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246 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 17:35:45.75
屋根裏部屋の花たち

主人公の少女は、両親・兄・双生児の弟妹と共にごく普通に暮らしていた。
容姿が良く運動が好きな少女はバレリーナを目指し、シャイだが賢い兄は医者を目指していた。
だがある日、父が突然の事故で帰らぬ人となった。
舞台は現代より何十年も前のアメリカで、保険とかがあまり一般的ではなかったのか、
働き手を失った一家はすぐに困窮し、家を売り払わねばならなくなった。

母は誰かと何度か手紙のやり取りをした後に、子供たちを連れて家を出た。
行く先は母の実家だという。ついてみればそこは、尋常ではない大きさの屋敷だった。
どんな豪勢な暮らしができるのだろうと少女がワクワクするのも束の間、
子供たちは皆、屋敷の隅の小さな部屋に押し込められてしまった。

母は屋敷でお嬢様として溺愛されて育ったが、父との仲を反対され、駆け落ちして家庭を築いたという。
今でもその事を怒っている祖父に、母は子がいる事を明かせなかった。
怒りを解いた後には子の事を話して部屋から出してあげる、
そう母が言うので、子供たちは部屋に篭っての生活を送る事にした。

部屋には、粗末ではあるがバストイレ完備で、事情を知る祖母が毎日食事を運んでくれた。
祖母も父母の結婚に反対していたようで、子供たちに対する態度は冷たく事務的だったが、
少しの辛抱で豪勢な屋敷の子になれるのだからと、
少女と兄は、まだ幼くてもののわからない弟妹を慰めながら毎日をすごした。

だが一向に部屋から出られる事はなく、そのまま一年が経過した。
はじめの頃、何度も部屋を訪れては、早く普通に暮らせるようになりたいと泣いていた母は、
訪れるたびに装いが贅沢で垢抜けたものになっていき、訪問はめっきり少なくなった。
少女は、母は自分を捨てようとしているのではと思うようになった。
祖父の説得を諦め、豪勢な生活に耽溺するようになってしまったのでは、
そう兄に話し脱出を持ちかけるが、兄は母を信じていた。
また、逃げて子供だけで暮らすようになれば、バレリーナにも医者にもなれず、弟妹も養えないと危惧していた。
頑固な人物であろう祖父の怒りが解けるのをゆっくり待とうと、兄は妹を説得した。


247 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 17:37:06.44
更に二年ほどが経過。
母に会いたいと泣いていた弟妹は、たまに母がやってきても他人を見るような顔をするようになった。
日もろくに差さない部屋での生活のせいか、弟妹の成長の仕方は異様で、
顔だけが妙に大きく、体の方はろくに育たずアンバランスだった。
このままここに暮らしていては弟妹はおかしな事になってしまうと少女は危機感を抱いた。
また、同世代の少年たちは今頃学校で学んでいるだろうに自分は無学なままだと、兄も焦燥を感じた。
脱出のための下準備として、少女と兄は時々部屋から出ては、屋敷内から金目のものを盗むようになった。
苦楽を分かち合う少女と兄は、もう数年も他の同世代の異性を見ることがなくなっていたこともあり、
互いを異性として意識するようになり、やがて近親相姦関係になってしまった。

金目のものを探して屋敷を徘徊していた兄は、使用人らの会話を盗み聞きした。
それによれば、祖父はもう二年ほど前に亡くなっていたという。
祖父は莫大な財産を母に譲る際に、「子供をもうけたら財産を剥奪する」とも言い残したという。
歪んだ溺愛の末にそんな事まで言い出したという祖父に戦慄しつつ、
母は金のために自分たちを隠し通す決意をしたのだと、見捨てられたのだと兄は確信した。

久しぶりに現れた母に、祖父の死を知っていると告げ、少女と兄の二人で激しく問い詰めた。
だが母はしどろもどろで逃げ出し、翌日からの食事に申し訳のようにお菓子が添えられるようになっただけだった。
少女と兄は怒りつつ金探しに奔走する日々を続け、お菓子は弟が好むものだったので優先的に与えた。
ある日、弟が倒れた。尋常ではないその様子に、祖母は弟をどこかへ連れていき、
やがて「死んだので埋葬した」という知らせだけが戻ってきた。
現実感のない突然の弟の死に呆然としつつ、兄は弟が好んで食べていたお菓子をネズミに与えた。
ネズミはやがて死んだ。母は邪魔者になった子供たちを殺そうとし、
そして自分たちが弟を最初の犠牲者にさせてしまったのだと兄は悟った。

片割れを失い嘆く妹の後ろ姿は、歪な体格で、
どうしてこんな事になる前に一緒に逃げなかったんだろうと兄は後悔した。
三人兄弟はすぐに脱出をはかり、三年目にしてやっとの事で部屋を出た。


248 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 17:38:58.20
ここまでが「屋根裏部屋~」本編で、母に捨てられた子供たちの姿が悲惨だが、
後日談の妹が惨かった

妹は部屋の外で暮らすようになってからも、歪な体格が直らなかった
子供のような体の上に、大人びるようになった美しい顔を乗せたアンバランスな姿で、
学校でもいじめにあい、内向的な性格になっていった
ロリコン気味の男に見初められて、女として認められたのが嬉しくて好きでもないのに関係を持ったが捨てられ、
その後にちゃんとした真面目な男性と惹かれあい結婚寸前までいったが、
付き合ううちに彼が厳格なキリスト教徒で処女厨である事を知り、
慰められたいからというだけでロリコン男と関係を持ってしまった自分の汚れた体を恥じた妹は、
生まれてきたことを呪いながら自殺
恋人の男性は、君だったら過去になにがあろうと構わなかったのにと墓前でただ泣いた

最終的にはハッピーエンドだが、そこまでのエピソードがなにもかも重苦しい


251 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 18:42:42.46
>>246-248
こういう話だったんだな。
何度か出ているけど、ホラーのような印象があった。
書き手によって変わるんだなあ。

254 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/17(土) 21:19:53.12
兄と姉はどうなったんや

264 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/18(日) 01:36:12.36
>>254
生き残った三人は、医者の中年男性に拾われる
事情があって妻と離縁して独り身になってた医者は、三人に献身的で、学校にも通わせてくれる。
医者やバレリーナになるという夢も概ね叶えられた。
こうなるってわかってたらもっと早く脱出したのに、弟は死なずにすんだのに、
弟妹は奇形みたいにならずにすんだのに、とそれはそれで主人公らは鬱に

兄は外で生きられるようになっても、軟禁されてた時の主人公との関係を忘れられず、
何人か女性と付き合ってみたがやっぱり主人公に執着。

主人公も兄に惹かれる気持ちがあったが、それを振り切るためビッチ気味に。
魔性の女みたいになって、何十歳か年上の医者ともいい感じになるが、
結局バレエスクールの関係者のダンサーだかと結婚。
二人の子供を抱える母となり、結婚相手が死んだり妹が死んだりした後に、
知り合いのいない土地に移り住み、兄と夫婦のようになりながら子供を育てるようになる。

老いてさびしくなったという母親が「昔は色々したけど私も辛かった、家族に戻りたい」とか擦り寄ってきたり、
物心のついた子供に色々バレて「父ちゃんと母ちゃん兄妹だったのかよ、引くわ」って言われたりしたが、
主人公の子供たちも大人になったら丸くなって許してくれたし、まあハッピーエンド


271 名前:本当にあった怖い名無し :2012/03/18(日) 07:59:55.58
屋根裏部屋の花たち、前に映画版のあらすじ読んだことあるけど、そっちは子供たちが
母親に復讐して、テラスから突き落としてたよね。小説版の方がやるせなくて後味悪いな。

 

屋根裏部屋の花たち (扶桑社ミステリー)
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