葦の穂綿(羅川真里茂)
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622 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/25(日) 21:16:24.18
- タイトル忘れたし全体的にうろ覚えだが
主人公の女性が通勤中にバイクが壊れて困っていたところ、通りすがりの男性が無償で直してくれた
この辺りで働く若者は地元の者ばかりだが、男性は最近よそから来た人物で、
叔父が開いているバイク店で働いているという主人公は男性に好意を持ち何度かアプローチしたが反応はそっけなく、
冷たい態度は悪意的に見えるほどだった
だがケンカしたりなんか色々あってちょっと仲良くなって男性の部屋に上がることになった
殺風景な部屋の壁には新聞の切り抜きらしき一つの顔写真と、
子供の頃の男性を含めた家族写真がはってあった
主人公が写真に目を留めたところ、男性は意味深に「俺が殺した人たちなんですよ」と言った田舎中にある噂が広まった
それは例の男性が人殺しで、元いた場所では暮らせないからここまで逃げてきたというものだった
男性が捕まったのは中学生の時のことで、殺した相手はいじめっ子だという男性と近頃親しくしていたからと、男性の叔父は主人公には事情を語った
事件の後、男性の両親は、男性の妹を連れて心中してしまったという
親戚づきあいはあまり活発ではなく、家族を自殺に追い詰めるような真似をした男性のことを、
会わない間に悪魔のような男に育ってしまったのかと叔父は思っていたという
しかし、近い身内だからと仕方なく面会に行ったところ、そこにいたのは憔悴しきったただの子供だった
毎日複数の同級生に暴力を受けお金もせびられていた男性は、
「お前の妹を犯す」と言われ、この状態を終わらせるには仕方ないと
いじめっ子の一人を衝動的に殺してしまった
だが終わるどころかもっとひどくなったと言って泣く男性を、
叔父は妻の反対を押しのけて引き取った
しかし男性の件であちこちから問い合わせがくる事態となり、
もう男性を店においておくわけにはいかなくなったやがて男性はよその土地に移ることになった。
好意は嬉しかったが自分には資格がないから冷たくしていたと男性は言う
少しの間仲良くしてくれた事がうれしい、自分はけして自殺したりはしないから安心してと最後に言って、
そのまま男性は去っていった主人公が一緒についていくとかそういう展開になるかと思ったらならず、
いじめ被害者なのに男性はこれからずっと一人なのかと思うと悲しかった
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625 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/25(日) 23:04:30.37
- >>622
思わず読み返した
羅川真里茂の『葦の穂綿』だね
確かに哀しい話だったけれど、あのラスト、
微かにだけれど彼は救われたのかもしれない
収録された単行本のタイトル『朝がまたくるから』のように、
いつか彼の人生にも朝日が射せばいいのにな
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631 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/26(月) 00:20:03.75
- >>622
若者の親が酷い…
何で一緒に乗り越えようとしないで心中しちゃうの?
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632 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/26(月) 00:28:33.65
- >>631
いじめられていたことに気づいてなかったんじゃない?
それはそれで問題あるけど。
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633 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/26(月) 01:53:19.26
- 現実だったらいじめの被害者が加害者を殺してもかえって同情されそうだけど
もしそういう事件が起きて減刑の嘆願書とかまわってきたら自分も署名すると思うし
その話の場合は犯人の家族が心中してしまったから叩かれることになったのかな
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652 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/26(月) 21:32:39.56
- >>632
両親がいじめに気づかなくて
更に守ろうとした妹と心中だとしたら惨すぎる。
つか両親が2次的加害者やん。