ジェニーの肖像(ロバート・ネイサン)

674 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/09/26(月) 23:59:49
外国の小説にそういうのがあったよ。
確か『ジェニーの肖像』だったか?(うろ覚え)
粗筋では、ある晩、画家を目指している苦学生の青年の目の前に8歳程度の少女が現れる。

少女は、初対面である青年に対して『あなたの事を前から知っている』と親しげに話し、
やがて何処かへ行ってしまうがそれから、時々いきなり青年の前に現れるようになり、
その度に8歳くらいだったのが10歳くらいに、それから次に現れると12歳くらい・・と、
会う度に大人になっていっていき、少女が話す少女にとっての『現在』が、
自分にとっての過去であり、少女が過去から遡って現在に近づいている事を知る。

もはや、少女は美しい女性(18歳位か)になり、過去との時差も2,3年程度となった頃には、
青年にとって少女は誰よりも愛する存在となりっていたが、少女は家庭の事情で外国に行くことになった。
しかし、青年にとって少女と次に会えるときは時差は完全に修正されているはずで、
少女と青年はお互いに愛し合っていることを確認し、
青年は少女の肖像を次に会う時までに描き上げる事を約束して別れる。

そして会う約束の日(少女の時間と青年の時間が一致した年月日)
青年は描き終わった少女の肖像画と共に、少女が乗っているはずの客船が着くのを待っていた・・が、
青年が目にしたのは客船が帰港途中で沈没、全員死亡のニュースで、
その乗客名簿の中に完全に実年齢と一致している少女の名前もあった。
青年はとうとう、少女(ジェニー)とは現世で出会うことが出来なかった。
初めて、青年はジェニーが一度も現世では会うことの出来なかった
自分に会うために過去から訪問してくれていた事を知る。

 

ジェニーの肖像 (創元推理文庫)
ジェニーの肖像 (創元推理文庫)