ホーム » 小説 » 小説/あ行 » 遺産(小松左京)

750 名前:1/2 :2012/06/29(金) 16:30:54.12
小松左京の短編、タイトル忘れた。脳内補完多め。

品性下劣な老富豪が、部下の愛人の遺児を引き取る。
老人は彼女が求めるものは全て、慈母のように与えた。
しかし、求めるまでは何も与えなかった。食事さえも。
老「何かしてほしいことはないかね?」
娘「いいえ、何も…」
老「そうかね(菩薩の笑み)」

娘の母親はMだった。遺伝と生育環境のせいで、娘もMに育つ。
16歳になった娘は、老人の寝室を裸で訪れる。
「あたしはおじ様に、何をして差し上げればよろしいのでしょうか…?」

18歳になった娘は、弱気でヘタレなMになっていた。
心臓が弱っていた老人は、彼女に似合わぬ黒のエナメルボンテージを着せ、
鞭で自分を思い切り叩くよう命じる。
娘は鞭を振り上げるが、愛する人を傷つけることはできない、と泣き出す。
老人は何とも形容しがたい、下卑た笑みを見せる。これが毎夜繰り返される。

時が経ち、老人は死ぬ。
弁護士は、遺産は全て慈善団体に寄付され、娘は無一文で追い出される、と通告する。
娘はそれをおとなしく受け入れる。


751 名前:2/2 :2012/06/29(金) 16:32:18.64
遺言書には、プレイ中に老人が心臓発作で死ねば
娘に全財産を遺贈(養女ではなく、ただの居候なので)する旨の記載があった。
娘は、老人がドMでも望み通り責めるなんてことはできなかった、
だって愛する人を傷つけるなんて、と涙にくれる。

弁護士
「とんでもない、あいつはドSです。あんた(の精神)をドMに調教しておいて、
 正反対のS役をやらせる。こんな意地悪がありますか」
「あんたが鞭を振り上げてためらうのを見て、内心ほくそ笑んでいたに違いない」
「あんたに責め殺される事はあるまいと踏んで、こんな遺言を書いたんですよ」

怒りに青ざめ、殺してやればよかった、と叫ぶ娘。
弁「その気持ちだけがこれからのあんたの唯一の財産ですね。ま、頑張って☆」

M女にS役をやらせて、自分が死んでからも苦しむような遺言を書く。
なんちゅう事思いつく作者だろう。


752 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/29(金) 16:48:15.47
小松さんの話って無茶苦茶で面白い。
乙でしたー。

 

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