アドリエンヌ・ムジュラ(ジュリアン・グリーン)

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ジュリアン・グリーン「アドリエンヌ・ムジュラ」1927年

フランスの田舎町が舞台。
主人公アドリエンヌは18歳。母を亡くし偏屈で頑固な父と姉と暮らす中流家庭の娘。
家事手伝いだが花嫁修行中というわけでもなく、ほとんど引きこもり生活を送っている。

アドリエンヌはある日突然、近所の中年医師に一目惚れする。
医師は別にイケメンでもリッチでもない。
アドリエンヌ自身も、医師夫人ウハウハ!みたいな打算はない。

で、口を利いたこともない医師に偶然会えるかも☆と思い
引きこもりを脱して、用もないのに通りをうろつく。
姉の部屋から医師宅が丸見えなので、姉の留守を狙って部屋に上がり、医師宅を監視する。

アドリエンヌの変化に気づいた父と姉は
彼女に男ができたと決めつけ、責め立てる。
途中で姉は、
「あれ?パッパ、もしかしてキチ毒親じゃね?」と気づき、家を出る。

アドリエンヌが姉を逃がしたと思った父は彼女を容赦なく責め立て、
逆上したアドリエンヌに階段から突き落とされて死ぬ。

これは事故死として処理された。


542/3:2013/04/12(金) 14:05:26.14
毒父が死に姉も家出したので解放感があるはずだが、アドリエンヌはイライラするばかり。
プチ旅行に出てみたが、楽しいことは何もなかった。

医師に旅先から匿名でラブレター(絵葉書)を出したが、内容は
「あたし先生好き。先生はあたしが先生好きなの知らないでしょ。
あたし先生のせいで苦しんでる。かわいそうだと思うんならあたしのこと好きになって」

中年医師はアドリエンヌと面会するが、「あかん、これあかんやつや…」な会話が続く。
医師は二人の年齢差を伝え、結婚できないから諦めろと穏便に言うが、アドリエンヌはひたすら
あたしが先生を愛しているのだから先生も愛してくださるべき☆歳の差なんて気にしない☆と繰り返す。

医師は最後の手段として、病気を患っていて長くない自分には
若い貴女を幸せにできない、と嘘をつくが、アドリエンヌは
先生かわいそう…あたしが看病したげる☆先生が死んだらあたしも死ぬ☆
と、話が通じない。

医師は匙を投げ、
「お嬢さん、私は貴女を存じません。貴女を愛してなどおりませんし、これから愛する事もありません」
と最後通牒を突きつける。


55 3/3:2013/04/12(金) 14:06:48.18
医師の喪姉がアドリエンヌ宅を訪れ、呆然とした彼女を罵るだけ罵って帰る。
(ブラコン。医師がシスコンかどうかは不明)

追い討ちをかけるように隣家の女(若い頃にいかがわしい商売をしていたらしい)が訪れ、
アドリエンヌを丸め込んで金を借りて町を出ていく。
ついでに金の懐中時計も盗んでいく。

失恋のショックで狂ったアドリエンヌは、記憶を失って通りをさまようのだった。終。


56 本当にあった怖い名無し:2013/04/12(金) 14:19:34.64
その話って多分「これはあかんやつや」な会話とか細部が面白いんであって、
ストーリーだけ語られても、ってパターンじゃね?

57 本当にあった怖い名無し:2013/04/12(金) 14:21:43.65
元からアドリエンヌに問題が有るのでそんなに後味は悪くないな

 

ジュリアン・グリーン全集 1 アドリエンヌ・ムジュラ
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