森を壊した男(高港基資)

590本当にあった怖い名無し:2014/02/12(水) 00:36:22.48
「くしゃみ」

何かの漫画で読んだ話。
主人公は建設会社の社長である。最近くしゃみに悩まされていた。
会社の会議中はもちろん、食事中、睡眠時間でもくしゃみは治まらず、
精神的にも参ってしまっていた。

食事中、食べ物を口に運ぼうとする。しかし
「ハーックション!!」
口に入れかけた食べ物を盛大に撒き散らす。
「きったな~い私ご飯いらない」
ゴミを見るような目で主人公を睨み付けた娘が部屋に戻る。
「あなた、大丈夫?」
主人公の妻が心配そうに声を掛ける。
「森の伐採計画は大丈夫そうですか?」

実は主人公は大規模な森林伐採を行う工事を計画していた。
森林を破壊し、その上に新しい土地を作ろうというわけだ。
「あそこの森は私が子供の頃からあったものでね。
 そこでよくかくれんぼなんかをして遊んだの。
 その時にね、森の奥からお~いって声が聞こえたような気がしたの。
 子供の頃の話だからあれだけど今でもね、あの森は何か神秘的な感じがするのよ」
「くだらん、早く薬を出せ」


591本当にあった怖い名無し:2014/02/12(水) 00:50:51.88
くしゃみのせいで食事は出来ないので点滴で栄養を取るしかなく
睡眠を取る事も出来ないため完全に寝不足となり、
病院のベッドで寝たきりの状態となった主人公

「ひどい花粉症があったものですな」
会社の役員も心配の声を掛ける。
すると医者が
「いえ、ここまでひどいのは花粉症ではありません。
 強力な薬を投与したのですがそれも効き目がない。
 後は鼻への外科的処置しかないのですがそんなの前例がない」

度重なる疲労についに精神的に参った主人公は
果物ナイフで鼻をそぎ落としてしまった。
顔面血だらけの主人公。
唖然とする医師、幹部、そして妻
「ハーッハッハwwwどうらくしゃみめww、これで出て来れないらろw
 ブ・・・ブエーックション!!!」
そぎ落とされた部分からくしゃみと共に大量の血が噴出す。
「そ・・・そんなバカら・・・」

「あなたお願い、工事を辞めて!今すぐ工事を辞めるの」
「し・・・しかし・・・」
「止めるの!!あなただってもう原因が何か分かっているでしょう?」

主人公は小さくうなづいた


592 本当にあった怖い名無し:2014/02/12(水) 00:55:02.62
森林の伐採計画は取り辞めとなった。
それどころか大規模な植え込みまで行われた。

「あなた、もう大丈夫。森があなたを許してくれたのよ」
「そうなのか?」
「きっとそうよ」

「あなた、どうしたの?」
「あぁ、目がかゆくてな」
「あなた・・・・」
「かゆいぃ・・・」
「あなた!!!」

「かゆいぃぃぃぃぃぃぃっぃぃぃ!!!!!」

「終」


594 本当にあった怖い名無し:2014/02/12(水) 03:05:17.81
>>592
久々にゾッとしたわ…ありがとよ

この話って結局許されなかったってことなのかな


723 本当にあった怖い名無し:2014/02/16(日) 12:03:19.75
>>590
遅くなってすまんが、
正確なタイトルは高港基資の「森を壊した男」だな。

まとめサイトにも「千人針」ってのが載ってる。
この作者の漫画はガチで理不尽系の後味悪い話だ。

 

恐之本 2―高港基資ホラー傑作選集 (SGコミックス)
恐之本 2―高港基資ホラー傑作選集
(SGコミックス)