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592本当にあった怖い名無し:2013/08/02(金) 19:51:08.93
『キノの旅』6巻より、「彼女の旅 ― Chances ―」

旅人(主人公)とその相棒の喋るバイクは、
ある国にて出国手続き待ち中に、この国から旅に出る予定の男に話しかけられる
今、出国手続きを行っている女は男の相棒で、彼女から護衛を頼まれて旅に出るのだという
その経緯について男は、女の恋人を殺してしまった事から説明をする

7年前に飲酒運転により起こした事故で、
女の恋人の命を奪ってしまった男は、裁判にて懲役10年の刑を言い渡される
刑務所に入った後、男は自分のしでかした過ちを悔いて
女に懺悔の気持ちを書いた手紙を月に一度送り、
さらにその手紙に刑務所で得られる僅かばかりのお金も添付した

それから6年後(つまり今から1年前)、刑務所にまだ服役中の男の所へ、
今までの男の手紙(開封済み)を持ってきた女が面会に来た
男が泣いて謝ると、彼女は「この国にはつらい思い出があるから旅に出る」と述べ、
その旅の護衛として男についてきてほしいとの提案をしてきた

この国には、刑期が5年以下の囚人は、
二度と入国できない事を条件に出国できる法律がある
あと4年待てば刑期が終わり、そしていつかは両親が眠る墓に入れる事もあり
返答に悩んだが、自分の一生を使ってでも彼女に償いたいと
手紙で約束していた男は、この申し出を受け入れた


593本当にあった怖い名無し:2013/08/02(金) 19:56:33.84
経緯を話し終えた男が旅人に、「旅で一番気を付けなければならない事は何か?」を問う
旅人は「命を無くさない事です。もっと言うのなら、殺される前に殺す事です」と答える
そこへ手続きを終えた女が男の所へ戻ってきて旅人に挨拶を交わす
旅人が向かう方向が自分たちが行こうとしている方向と同じだと知った女は、
「一緒にお昼を食べましょう」と約束して、馬に乗って先に出発する

出国手続きを終えた旅人はバイクを走らせ、森で休憩していた上記の2人と合流する
男が旅人に近づこうとした時、男の後ろにいた女が、持っていた銃で男の肩や手足を打ち抜く
女に撃たれて混乱した男に、彼女はその行動の理由を
「あなたを殺すためよ。あなたが許せないから」と教える

加害者からの懺悔の手紙を読んで、
加害者を許せる人もいるかもしれないが、彼女は許せなかった
恋人が死んだ苦しみを自分は味わうのに、
相手は刑期を終えれば自由の身となり普通の生活を送れる
時が過ぎるごとに、手紙が送られてくるごとに恨みが募った女は、男を殺す決意をする
法が及ばぬ国外に男を連れ出すために旅の資金を稼ぎ、男の仕送りで銃を手に入れ、
銃に関する知識を学び、男の前で冷静にふるまえる訓練を積んできたという


594 本当にあった怖い名無し:2013/08/02(金) 19:59:03.12
死にたくない、許してくれと泣いて請う男に女は
「実は私、あなたを許したいの」と答える
残りの人生を女への償いとして使いたいと約束していた男に対して、
「だから私はあなたの一生を終わらせる。早い方が良いでしょ?」と、
男の顔に銃の標準を合わせて引き金を引き続けた

顔がなくなった男の死体を埋めた後、
女は亡き恋人の思い出と共に生きるつもりだと旅人に言って国へ帰った
旅人は、男の持っていた銃のスコープを失敬して再び旅に出る

男の主張も女の主張も分かるが、何だかなぁ・・・


599 本当にあった怖い名無し:2013/08/03(土) 08:23:00.83
キノの旅は主人公のキノが絶対に私情を挟まないで淡々としてる所がいい。
女の思惑を見抜いてもオトコに助言しないし、物事には徹底して介入しようとしないし。
(自分の命に関わる場合や、報酬をもらって仕事として請ける場合は別)

何巻か忘れたけど、移動中の平原だか砂漠だかで
なんらかの事情で1人さまよう子供に「助けて」って言われるんだけど、
置き去りにするんだよね。
自分の装備は1人分で二人では次の国まで持たない。
二人だとどっちも死ぬから、悪いけど他をあたって、みたいな。
それは事実で、キノも余裕があれば子供を保護するんだろうけど、
自らの命を危険に晒してまでは善行しない。

 

キノの旅〈6〉the Beautiful World (電撃文庫)
キノの旅〈6〉the Beautiful World (電撃文庫)


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