ホーム » 小説 » 小説/や行 » 屋根裏部屋の花たち(V.C. アンドリュース)

34 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/17(金) 19:18:15
屋根裏部屋の花たちという小説

外国が舞台で、主人公は両親と兄、弟妹(双子)と共に暮らすごく普通の12歳ぐらいの少女。
少女の夢はバレリーナになる事、2歳ぐらい年上の兄は医者志望、弟妹はやっと言葉が話せるぐらいの年。
一家は幸せな日々を送っていたが、突然の事故で父が死んでしまった。
母は働く事を知らないし、けっこう時代が昔なので保険制度とかもあまりなかったのか一家はすぐに貧乏になった。
家具が次々と売られて減っていく中で、母は毎日のようにせっせと誰かに向けて手紙を書くようになった。
ある時、一通の手紙が返ってきた。母はそれを読んでひとしきり泣いた後、
家を売って自分の実家に身をよせようと子供たちに言った。

子供たちは祖父母に一度も会った事がなく不安だったし、
出発を急かされて友人たちに挨拶すらできなかったのが心残りだったが、
それでも母に連れられて遠い街へと旅立つ事になった。

母の実家は豪邸だった。お金持ちになれるのねと少女は喜んだが、母は難しい顔をしていた。
何故か正面からではなく裏口のようなところから入り、子供たちは初めて祖母と顔をあわせた。
祖母は歓迎とは程遠い忌々しそうな目で子供たちを見た。
まともな挨拶も交わせないまま、人目を遠ざけるように子供たちは屋敷のはずれの、外に鍵のついた部屋へと押し込められた。
母は不安がる子供たちに事情を説明する。
父母は結婚を反対されていた仲で、駆け落ちして結ばれたという。
祖父母はいまだにその事を根に持っているのだという。
特に娘を溺愛していた祖父の憎しみは激しく、母は夫との間に子が出来た事を伝えられていなかった。
がんばって祖父の機嫌をとった末には子供の事も打ち明け、必ず部屋から出してあげるから、
それまでは姿を隠し、部屋にとじこもっていてくれと母は子供たちに頼んだ。
子供たちは母を信じて、部屋に閉じこもる事を承諾した。

部屋は広く、バス・トイレつきだった。食事は一日一回、しかめっ面のままで祖母が三食分を運んでくる。
あまり暴れまわると響いて使用人たちに気づかれる恐れがあるからと、激しく遊ぶ時は屋根裏部屋でやるよう指示をされた。


35 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/17(金) 19:19:47
祖母は聖書の暗証や、厳しい規律などを要求し息苦しい日々だったが、
子供たちは部屋にもとからあった書物を読んだり、
屋根裏部屋を手作りの紙の花びらで飾ったりして、毎日を少しでも良い物にしようと務めた。

母は毎日子供たちのもとを訪れ、たくさんの贈り物と共に、もうじき出してあげるからと詫びの言葉を向けた。
しかし数カ月がすぎるうち、母が部屋を訪れるペースは減っていった。
たまにやってくる母は、どんどん煌びやかになっていき、いかにもお金持ちの令嬢といった風に見えた。
子供たちも与えられる服だけは高価なものだったが、
外に出られないストレスは大きく、弟妹は特に見るからに覇気を失っていった。

一年ぐらいすぎ、少女は二次性徴を迎えどんどん女性らしい体つきになっていった。
兄も立派な男性になっていた。一方で、弟妹の背はさっぱり伸びなかった。
顔立ちはきれいだが、顔だけが妙に大きいようなアンバランスな体型に育ち、
外に出られない異常な環境が、まだ幼い弟妹に甚大な悪影響を与えたのではと兄は推測した。
母は思い出したように時々高価な贈り物を持ってくるだけの存在になっていた。
以前は母がくるたびにしがみついていた弟妹は、いつの間にか母をよその人を見るような目で見るようになった。

少女は母をもう見限っていた。母は金持ち令嬢としての楽しみを優先して自分たちへの愛情を失ってしまったと。
部屋の窓は高い位置にあったが、心身の発達してきた少女と兄なら、弟妹を抱えて脱出する事は可能だった。
弟妹は高いところを怖がり嫌がるが、無理にでも脱出しようと少女は兄に提案する。
だが兄は、子供たちだけで脱出したところで暮らしていけないと却下する。
兄はまだ母を信じていた。いつか祖父との話がついたら自分たちはお金持ちの家の子供として暮らせるし、
ちゃんとした教育を受けて、バレリーナや医者を目指せると考えていた。
子供たちはまたしばらくの時を部屋のなかですごした。


36 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/17(金) 19:22:28
少女は半裸でいた時、兄が体を凝視している事に気づいた。
目をあわせた瞬間に、少女は兄に男を意識し、見つめあったまま固まってしまった。
二人は閉じ込められるようになってからの長い間、互い以外の同世代の異性を見ていなかった。
見つめ合っているところに現れた祖母は、事後だと勘違いしたのか盛大に怒りだした。
いつかこうなると思っていた、お前たちの親と同じ事を繰り返すはずだと、と祖母は言う。

曾祖父は好色な人物だった。
彼は祖父以外にも、愛人との間に恥かきっ子をつくっていた。それが少女の父だった。
年の差はそれほどではなかったものの、両親は叔父姪という近親相姦関係にあったのだと祖母は言う。
祖父は母への返信の手紙の中で「忌まわしい子がつくっていないのなら全て許してやる」と書いていたのだともいう。
母は豪華な暮らしを前に、真実を明かして子供たちを解放する事など忘れてしまったのだと兄も悟った。
祖母は怒り狂い、子供たちは一週間ほど飯抜きになってしまった。弟妹が死んでしまわないかと少女は毎日泣き暮らした。

子供たちは、自力で脱出する事を決意した。
部屋の鍵開け技術を取得した兄は、こそこそと屋敷内の金目のものを集め、外に出てからの糧にする事にした。
少女はそれを手伝っていた時に、偶然、使用人たちの会話を聞いた。
実は、病床にあった祖父は、一年ほど前に既に亡くなっていたという。
恐れる祖父がいないのなら助けにきてくれてもいいのに何故と少女は憤る。
傷心の少女は、同じように真実を聞かされて傷ついた兄と性関係を結んでしまった。
母は、自分を溺愛する祖父が「財産は全て譲るが、もしも子供をつくったら他の者へ移す」といった
遺言を残してしまったため、今度は周囲を説得するまで出せないのだと釈明してきた。
だが子供たちはもう何も信用できず、ただひたすら家出の準備をしていた。
機嫌取りのように、食事にはお菓子もつけられるようになった。
そのお菓子は弟の好みのものだからと、皆は弟に優先して食べさせた。
しばらくして、弟の体調が悪くなり、みるみるうちに彼は弱っていった。
子供たちは治療を懇願し、弟だけは外に出されて病院へ行く事になった。病院で弟は亡くなった。
兄は、突然の死を疑問視して弟が飼っていた屋根裏のネズミにお菓子を与えた。与え続けるうちにネズミは死んだ。


37 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/17(金) 19:24:48
母は自分たちを邪魔に思い、殺害すら決意してしまったのだと知り、
子供たちは金目のものを抱えてすぐに家を出た。
閉じ込められるようになってから、もう三年が経っていた。
もっと早くに出るべきだったと涙にくれながらも、子供たちは自由を噛みしめた。

その後外伝で、外の世界に出てからの三人が描かれる。
三人は親切な人の養子になってなんとか不自由ない生活を送れるようになる。
しかし、少女は閉じ込められ続けた事への反動かビッチ気味になったりした。
後に子供をつくるものの、自分の顔が段々母に似て行く事に気づき、
いつか母のように子を傷つける人物になるのではないかとおびえ続けるようになる。
兄は少女とは逆に、ずっと共にいた少女しか愛せず、
近親相姦願望を抱え続ける病んだ人になった。でも医者にはなれた。
少女(もう大人だが)の夫が死んだ後には、兄は表向きは少女と夫婦のようにして暮らし、
少女の子供に父親だと思わせるようになった。
妹は顔だけ大人びていくのに体格は一向に不格好なままで、
それをネタにしていじめられたり、不遇な日々を送り、
生まれた時から共にいた弟の死への喪失感も抱え、若いうちに自殺してしまった。

途中まで母親が助けにきてくれると本気で信じていたので、母親が変貌していく描写が鬱だった。


38 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/17(金) 21:28:23
>>37
それ映画だと、母親は子供を全員殺して金持ちと再婚しようとしてた。
で、怒った子供達は結婚式に乗り込んでいって
「は?生んだ覚えないけど?」とかファビョる母親を追い詰めて自殺させてたような。

39 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/17(金) 22:19:15
>>34-37
なんちゅう鬱な話だ…

42 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/18(土) 00:47:56
>>38
原作だと結婚相手は若い弁護士の男で、財力は圧倒的に母親の方が上だから、
金銭面ではやや男の方がコンプレックスを持っている……という感じだった。

補足
脱出のための金目のもの探しをする中で、少女はその男(まだ結婚してなくて母の恋人という段階)を見かける。
兄と弟以外の久しぶりに見る男性なせいか、少女は男に心惹かれる。
つい出来心から眠っている男に触れるが、
その事を兄に知られ、嫉妬した兄が迫った事がきっかけで近親相姦展開に。

脱出後の少女はビッチ化するが、粉をかけた面々は、例の男のようにヒゲを生やしているとか、
例の男のような髪と目の色をしているとか、自然と男の面影を持つ者ばかりだった。
妹が自殺しちゃったりした後に母親に復讐をしようと決意した少女は、
その第一弾として、既に母親と結婚している例の男を攻略する。
少女は、昔から男に惹かれていた事を自覚するし、真剣に愛するようになったが、
復讐の方を優先し、人が大勢集まる中で母の悪行を暴露する。
少女の復讐は果たされたが、男も立場を失い、結局二人が幸せに結ばれるという道はなくなった。


101 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/20(月) 02:07:03
先に出ていた屋根裏部屋の花たちの作者も、作品と照らし合わせると私生活事情がけっこう後味悪い

「どこかに閉じ込められる」「性に奔放な少女」というテーマを何度か取り上げている作者は、
少女時代に事故で下半身不随になって車椅子生活を送っている人。
当時の事情としては、哀れみの目がある一方で、不具者として侮蔑される対象でもあった。
そのためあまり社交させてもらえず、ほとんど閉じ込められるような日々を送っていた。
また、障害のために恋や結婚などもできなかった。
経歴を知った後、実体験と鬱屈した願望が混ざり合った結果が小説に反映されているようだなと思った。


102 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/20(月) 02:35:01
Virginia Cleo Andrewsで検索してみると結構美人なんだな
逆に後味悪い…

 

屋根裏部屋の花たち (扶桑社ミステリー)
屋根裏部屋の花たち (扶桑社ミステリー)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...