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216 名前:本当にあった怖い名無し :2010/04/27(火) 12:35:08
きっと別役実の話。

ある街で、それはそれは大規模な工事が行われていた。
何か建物を建てている訳ではなく、ひたすら大きな穴を掘るというもの。
大規模な穴掘りは100年近く(うろ覚え)行われており、住民達は日々巨大な穴を掘り続けていた。
だが、住民はおろか役所の人間でさえも、誰1人として何の為に穴を掘っているか分からなかった。
一体何の目的で穴を掘っているのだろう。
疑問に思っても、父や祖父の代から行われてきたこの工事を、今更辞める訳にもいかなかった。
ある日、とうとう穴が完成する。歓声を上げる住民達。
街は歓喜に包まれ、数日間の祝祭も開かれる。そして誰もが思っていた。
あの穴は一体何に使うのだろう?

一方市役所でも、これまた盛り上がっていた。
市長代々受け継がれてきた、手紙が開封される時が来たのだ。
手紙は穴掘りが開始された当時の市長が、後任の市長たちに託したものだった。
これに穴掘りの目的は書いてある、穴が完成するまで絶対にあけてはならない、と。
wktkしながら市長が手紙を開封し、読んでみると市長は愕然とする。
手紙にはこう書かれていた。
「穴が完成したらば、直ちに穴を埋める工事を開始せよ。こうでもしないと住民は怠け
活気のない街と化してしまうだろう」と…。

 

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