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320 名前:1/2 投稿日:2005/05/22(日) 16:32:34
式貴士の「鉄輪の舞」を読んだ。ひたすら陰鬱な話で、結構後味悪かったよ。
以下あらすじ。

陰気な妻、倫子との生活に、昌也は息苦しさを感じていた。
二人が結婚したのは倫子が昌也に熱愛したからであり、昌也は妻を愛していなかった。
倫子の愛されたいという欲求は深い泥濘となって溜まり、夫を圧迫していく。
やがて二人の間には息子が一人生まれた。
息子は父親の分身かと思うほど昌也と瓜二つの顔をしていたが
常から子供嫌いの昌也は、我が子に愛情を感じる事はなかった。
暗い妻と愛せない子供に耐え切れなくなった昌也は、別居を提案する。
別居生活の中、昌也は生まれて初めて本当の恋愛と出会う。
相手は若々しく明るい娘で、倫子とは正反対の性格だった。
昌也は恋人の存在を妻に隠していたが、倫子は恐ろしいほどの直感で
夫に恋人が出来たことを見抜く。
そして、その頃から昌也は原因不明の頭痛に襲われるようになった。
まるでキリキリと、鉄の輪で頭を締め付けられているような痛みである。
(つづく)


321 名前:2/2 投稿日:2005/05/22(日) 16:34:04
(つづき)
昌也はうっすら「妻が藁人形や何かで自分に呪いを掛けているのでは」と疑う。
しかし、自分は妻の下に髪の毛一筋から爪の一片だって残して来てはいない。
自分の写真に針でも突き立てているのだろうか。いや、まさか。
そんな事を考えていたある日、昌也は激しい頭痛に見舞われて死んでしまう。
彼の遺骨は妻倫子の元に送られた。

昌也が死んでしばらくして、倫子が住んでいるアパートの住民達が、
異様な臭いに騒ぎ出した。人々が臭気の元である倫子の部屋に踏み込むと
そこには、亡くなった夫の骨や灰にまみれた裸の倫子がいた。
踏み込んだ人々を般若のような顔で睨みつけるその顔は、すでに狂人のものだった。
臭いの発信源である浴室を覗いた住民が悲鳴を挙げる。
そこには、腐敗した子供の死体があった。死因は頭蓋骨破裂。
幼児の額には、針金が肉を突き破り骨を砕くほど強く巻きつけられ、蛆がわいていた。

……倫子は、昌也の髪の毛や爪など必要としなかったのだ。なぜなら昌也は、
自分の分身を妻の下に置いて出て行ったのだから。(了)


323 名前:320-321 投稿日:2005/05/22(日) 16:44:17
なんか俺の概要だと火サスみたいだけど、原作は緻密なホラーの雰囲気。
これ、短編集で他の話も、どれも後味悪くて
エロかったりグロかったりして結構おすすめ。人魚の話もあった。

335 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/05/22(日) 19:02:06
>>320
うっわー、さすが式貴士。GJ!
当初あったコミカルさも、かけらもないような内容だ。
スゴクまっとうな後味悪さで感動したよ。
もう亡くなったんだっけ?

 

鉄輪の舞 (ふしぎ文学館)
鉄輪の舞
(ふしぎ文学館)


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