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191/3:2013/11/17(日) 11:31:41.65
高橋克彦「おそれ」

作家、担当編集者、作家の旧友の医者、作家が講師を勤める大学の若い女性職員が
温泉宿に集まり、雑談の流れで百物語ではないが自分が体験した怪異談を話すことになった。

皆様々な「体験談」を語り、トリは作家。
作家はさすがプロだけあって、皆の怪談を合理的な理由がないから余計に恐ろしい、
君の話は○○地方の伝説に似ている、古くから同じような体験が繰り返されてきたという事だねえ、
などと批評する。

…死を恐れるから怪談ができる。誰だって死ぬのは嫌だ。
××君(医者)、先日君の病院で胃を検査してもらったがまだ結果は出ないのかね?
覚悟はできているよ…実は自覚症状がね。


202/3:2013/11/17(日) 11:35:16.21
子供がいなくて幸いだったが、家内と離ればなれになるのだけが心残り…
まあ最後まで言わせてくれよ。

僕は死後の世界はあると思っている。だが一人で死ぬのは怖い。
実は家内を殺して来たんだ。うん、納得して死んでくれたよ。
君たちも連れて行こうと思って、ビールに毒を盛った。
そろそろ苦しくなってきたんじゃないかね?
賑やかに繰り出そうじゃないか、どうせ皆独身だ、死んでもいいじゃないか。

…おい帳場に電話なんかやめたまえ。
落ち着け、ほんの冗談だよ。怪談の〆を盛り上げようと…
そんな無理に吐く事ないじゃないか。
真に受けるなんてどうかしてる、僕は物書きだ。嘘つきのプロなんだよ。


21 3/3:2013/11/17(日) 11:37:39.30
たかが物書き風情に、何時間も経って効き目があらわれるような
凝った毒薬なんか手に入れられるはずがないだろう。
全力で釣られてくれて、こちらとしても話を考えた甲斐があったよ。

…女性職員はおろおろするだけだし、
編集者と医者は口に指を突っ込んで無理に吐こうとしている。
旧知の仲の医者の慌てようときたら…
(僕は本当に、余命僅かなのかもしれない)
作家は、胃がずしんと重くなったような気がした。


23 本当にあった怖い名無し:2013/11/17(日) 12:19:52.26
>>21
後味悪いはずなのになんかニヤニヤしてしまった
そりゃ慌てるよなww

 

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