ホーム » 小説 » 小説/あ行 » 疫病船(皆川博子)

219 名前:1/3 投稿日:05/02/04 14:13:17
最近読んだ小説なんだが

娘の母親絞首殺人未遂がおきる。娘40未婚、母60くらいで同居。
娘は頑として理由を語らない、母親は「あの子は気が狂った。怖い怖い」と言うだけ。
母親に突然知らぬ親戚筋の遺産相続話がきてたので最初はその遺産目当てかと思われていたが
娘の国選弁護人がその背景を探った結果、以下の事情が明らかになる。

まだ娘が小中学生くらいだった終戦直後、
父親が出征してて乗ってた船が疫病(コレラだったかな)に汚染されて
戦い終わって戻ってきたものの「菌が死滅するまで」帰港を許されなかった。
伝馬船で死者・患者のみ運ばれてく毎日、日に日に健康だったものまで死んでいく。


220 名前:2/3 投稿日:05/02/04 14:14:13
父親ともう一人の仲間は目の前に故郷が見えるのに帰れないもどかしさに
ある日こっそりボートで陸地へと向かう。
みんなが集まってきてこっちを見て手を挙げて振っている、
懐かしい妻と娘の姿も見える。
・・なんだが実は病原菌を持った彼らに石を投げて殺すためにみんな集まってきたのだった。
「きれいにならんと帰っちゃダメだ!あたしらまで殺す気か!」と父親に石をぶつける母親、
娘もその場では母親の言う通りに石をぶつけていた。そして父親達は死んだ。

弁護士はこれを、母娘が当時身を寄せていた田舎の親戚宅にあった、船長らしき人物の手記から知る。
それは焼けこげていて、当時母親が火のなかに一度投げ込んだが娘が拾いだしたそうだ。
また親戚からその後の母親の奔放な男関係も聞く。


221 名前:3/3 投稿日:05/02/04 14:15:40
娘は「あの人はそんな、ふってわいたような天恵(遺産のことね)を受けられる人間じゃない」
と弁護士に言っていた。母親が遺産話を断ったかもしつこく聞いていた。
殺そうと思えば殺せたのに「あまりにすんなりと横たわってるのを見てこれじゃ楽すぎると思ってやめた」とも。
そして弁護士が事情を知って後日訪れた時には娘はすでに拘置所内で縊死していた。

弁護士は母親の元を訪ね、その焼けた冊子を見せる。
「いまさら何ですか」とつっぱね、更には媚態を見せて弁護士に取り入ろうとし、
当然遺産は貰いますよと弁護士に嫌な笑いを見せる母親。
—–おしまい


223 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/02/04 14:57:24
どうして娘は縊死してたんだ?

224 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/02/04 15:06:48
>223
一緒に父親を殺させた母親への恨みが30年積もってそれが遺産きっかけに爆発して
母親の首絞めてるときから自殺するつもりだったらしい
でもってその後の母親のしゃあしゃあとした態度も後押しになったらしい

225 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/02/04 15:55:27
わからん。
コレラにかかってたら隔離されるのは当たり前だ。
隔離先から逃げてきて殺されたようだが
なんで村人はそいつらが帰ってきたのを知ってたのか
なんで村人が総出で石を投げたのか。
軍部がやってきて連れ戻すのが普通じゃないか?

母親をひたすら恨む娘も理解できん。
作者と娘が馬鹿でFA?


226 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/02/04 16:21:37
>>225
娘の心情に関して言うなら、
娘が本当に憎かったのは「男関係の激しい母親」であって、
父親を殺させた云々のエピソードは、
「母親を憎む自分」に正当性を持たせる為の象徴なんでは?
どんなDQNな親でも、親を憎むには罪悪感がつきまとうもんだし。

227 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/02/04 16:38:28
>225
まず、その人達はコレラにはまだ罹ってないと思われる、という設定なんですね。
「このままここに病人と放置されてたら自分たちまでやばい」と。
で、港から離れた村の付近にこっそり逃げた。
あとは推測ですが逃げたのが日中で誰かが気付いてもしくは逃げた方が呼びかけて
みんなあつまってきた、みたいなもんだと思います。
あまり自分はそのあたり考えずに読んだので..
あとは>226さんの通りだと思います。余談ですが作者も女性なんですよね。

 

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皆川博子作品精華 迷宮ミステリー編
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