不明

261 名前:本当にあった怖い名無し :2010/04/30(金) 21:39:31
昔病院で読んだ漫画。タイトルは『桜』とかそんな感じ。
内容はウロだけど内容は繋がるようにしてある

主人公の女の子は警察官の父親に厳しく育てられた。
特に父親は嘘と言うものが大嫌いで、
どんな些細な嘘でも幼い娘の顔を変形するぐらいにボコボコに殴っていた。
高校生になった主人公は小さな嘘さえつけないよく言えばまじめで悪く言えば馬鹿正直な性格になり、
遅刻の言い訳すら出来ずに廊下に立たされたりしていた。
けど心根は優しい主人公のクラスには、家が貧乏でチビデブスな女の子ボサ子がいた。
容姿やら家庭環境やらで何かといじめられるボサ子をかばったのが縁で仲良くなり、
色違いのシャーペンをおそろで持ったりしているうちいつしかボサ子には
『ずっと親友でいましょうね』といわれるまでの仲になっていた。

そんな主人公はある日写生の時間に近所の公園でモチーフを見つけるべくうろうろしていた。
そこで何故か前から走ってきたボサ子とぶつかる。
何なんだろうと思っているうちに、ベンチで居眠りしていたおっさんが
財布から五千円抜き取られたと騒いでいる現場に遭遇した。
そこに現れたのが主人公が兼ねてから憧れていたクラスメイトのイケメン。
おっさんから素早く事情を聞いたイケメンは犯人がまだ近くにいるかもと推測し、
そばにいた主人公に不審な人物は見なかったかと聞いてきた。

真面目で晩生なせいでイケメンを影から見つめるだけだった主人公はそれだけで天にも昇る気持ちになり、
何とか接点を持ちたいと思う余りに見てもいない犯人を見たかも、と嘘をついてしまう。
おまけに犯人の特徴を聞いてくるイケメンに、どうせ逃げてるだろうしと架空の犯人の説明を始める主人公。
その情報を元におっさんや近所の人、他のクラスメイト総出で犯人を探すうち、
茂みに隠れていたボサ子が引きずり出されてきた。
主人公は直前に見たボサ子の特徴を無意識に羅列してしまっており、
当然ながら該当するのはボサ子ただ一人。日頃から警察官の娘で真面目一徹な主人公の発言は完全に信じられてしまい、
ボサ子はクラスメイトにリンチされ警察に連れて行かれてしまう。とんでもない事をしてしまったとおびえる主人公。


262 名前:本当にあった怖い名無し :2010/04/30(金) 21:41:25
ボサ子は証拠不十分で釈放されてくるも、
一度ついた泥棒の汚名は消えず町中で後ろ指さされるようになってしまう。
一方主人公は勇気ある行動をしたと讃えられ、
厳しい父親からも誉められイケメンも積極的に話しかけてくれるようになった上に
どうにも主人公が気になっているような素振りまで見せ始めた。
当然ボサ子との接点は切れてしまっている。主人公は今更嘘ですとは言えず、良心の呵責に悶える。

ある時、主人公の住む町で老婆の死体が発見される。
包丁で何度も刺されて惨殺された老婆の家からは箪笥貯金の300万円が消えており、警察は血眼で捜査をしていた。
父親経由で老婆の死亡推定時刻がボサ子の泥棒騒ぎの頃合だと知り嫌な予感を覚える主人公。
老婆の家は泥棒騒ぎが起きた公園のすぐ近くにある。

それから数日後、体育のときに忘れ物をした主人公が教室へ戻るとそこにはイケメンがいた。
しかしイケメンはクラスメイトの財布から金を抜き取っており、
おまけに『どうせボサ子が罪をかぶってくれるさ』とニヤニヤ笑っていた。
つまりおっさんから金を取ったのはイケメンであり、
主人公はイケメンの悪事の片棒を担いでしまっていたのだった。
イケメンの罪に恐れを抱き、ボサ子にとんでもない事をしてしまったと悔やむ主人公。
せめてボサ子にだけは謝ろうと下校途中のボサ子を追いかけて話し掛けようとするが、
ボサ子は何故か公園の茂みへと入っていく。
そっと影から覗いてみると、ボサ子は地面から大量の札束を掘り返しほくそ笑んでいた。

つまり老婆を殺して金を盗んだのは実はボサ子だったのだが、
ボサ子は主人公の嘘を利用し五千円の盗難の罪を被る事で老婆殺しの容疑者から完全に外れてしまっていたのだ。
混乱する主人公。頼れるはずのイケメンは泥棒。罪をかぶせたボサ子は殺人者。
そして両方のアリバイを成立させてしまったのは他ならぬ自分。
二人の罪を告発すれば自分の嘘もばれ、自分もまた糾弾されるだろう。どうすればいい、一体どうすれば――!?
というモノローグで終わり。

タイトルの桜は
『桜って嫌いよ、花びらが五枚ある振りをしてがくでみんな繋がってるんだもの』
って主人公の台詞から来ている。
何となく人が信じられなくなる漫画だった。


263 名前:本当にあった怖い名無し :2010/04/30(金) 22:20:56
うわぁ、良く出来た話かつ良く出来た後味悪さだなぁ。