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395 名前:ボトルネック :2009/10/17(土) 01:40:44
「ボトルネック」 米澤穂信

主人公は高校生の少年。
少年は2年前に転落死した恋人を弔うため東尋坊に来ていた。
その時母親から、数ヶ月前に事故にあい、意識不明だった兄が息を引き取ったとの連絡があった。
通夜に間に合うようにと、少年は早々に海に花を投げ込もうとする。
強風の中に恋人の声が聞こえた気がした時、少年は強い目眩を感じて意識を失う。

少年は何故か、家の近くの公園のベンチで意識を取り戻した。
困惑しつつも家に帰ると、そこには見知らぬ少女がいてここは私の家だと言う。
噛み合ない二人の会話から分かった事は、ここは少年がいた世界とは別の場所らしいという事だった。
少年が生まれる2年前に流産した女の子。それが今、少年の目の前にいる少女だった。
両親は子供を2人と決めていたらしく、この姉が生まれた世界では少年は存在しないのだ。
少年と少女が入れ替わった、似てはいるが少しずつ異なる世界。
明るく好奇心旺盛な少女は、少年に二つの世界の間違い探しをしようと言い出す。
「間違い探し」この言葉に少年は少し抵抗を感じるものの、二人は行動を共にする。


396 名前:ボトルネック :2009/10/17(土) 01:41:47
少年の両親にはお互いに恋人がいて、ただ世間体のために離婚はしないという状態で、
特に少年と母親との関係は完全に冷えきったものだったが、
少女の両親は、子供を置いて二人で旅行に出かけるほど仲が良かった。
それは二人に起こった共通の出来事、その時にとった異なる二人の行動の結果だった。

少年の世界では潰れているアクセサリーショップは、こちらでは繁盛している。
脳卒中で倒れて寝たきりだった筈のうどん屋のおじさんが元気でいる。
こちらの世界では兄は死んではおらず、それらの違いに少しずつ少女が関わっているようだった。
「間違い探し・・・」
少年はついに、死んだ筈の恋人に出会う。
彼女はまるで少女の事を姉のように慕い、少年の世界では考えられないほど明るく元気だった。
そして勘の良い少女は少年との会話で、どうやら恋人の死に彼女の従妹が関わっているらしい事に
気付くと、起こるかもしれない悲劇を未然に防ぐ。


397 名前:ボトルネック :2009/10/17(土) 01:43:02
「ボトルネック」瓶の首は細く、水の流れを妨げる。
全体の向上のためボトルネックは排除されなくてはならない。

少女の世界は何もかも、少年の世界よりもうまくいっていて皆幸せそうだった。
ひどく落ち込む少年に、少女は「キミはなにも悪くない」と慰めるが、
自らの存在に絶望した少年は、小さな声で「もう、生きたくない」と呟く。
その時、また死んだ恋人の声が聞こえたような気がして、強い目眩に襲われる。

気づいた時、少年は夜の東尋坊にいた。どうやら元の世界に戻ってきたようだ。
目の前の真っ暗な海と、家に帰るための曲がりくねった暗い道。
少年はそのどちらにも進めず一人佇む。
その時、携帯電話が鳴る。兄の通夜に顔を出さない少年に対して母親からのメールだった。
「恥をかかせるならもう二度と帰ってこなくて構いません」。

                                      以上


398 名前:ボトルネック :2009/10/17(土) 01:46:56
なんと言うか、少年は無気力で消極的な性格ではあるんですが
少女の言う通り何も悪くないんですよね。
平凡な少年がとことん存在否定されていく所が後味悪いかなと・・・

399 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/17(土) 02:47:52
>>395-398
乙。1つのボタンの掛け違いで全てが狂っていく感じが、とても後味悪い
少年と母親がどうして冷え切ってしまったのかが気になった

「無気力で消極的」って、何も悪くないのかもしれないけど、何も良くはないってことだろうか
行動すべき時に自発的にそうしなかったとか。原作を読んでないし、一概には言えないけどさ


411 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/17(土) 08:26:29
>>398
無気力で消極的であること自体が悪いだろう

 

ボトルネック (新潮文庫)
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