ケダモノの唄(楠桂)

768 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/06(月) 11:14:38
雑誌に載ってた楠桂の漫画が後味悪かったなー。話も欝展開だったけど。

とある女子高の話。
少女Aが何者かにレイープされた後に放置されているところを、クラスメートBが救出する。
これをきっかけにAとBは仲良くなる。そのまま数ヶ月経つが、Aは相変わらず精神科に通い薬が手放せない。
A曰く、レイプ現場に出向くことでトラウマを克服できるかもしれない、
しかし逆効果も充分有り得ると医者が言っていたという。
リハビリが必要だと感じたBは克服に賭け、Aの襲われた現場に無理矢理連れて行く。
そこで2人は何者かの襲撃に遭い、結果Bは殺害されてしまう。
同じ現場でレイプと殺人が起き、どちらの現場にも出くわしていたAが取調べを受けるが
Aはショックで両方の事件当時の犯人の顔がどうしても思いだせず、潜んでいた通り魔の仕業だとされた。
立て続けの事件で学校中が騒然となった数日後、AとBのクラスに1人の少女Cが転校してきた。
クラスメート達は驚いた。CはBに生き写しだったのだ。
Bの死に嘆き悲しんでいたAだが、CにBを重ねてしまい、そして同じように仲良くなった。
性格こそ全く違うが、顔も声もBに瓜二つの転校生、教室は死んだBが生き返ったかのような空気になっていた。
その空気に動揺している7人グループがいた。

ある日、AはCの家に遊びに行きたいと言い出した。
まだ引っ越してきたばかりで片付いていないから、と断るCだがAは
このままだと、一生CをBだと見てしまうかもしれない。
違う人間だということを自分に言い聞かさなければいけない、どうしても行きたいのだという。
Cは観念してAを家に誘う。Cの家を見てAは驚愕した。何とCの家はBの家だったのだ。
驚くAにCは告白する。自分とBは双子の姉妹だということ、
両親が離婚し、Bは母に、Cは父に引き取られて離れ離れで暮らしていたこと。
Bを失った悲しみのあまり、CをBだと思い込んでしまった母と一緒に暮らしていること。
そして、Bの復讐のためにこの地にやってきて、自分なりに事件を調べているということ。
衝撃の事実を告白されAは驚くが、Bを失った悲しみを共有しあえる、と2人の絆は深まった。


769 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/06(月) 11:15:30
翌日、Cは一部のクラスメートから突然嫌がらせに遭う。
その相手は、Cの登場で動揺していた7人グループだった。
グループのリーダー格Dが、AとCの会話をこっそり聞いており、
Cの転校してきた目的をグループ内に言いふらしたのだった。
「復讐なんてダサイ」「ありえない」と言葉の暴力から始まり、グループはCへの攻撃を開始するが、
Cはへこたれずに事件の真実を突き止めようとしていた。
調べていく中で、Bは7人からいじめのようなものを受けていたことが分かり、憤慨するC。
なぜ顔の同じ自分までもいじめられるのか、
もしかして、Bは何か恨まれるようなことをしたのではないか、と考えるようになる。

一方いじめグループは、事件に首を突っ込んでいるCを見て、さすがにヤバいのではないかと慌てだす。
そう、通り魔なんて存在しなかった。Bを殺害したのはこの7人だったのだ。
最初に刺したのはDだった。
全員から止められるもDが初めに刺し、頑なに拒否するメンバーには
「あんたは既に共犯」と、揉めながらも7人で1回ずつBの体を刺したのだ。
グループは、いわゆるいじめることでまとまってるような奴らだったが、既に内部はほぼ分解状態だった。
Bを殺してしまったという事実に耐え切れず、それぞれ精神を患ってしまっていたのだった。
1人は、ショックのあまり事件当時の記憶をなくしてしまい、存在のしない通り魔の幻覚まで見るようになってしまった。
他のメンバーも虚言癖があったり、上手く話せなくなったり、鬱状態になったりしていた。
だが今更事件の真相なんて言えない。DはCを学校から追い出すため、徹底的にいじめ抜くことを誓う。
しかし罪の意識に苛まれ続けたメンバー達の我慢も限界だった。
1人は過食症、1人は糖質、何かもうほとんどが精神病みたいになっていて転校したり病院送りになる。
完全にメンバー達が崩壊していく中、残った1人1人を問い詰めていくC。
パニックになった1人が、Bをみんなで刺したことを口走ってしまう。Cの怒りは頂点に達した。
通り魔なんてどこにもいなかった、やったのはこいつらだったのだ。リーダーDを問い詰めるため、Dと対峙するC。
Bを自分達が殺したことを知ったCを前にして、Dは叫ぶ。全てAのせいだ、Aが悪いんだと。
どういうことだと目の色を変えるC。


771 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/06(月) 11:17:39
ことの始まりは、Aの噂だった。Aは美少女だったが友人も少なく、大人しいタイプだったので
援交してるとかヤリマンだとかいう噂が流れていた。勿論Aは身に覚えがないので困惑。
この噂に目をつけたD達一行。Aを仲間に引き込もうと声を掛けるが、普段からDを良く思っていなかったAは拒否。
そこにたまたま他校の男子が通りかかり、D達7人を注意した。大人数で囲まれてるAがいじめられていると思ったのだ。
「ブスの嫉妬って怖い~w」みたいにからかわれたD達は、翌日から実際にAをいじめだした。
いじめはだんだんエスカレートし、Aを全裸にしてマソコに何か突っ込んでやろうということにまでなった。
そして現場にAを呼び出し、7人がかりでAを押さえつけ、たくさんの棒を取り出した…
それが、Aのレイプ事件だったのだ―。Cは激昂しDに襲い掛かるが、Cは持っていたナイフを振りかざす。
刺されるすんでのところで、Aが助けに入る。CをかばったAは負傷。Dはうろたえながら
「AがBを刺せって言ったくせに!」と叫んでその場から逃げ出してしまう。
Dの言葉を聞いたCは動揺。Aにどういうことなのか問いただす。

Aは話し出した。
レイプ事件のせいでAの子宮は破壊され、一生妊娠できない体になってしまった。
D達は、こんなつもりじゃなかった…とうろたえるが、大人しいAもさすがに責任を取ってくれ!とブチギレた。
病院へ謝りに来た7人に命令をした。責任取れないのなら、
この事件の全貌を誰にも言わない代わりに、7人の中でいじめ合いをしろと。
自分がこうなったのだから、お前らも同じ苦しみを味わうべきだと。
反対するDだが、でなければAは全てバラしてやるという。D達はAに従った。
数日ずつ交代で、1人がいじめられ役になり、他の6人で徹底していじめ抜くのだ。
子宮破壊こそなかったが、律儀にそれは何ヶ月も行われた。
Aは幸せだった。D達は自分にひれ伏し、Bという親友も手に入れたのだ。


772 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/06(月) 11:20:07
長くてごめん、ラスト
ある日、AとBが談笑している近くで、D達は命令されたグループ内いじめをやっていた。
Aは内心ニヤニヤしながら見ていたのだが、
正義感の強いBは目の前で行われているいじめに耐えかねて、いじめられ役を助けてしまう。
Aは愕然とした。Bが自分の一番だと思っていたのに、Bは自分の目の前で自分をいじめた奴らを助けたのだ。
自分があの子の一番じゃないと嫌だ。自分を一番に見て欲しい。そうでないと、こんなの許せない。
Aは考えた。Bが自分と同じように痛い思いをすれば、きっと自分の気持ちを分かってくれる。
そしてDに命令した。Bを刺せと。
こうすれば、自分が痛くて辛い思いをしているBを助けてやることが出来る、そして自分だけを見てくれるはずだ。
私がそうだったように。

そして、レイプ現場にBを呼び出し、あとはD達に任せていた。
D達が去った後、さぁ助けようとBの元に駆けつけたA。
時は既に遅かった。7人から刺されたBは息絶えていた。絶望したAは更にD達を憎むようになった。
そこに現れたのが、転校してきたCだった。Bに生き写しのCに、BをダブらせていたAは考えた。
D達への復讐は終わらない、そしてCを自分のものにしたい、と。
再びAはDへ、Cをいじめるように命令した。レイプに加え殺人を公にされることを恐れたD達は、再びAに従った。
自分達の殺した相手と同じ顔の人間を再びいじめる…精神的負担はハンパないだろう。
Aの思ったとおりグループは崩壊した。全てはAの目論見どおりだったのだ。
D達は大人しくなるだろうし、自分にはCがいてくれる。
真実を告白し、これからも2人でBを偲んでいこうと寄り添うAをCは拒絶し、お前が一番最低だと罵声を浴びせる。
Cの言葉にをショックを受けたAは、衝動的に屋上から飛び降りてしまう。
それを見て瞬時に冷静になったC,間一髪のところでAを救出することに成功する。
自分がいるから一緒にやり直していこう、と言葉を掛けるが
Aの口から出てきたのは「ありがとう、B」という言葉だった。
自分はBじゃない、Cだと説明するが、Aは
「C?だれそれ?貴女はBでしょう?」「私何で飛び降りようとしたのかな?」「Bが助けてくれたんだね!B大好き!」

Cが呆然としながら、Aに抱きつかれてEND

 

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