ホーム » 小説 » 小説/か行 » 可哀相な姉(渡辺温)

200 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/03/18 07:19:40
短編小説からひとつ。

主人公の少年には口のきけない姉がいる。
姉弟は他に身よりもなく、姉が街で草花を売って日々暮らしている。
そして姉は弟が大人になるのをいやがって、
主人公の生えかけの脛毛を見ては何度も首を縦に振る。
彼女は手振りで話すことができたが、
どういうわけか否定の気持ちを表すときの仕草を間違えて覚えていて、
首を横に振る代わりに縦に振るのである。

やがて主人公は恋をして、
半病人のような姉を疎ましく思うようになる。
同時にみすぼらしい花を売ったくらいで二人の食い扶持が稼げるはずもないことがうすうすわかってくる。
姉は語ろうとしないのでこっそり後を追うと、案の定姉は春を売っていた。
主人公はベッドの下に隠れて、姉を買った男を刺す。

そして気を失った姉と殺された男を放置して、彼は清清しい顔で帰宅する。
きっと今頃彼のかわいそうな姉は、「お前がやったのだな」という質問に対し、
狂ったように首を縦に振っているのだろうと思いながら。

渡辺温の「可哀相な姉」。
恩知らずもいいとこですねと思った。


201 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/03/18 10:04:09
>200
ブルガリアでは首を縦に振るのは否定の意味なんだよね。

203 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/03/18 11:58:01
しかしながら、姉がおしで売春婦で殺人犯というトリプル重荷を背負う事になるだけのような。
「あんな家に嫁っこさいぐな」になるだけじゃ…。

204 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/03/18 11:58:53
>>200姉さん・・・救われねえ・・・。

206 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/03/18 15:23:05
>>200の姉さんは価格交渉で「負けろよ」といわれるたびにうなずくので
ただ同然で仕事をする羽目になることもしばしば。たまにチップをやろうと
いういい客もいるがかぶりを振ってしまうのでもらい損ねることもしばしば。

それでも自分がなにを間違っているのか気がつかない・・・ってありえないってば。


207 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/03/18 18:56:36
>>206
うんうん。ありえない気がするよ。
返事がおかしいと思って「いらないのか?」とか聞き返して、
「お前な、首の振り方が逆だよ」と教えてくれる人が実際はいるはず。

いると信じたい。俺だったら教えるぞ。

 

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