ホーム » 小説 » 小説/た行 » 大好きな姉(高橋克彦)

8361/4:2013/09/14(土) 10:29:55.18
角川ホラー文庫最初期のアンソロで読んだ短編をうろ覚えのまま投下

「私」は落ちぶれた旧家の次男、法事のために久しぶりに帰省した。
雨模様で、バス停には兄嫁の咲子が傘を持って迎えに来てくれていた。
兄より随分年下の咲子は相変わらず若々しく美しいが、片目を黒い眼帯で隠している。
まだ義眼を入れてないのか…と、「私」は愕然とした。

年の離れた兄が咲子と結婚した時、「私」はまだ小学生だった。
「本家のお嫁さん」である初々しい咲子を、皆ちやほやした。
おっとりした咲子は「私」にも優しかったが、
思春期にさしかかっていた「私」はなんとなく眩しい存在と思って距離をおいていた。


8372/4:2013/09/14(土) 10:31:02.75
ある日「私」は咲子の用便を覗いた。
昔の農村なので、便所は汲み取り式。
低い位置の換気口(?)から覗くと白い脛と尻が見えた。
それだけでなく、何か赤黒い塊が便槽に落ちるのも見えた。

みんな咲子ねえさんが鬼女だって知らないんだ、
咲子ねえさんが赤ん坊を食い殺して残骸を捨てた!
と思い込んだ「私」は昼寝中の咲子の片目に尖った物を突き立てた。
大方の予想通り、咲子は月経中で脱脂綿だか込め玉だかを捨てただけだった。

咲子はそのせいで障害者になり、兄が死んでも再婚もできず義親に仕えている。
実家に向かう途中、「私」は咲子に土下座して詫びた。
咲子は困ったような顔で、
「いいのよ、あなたは子供だったんですもの」
と微笑んだ。


838 3/4:2013/09/14(土) 10:34:06.63
(「私」と咲子は事件以来顔を合わせていない。
兄夫婦が独立したのか、「私」が親戚に預けられたのかは忘れた)

途中で実家に電話を掛け、咲子さんが迎えに来てくれた、
雨宿りで少し遅れる、と伝えた「私」に母がわけのわからない事を言った。
…「オサキサマ」が「私」を連れて戻ってくる、「オサキサマ」さえ戻れば再興できる、と父が言った…
…「オサキサマ」なんかどうでもいい、「私」さえ無事ならお家再興なんかどうでもいい…

…事件直後の事はあまり覚えていないが、今ぼんやりと思い出した事がある。
咲子の目を刺したら、血と一緒に黒い毛がびっしり生えた触手のような物が飛び出したのだ。
「私」のうなじに生臭い息が吹きかけられた。終


839 4/4:2013/09/14(土) 10:35:47.40
終始「私」視点で、真相が明かされないのが後味悪い。
たぶん咲子は守り神or生け贄が必要だが願いを叶えてくれる化け物なんだろうけど。
ずっと後に漫画版を読んだが、こっちはお寺に下宿してる女子大生と住職の孫だった。

849 本当にあった怖い名無し:2013/09/14(土) 14:05:27.42
>>836
高橋克彦の「大好きな姉」だな。

 

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