をする覚悟を決めておきながら、
娘の身勝手に振り回された挙句刺し殺され、しかも当の娘本人はしっかり幸せになってるという……
なんだかなぁ、と思った。