ホーム » 小説 » 小説/た行 » てんびんばかり(宮部みゆき)

842 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/12(土) 13:54:08
宮部みゆきは後味悪い話が多い。

江戸物。元は仲の良いお隣同士だった家族が、家事や災害、病気などで
両親達が死んでいき、娘同士だけになってしまった。
二人は一緒に住んで「いつか二人で飯屋をやろうね」と姉妹として貧しいながらも暮らしていた。
ところが突然、いつも主人公の「姉」の背後に隠れてもじもじしているような
内気な「妹」の方が、老舗の大店の主人に見初められて後添いにと望まれる。
そこで「妹」が一言でも「私だけ幸せになんてなれない」のようなことを言っていたら
主人公は「バカ言ってんじゃないよ!」と心から祝福して送り出せたのに
「妹」は突然の幸運にぽーっと浮かれて舞い上がったまま。
大店ではやもめ主人の突然の再婚で大もめ。「身内がいたら困るんだ」と
主人公の「姉」は二度と彼女に近付くな、まで言われるのに、
「妹」はぼーっと浮かれたままはしゃいで嫁いで行ってしまい
お祝いに配られた紅白餅を、主人公の「姉」はただ置きっぱなしにして
カビだらけになるまでそのまま見ていただけだった。
貧しい暮らしで、食べ物を粗末にしたことなどなかったのに「姉」は餅を捨ててしまった。

しばらくして、長屋の差配人の所に「妹」が遊びに来た。主人公はそれを聞きながら
仕事が忙しい、とあえて帰らなかった。
夜になって差配さんに呼ばれて行くと、「妹」が妊娠したのだが、それは旦那の子ではなく
店の使用人の子供であることを相談されたのだと聞かされる。
その夜から、主人公は自分が大店に乗り込んでいって、「妹」の旦那である主人に
「子供はあんたの子じゃない」と告げ口して高笑いをする醜い自分の夢を見続ける。

勤め先の蕎麦屋の弟子が独立することになり、主人公は「一緒に来て欲しい」と求婚され
条件に「ここから遠い場所に店を構えてくれるなら」と承諾する。
「妹」は結局嫁ぎ先に自分の居場所がないことに気付いて、店の使用人と浮気。
でもそのまま偽って生きていくのだろう。
そして主人公は醜い自分の心を実現しないように遠くの場所へ行こうとする。

なんだか誰も救われてないのに、いい話っぽく終わるのが後味悪い。


845 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/12(土) 14:44:08
>>842
それ読んだ時女の嫌な部分を凝縮したような話だなと思った。
宮部ってこういうなんか嫌な女キャラ書くの上手いっつうか
じとーっと嫌な気分になる話多いよね。

846 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/12(土) 17:53:20
>>842こう両方の気持ちがわかる後味悪い話好きだ
感じ方は人によると思うけど
片方だけ感情移入できたり悪い話は後味悪く感じないんだよ

 

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