ホーム » 小説 » 小説/か行 » 家族八景/亡母渇仰(筒井康隆)

7581/3:2013/07/01(月) 11:50:51.61
筒井康隆の短編連作「家族八景」から「亡母渇仰」

主人公火田七瀬は、読心能力を持つ美少女で流れ者の家政婦。
連作の最後を飾るこの作品では、姑の介護のためA家に雇われている。

A家の姑が病に倒れ、疲れはてた嫁が「お義母さまのため」に
家政婦を雇ってくれるよう夫(以下A男)に頼んだのだった。
姑はきつい人で、文字通り人の心を読みしてほしい事を先回りできる
気の利く家政婦である七瀬を、罵倒し嫌みを言い続けた。

姑の葬儀の席で、A男は棺にとり縋って号泣した。
嫁は小さくなっている。
弔問客も葬儀屋も笑いをこらえるのに必死だ。

A男(お母さん。なぜ死んだ)
(僕をおいていくなんてひどいよお母さん)
(お母さんお母さんお母さん)
客と葬儀屋(やっぱり基地外だわ)
(近親相姦)
(こりゃあいい見ものだ)
(処女妻)
A嫁は大きな洋品店の娘で、一目惚れしたA男が
姑におねだりして結婚したのだった。


7592/3:2013/07/01(月) 11:53:10.55
嫁(お義母さま。すっかり騙されましたわ)
(菩薩さまのような。お優しい。上品な。新婚のうちは若い人だけで。素敵な結婚指輪)
(同居。奴隷)

嫁の父がA男に苦言を呈した事もあったが、A男はそれを伝書鳩のように姑に告げた。
(あいつはお前の事なんかこれっぽっちも考えちゃいないさ)
(自分の娘だけが大事なんだ、お前を娘の道具だと思ってるんだよ、酷いやつさ)

A男は亡父と同じ会社に入社したが、父と違いボンクラだった。
会社で叱責されるたびに姑に泣きつき、
姑はA男上司(亡父の部下だった人)にしつこくクレームを入れた。
上司(功労者の息子でも能無しは能無し)
(功労者の未亡人は部外者、あんたの息子は今度こそ馘首)

家政婦として末席にいた七瀬は異変に気づいた。
読心能力者なので、居並ぶ人々の思考が勝手に心になだれ込んでくる。
『A男。A男』
『嫁』
『助けてA男』


760 3/3:2013/07/01(月) 11:55:08.64
七瀬は「早すぎた埋葬」を思い出した。
『A男助けて』
『嫁が女中を抱き込んで私を殺す』

棺の中でご隠居さまが生き返ったと教えても、皆若い娘が錯乱したと思うだろう。
七瀬の言葉を信じて誰かが棺を開けても、今度は読心能力がばれるかもしれない。
火葬場まで同行した七瀬は、手を合わせて祈った。
(お願い、このまま死んでください!)
『熱い』『熱』『嫁』『助けて』『助』『熱』『…』


772 本当にあった怖い名無し:2013/07/01(月) 19:03:32.96
>>758
赤塚不二夫のコミカライズ

上司は男を見捨てておず、七瀬は男が一人立ちするために死んでいださいと祈る。

ラストのコマは囂々と燃えさかる火葬場の炎から立ち上る母の絶叫

 

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