ホーム » 小説 » 小説/ま行 » マゼンタ色の黄昏(榛名しおり)

10 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/14(月) 10:41:26
昔の少女向けラノベ「マゼンタ色の黄昏」。
この話は作者のデビュー作「マリア」の前章になる作品。
ハプスブルクの架空の皇女エルザは、優しい母と姉と家臣たちと静かに暮らしていたが
姉が馬番の青年と駆け落ちに失敗したことから運命が激変する。
青年を殺された姉は発狂し、幽閉中病死(母が手に掛けた可能性が高い)。
母はエルザにハプスブルクの女として恥ずかしくないよう振舞えと、涙ながらに語る。

13歳になったエルザは60過ぎの公爵へ嫁がされた。
公爵の治める国はカトリックとプロテスタントの割合が半々で、河川貿易の重要拠点でもあり
老公がエルザに一目惚れしたのを、カトリック勢力増大の機会とみた皇帝の命令だった。
公国へ到着したその晩、式も挙げていないのに無理やり寝所へ連れ込まれるエルザ。
しかしハプスブルクの女として、夫を愛せないのは母に申し訳ない。
必死に耐え式に臨むが、嫁いできたエルザに淡い恋心を抱いた宰相の息子フランツは
やり切れない思いを抱いていた。

それはエルザも同じで、エルザを思いながら夜の庭園を散策し薔薇に触れては帰る
フランツがいなくなった後に、庭園へ現れ薔薇を摘む。
摘んだ薔薇をポプリにしてカモフラージュに侍女たちへプレゼントする。
そんなやりとり?が何年も続いた。

エルザは何とかして夫を愛そうと努力した。
政治面でも元々実家で受けていた教育も手伝って夫に助言できる立場にもなった。
というか夫は酒乱で女好きなので、エルザが代わりに公務を行わなければならなくなった。
それでも夫は彼女を慰み者程度にしか思わず、気に入らなければ折檻を加える。
何度もエルザは帰りたいと思うのだが、実家のハプスブルクに泣きつけば皇帝である父が
戦争を仕掛ける口実を作ってしまう。


11 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/14(月) 10:55:40
ハプスブルクの女として、と母が繰り返し語った言葉を胸にエルザは耐える。
夫と愛し合い沢山の子供を産んで絆を作らなくてはいけない。
エルザは嫁いで翌年に女児、次の年に男児を産んでいるのだが
それでも夫と分かり合えないのが辛かった。
一方、宰相の息子フランツはエルザへの恋心を父や友人に見抜かれ、
他の女性と結婚させられ他国へ留学させられていた。

帰国してから城内にエルザの姿がないのを見て探し回ると、何故か地下牢に幽閉されている。
癇癪持ちの公爵の仕業だ。
エルザを保護してから、フランツ以外の家臣たちも共謀し今度は公爵を幽閉する。
酒乱で女好き、政治にやる気のない公爵より、
若く美しい努力家のハプスブルク皇女を彼らは選んだのだ。

そうして10数年が過ぎた。
エルザとフランツは公爵夫人と宰相の距離を保ち続ける。
エルザの産んだ息子と、フランツがエルザの侍女で親友でもある女性との間に儲けた娘が
恋仲になり、自分達の叶わぬ恋が違う形で成就するのをエルザは内心心待ちにしていた。
しかしハプスブルクではなく別の国から戦を仕掛けられ、城はあっけなく陥落。
エルザはどさくさに紛れて脱出した老公に刺殺され、フランツは敵に捕まり処刑されてしまった。

エルザの忍耐と努力は全くの無駄だった……


12 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/14(月) 10:59:26
補足すると、フランツとエルザの親友の間に生まれた娘がデビュー作のヒロイン。

エルザの産んだ息子は国が滅んでから逃亡生活の間に性格が歪み、別の男を愛するようになった
フランツの娘を拉致って指輪のはまった左手薬指を切り落とすようなキチに成り果てていた。
フランツの娘はその後救出されて、側室ではあるが愛する男の下で過ごすようになり子供を産んで
あっけなく死んだ。


14 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/14(月) 12:27:12
つまりデビュー作からしてヒロインが
指切り落とされるわ日陰の身になるわお産で死ぬわと
少女向けラノベとは思えない薄幸な人生を送るわけか。

15 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/14(月) 13:22:52
作者の理想のヒロイン像は薄幸と不幸の連鎖なんだろうな
そういう話が大好きなんだろう

16 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/14(月) 17:19:27
エルザの母親-エルザの姉-エルザの息子
が性格異常なのね。
遺伝って恐ろしい。

33 名前:本当にあった怖い名無し :2009/12/15(火) 15:17:42
>>10
なんとなく興味がでてその作者の作品のあらすじとか見てみたんだけど
ジャンルが悲劇なんじゃないかと思った
ギリシア悲劇のオイディプスやシェークスピアのロミジュリみたいに

特にそのマゼンタ-とか、ダンテの神曲に出てくる風の中をさまよう悲恋の恋人たちを思わせる展開だし
後味悪くなっちゃったというより普通に悲恋目指して書いてるみたいなので
ある意味すっきりしてる


後味悪い
(後味悪ければクリック)
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