ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その132 » 思い出さないほうがいい事もある

220 名前:1/2 :2012/07/16(月) 04:03:21.11
まつざきあけみの90年代の短編。

主人公は元気一杯な女子中学生。
両親、大学生の兄と暮らす。生活レベルは中の上~上の下。

ある日、家の前で倒れていた美少女を保護する。
意識を取り戻した彼女は記憶喪失だった。
彼女は自分の名前も忘れていたが、立ち居振る舞いも言葉遣いも上品で厭味がない。
母親は彼女を上流階級のお嬢様と思い、しばらく面倒を見てやって恩に着せて、
ゆくゆくはお兄ちゃんの嫁に、そして上流とのコネを…などと目論み、家に居候させる。

主人公の努力の甲斐あって、彼女の身元が判明してしまう。
スラム街からアル中無職の父親、小汚いクソガキの弟妹がやってくる。
「○○子、父ちゃんが悪かった!明日から酒やめるし、仕事も探す!」
「おねえちゃーん、ひもじいよー!」

記憶を取り戻した彼女は、主人公一家に涙ながらに詫びてスラム街に帰る。
母親は、騙された!としばらく怒っていた。

一年後、主人公と兄がお屋敷町を歩いていると、とある立派なお屋敷で彼女を見つける。


221 名前:2/2 :2012/07/16(月) 04:05:13.30
彼女は上品な老夫婦と、薔薇が咲き誇る庭で優雅なティータイムを楽しんでいた。

通り掛かった人に聞いてみると、子供のいない老夫婦が、
門前に倒れていた記憶喪失の彼女を保護し、養女にしたという。
かわいそうに、彼女はまだ記憶が戻らない。
彼女は老夫婦を、実の孫のようにかいがいしく世話している。

本当の事を教えてあげなきゃ!と息巻く主人公を、兄が止める。
主「どうして?かわいそうじゃないの」
兄「思い出さないほうがいい事もあるんだよ。見てごらん、幸せそうじゃないか」

昔読んだ時は、辛すぎて追い詰められて記憶が飛んでしまってかわいそうの一択だった。
今では、中流~上流家庭に寄生?寄生だよなわざとだよな、と思う自分の心が後味悪い。


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